真の歴史へ

「悪いんだけど、首都高荒らしも手伝ってくれない? 私は韋駄天にとりつかれてるしね」

横島は少し考えて

「いいですよ。 今回の相談料と韋駄天の除霊料で一億でいかがですか?」

令子は一億の金額につらそうな顔になったが
韋駄天を退治するなら一億は普通の料金だったし、他に頼れるGSも居ない為しぶしぶ了承した



首都高荒らしが現れ次第、一緒に退治に行くことになった


それから令子達が帰って、雪之丞は再び修行に行った


部屋では横島とルシオラと小竜姫とタマモがお茶を飲んでいた


「前はヨコシマが韋駄天にとりつかれたんでしょ? その役が美神さんに行ったのね」

「アハハッ 損な役回りをする人が居ないからみんな自分でやらなきゃならないのね」

ルシオラが美神の現状を考えて話して、タマモは横島を見てかつての姿を想像して笑っていた

「タマモ~ 笑い事じゃなかったんだぞ?」

横島は拗ねたように話した

「横島、ごめんね」

拗ねた横島にタマモはジャレついて謝った


「やはり美神さんみたいに危険な仕事を受けるGSは一人じゃ危ないんですけどね…」

小竜姫は一人真面目に考えていた

「まあ美神さんだしね~ あの人を支えるのは普通の人じゃ無理よ。」

ルシオラは苦笑いしながら小竜姫に話した

「俺達はあくまで仕事としてなら協力するが、それ以上はしないよ」

横島が小竜姫やルシオラに向かって言う

「まあ、美神じゃあその辺しっかり線を引かないと甘く見られるからね」

タマモは苦笑いで言った

令子は利用するのは徹底的に利用するのだ

それは経営者としては正解かもしれないが、人は着いていかない

それを痛いほど理解している横島達だった…


「多分美智恵さんが動くんじゃないか? あの人が動いて美神さんがどうなるかはわからないがな…」

少し考えこんでいた横島が話す

「でも未来では美神さんを抑えれなかったわよ?」

ルシオラがアシュタロス戦後の令子と美智恵を思い出して話した


「抑えるのはしないでしょう… この世界では過去から美智恵さんは来ないかもしれないので、アシュタロス戦に向けての用意と周りの関係作りではないでしょうか?」


小竜姫が首を傾げながら話した

「実際未来は変わってるからな…」

横島が難しい顔で考えるが、時間移動をする美智恵がどう動くかはわからなかった


横島、ルシオラ、小竜姫、タマモの4人は知識や経験が豊富なのだが
時間移動だけは、実際どうなるかわからなかった


時間移動するのが決まっていればいいが、歴史に無い時間移動をすれば新たな平行世界を作るだけなのだから……

みんな難しい顔で考え込む中小竜姫が自分の知ることを話す

「時間移動自体はあまり大きな歴史の改ざんは不可能なんです。 時間の復元力が働きますから。 それにうまく変えれても、歴史を変えれば平行世界を作って帰れなくなりますから… 非常に不安定な能力なんですよ」


「横島は美神と2回時間移動したんでしょ? よく帰ってこれたわね~」

タマモが不思議そうに話した

「俺が時間移動した時の俺や美神さんでは平行世界を作るだけの力は無かったしな…」

「平行世界は数限りなくあるはずよ。 帰ってこれない未来も存在すると思うわ」

ルシオラが言うと横島はゾッとした
今考えてみればかなり危険なことだから…

ルシオラや小竜姫やタマモと一緒にならない未来…

考えたくも無かった

「みんなが幸せな未来がいいんだがな…」

横島はふと呟いた


それはルシオラ達も同じ気持ちだった



それから数日後

JL東海に首都高荒らしから挑戦状が届いた

その依頼が横島の事務所に来た

美神は前に失敗している為に依頼が行かなかったようだった…


横島は東海道新幹線を深夜走らせて
韋駄天九兵衛の退治に乗り出した

無論令子も呼んで
横島と小竜姫と令子で行った


今回は超加速の勝負が予想されるため
ルシオラとタマモは同行しなかった

雪之丞は魔装術と魔装術を使った時の飛行をする修行をしていた

神魔族は皆飛べる為、雪之丞のように近距離格闘をするタイプには飛行術が必要不可欠だった



横島達3人は新幹線で九兵衛を待っていた…


「八兵衛、とりあえず一人で捕まえるか? 神界の任務ならそれが一番だろ?」
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