真の歴史へ

横島が令子に話したら令子の雰囲気が変わり、八兵衛の意識が現れた

「そうしてもらうと助かる。 それなら韋駄天の問題で収まる」


「神族の問題は難しいですからね… 問題を内部で処理するのが一番ですからね」

小竜姫が難しい顔で話した


八兵衛はあまり気にしないが、韋駄天を人間が退治したとなれば韋駄天一族のプライドに関わるのだ

神界勢力も複雑な為、出来れば八兵衛が1人で解決するのが望ましかった

無論、過去の時は九兵衛が超加速を会得して、八兵衛では勝てなかった

同じ結果になる可能性が高い為、そうなれば横島と小竜姫が加勢して、人間のGSとして八兵衛に協力するという形にするのだが…


「わざわざ挑戦状を叩きつけるってことは余程自信があるんだろうな…」

横島が過去の記憶を元に八兵衛に警告する


「捕まえる自信はあるのですか?」

小竜姫が不安そうに八兵衛に聞いた

「正直難しいかもしれません… 元々私が少し早いだけでしたので… 今は美神殿の治療に神通力を使っていますので…」


「治療はどの程度終わったんだ?」

「六割方終わりましたが、元々重傷な為今治療を放棄すれば全身骨折は確実かと…」

八兵衛は困ったように横島と小竜姫に説明した


「状況を見て危なければ助太刀しますが、私が神族なのは極秘に願います。 あくまで人間として神界に報告して下さい」

「わかりました。 よろしくお願いします」

小竜姫の説明に八兵衛は深く頭を下げた

体が令子な為、横島と小竜姫は違和感で苦笑いしていたが…


しばらくすると新幹線の横に九兵衛が現れた

「行ってきます!」

八兵衛は神通力を解放して、新幹線の扉を開けて外出た

「九兵衛!! 仏につかえる韋駄天一族でありながら数々の狼藉、もはや許せん!! 神妙にいたせ!!」


八兵衛は新幹線の屋根に乗り九兵衛に叫ぶ

九兵衛はニヤリと笑い話す

「…やはり来たか八兵衛! なぜ俺がわざわざ挑戦状など書いたと思う!? 今夜俺は地上最速であることを証明し、ついでに貴様を倒すため! 罠にはまったな八兵衛!!」

九兵衛はその時
姿が消えた…!


九兵衛は令子(八兵衛)の後ろに現れた!

「何っ!?」

八兵衛は驚き後ろを見た

「俺はこの数日必死に修行をしてきた… そしてついに極意を得た!! 天才だけが学べる極意! 『超加速』のなっ!!」

九兵衛は勝ちを確信した笑みを浮かべていた

「超加速だと!? バカな!! あれはエネルギー消費が激しすぎて一度使えば立ち上がる力も残らんはず……」


ドガッ!!

九兵衛は戸惑う令子(八兵衛)の腹を殴りつけた!

令子は(八兵衛)お腹を押さえて苦しんでいる…


「仏の飼い犬となりのうのうとしてきた貴様たちと俺は違うのだ! ただひたすらに早くなることを願い修羅の道を歩めばこそよ! 我ら韋駄天は元々、鬼! 鬼に戻った俺が貴様らより優れているのは当然だな!!」


九兵衛はそのまま超加速を使い令子(八兵衛)を攻撃していく…



一方横島と小竜姫はその様子を新幹線の車内から見ていた

「やっぱり八兵衛だけじゃ無理か…」

「横島さんいつ加勢します?」

二人は難しい顔で考えていた

「奴に隙が出来たら一気に超加速で決めよう」


「確かに美神さんの体であの戦闘はキツいでしょう… まだ怪我が治ってませんし」


横島と小竜姫は密かに新幹線の入り口から加勢のタイミングを探る


八兵衛と九兵衛の戦いは一方的になっていた

「クッ…… 奴の気配さえつかめん…」

八兵衛は息も荒くもう長く戦えなかった…


「無様だな八兵衛! これで人間共々終わらせてやる!」

九兵衛は最後の攻撃に超加速に入った!


その瞬間
横島と小竜姫も超加速に入っていた


九兵衛は勝ち誇った顔で令子(八兵衛)を殴ろうとした…

「サイキックシールド!!」

キンッ!!

九兵衛の攻撃は横島のサイキックシールドに阻まれた


サイキックシールドはサイキックソーサーの拡大版で、ドーム状に横島を包む技だった

「貴様! 何者だ!! なぜ人間が超加速を使える!!」

九兵衛は焦ったが横島を睨んで叫んだ


「超加速はお前の専売特許じゃないだろ? それより後ろに気をつけな!」


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