真の歴史へ

横島心霊相談所はパイパー事件以来
結構依頼がくるようになった

料金も相場より安く、場合によっては無料近い金額で仕事をすることもあり、一般人の評判も上がりつつあった


もっとも
安くしすぎた時は報告書等に書けないため、裏の仕事になるのだがあくまで秘密裏に、しかも横島は唐巣の弟子になっている為、特に問題はおきていない


だが
横島は他のGSに依頼出来るレベルはあまり受けなかった
お金に余裕のない客やレベルの高い相手を中心に受けた


横島は悪霊をシバくのが好きな訳でもなく、お金が極端に好きな訳でもない
あくまでルシオラ達と幸せに暮らせればいいだけなのだから……



そんな中
横島にある依頼が来た
内容はプールに幽霊が現れるという依頼だった

特に難しい依頼でもなく、横島が受けるレベルではないのだが、横島はルシオラ達とプールに行きたい為に受けたのだった……


「ヨコシマ、お待たせ」

ルシオラ達が来た

ルシオラはパレオ付きのビキニ
小竜姫はワンピース
タマモはビキニだった

「横島さん似合いますか?」

小竜姫が恥ずかしそうに聞いた

「みんなめちゃくちゃ似合ってるよ~」
横島はニヤけながら話した

「横島! 人前でニヤけないでよ。 毎日見てるでしょ?」
タマモが妖艶な笑みを浮かべて話した

「アハハッ 水着は新鮮だな~ と思ってさ」

頭をかきながら話した

「みんな本当に綺麗だな~ 俺は幸せだよ」

横島は優しく微笑んだ

「「「横島…(さん)」」」

三人は顔を赤らめていた

四人の甘い空気に周りが、嫉妬や羨望の眼差しを向けるが四人には届かない

「じゃあ行こうか?」

そして横島は
美女に囲まれプールサイドでくつろいでいた

人工の波に
人工の砂浜
ウォータースライダーに
カフェバー、ホテル
ナイター設備も完備
世界最大級のレジャープールか…
本当にただの人工ナンパ場だよな~

横島は過去の自分をすっかり棚に上げて呆れていた…


「横島さん… 私達目立ってませんか?」

小竜姫が気が付いた

「しかたないよ。 みんな美女だからな~ 普通にしても目立つんだよ」

横島が笑って答えた
「私達は横島意外には興味がないんだけどね…」

タマモが疲れたようにつぶやく

「気にしちゃだめよ。 ねえ、ヨコシマ泳ごう」

ルシオラに連れられて、横島と小竜姫とタマモはプールに行った


結局横島達は
その日1日、目一杯遊んで楽しんだ


それから3日…

未だに霊は現れずに、横島達は完全にただのバカンスになっていた…


この3日間で
ルシオラ達がナンパされた回数は三桁を軽く超えて、横島はそれを追い払うのに疲れたのは幸せな事実なのだろう……


そして3日間のお昼すぎ…
横島達はお昼を食べて砂浜でくつろいでいた


「キャー」

「出た~!」

たくさんの客が逃げてプールから上がってくる!


「やっと出たな~ いくぞ!みんな!」

「「「はい!」」」

横島達は一人の水着を着た女性の幽霊だった


「意志はないみたいだな… しかたない、生者に害をなす前に立ち去れ」


横島は霊波砲を軽く撃ち幽霊に当たった

幽霊は水着が消えて成仏していった


「横島さん おかしいです!」

小竜姫が幽霊の不自然に気がついて周囲を警戒した


「ヨコシマ! プールの中に何かいるわ!」

ルシオラが叫んで、横島達は警戒態勢に入った


その時プールから手が伸びてきた

手はタマモをつかもうとするが

「狐火!!」

燃やされて手が引いていく


「夏なんかキライだー! 太陽も海も水着のねーちゃんもスポーツマンもキライだーー!!」

丸く醜い妖怪が現れた


「誰だお前?」

横島は知っていたが一応聞いてみた

「う…ううっ、ちくしょう!! おではコンプレックス」

「夏の陽気のカゲにひしめく陰気をすする妖怪だぎゃー!!」


「気持ち悪いわね~」

タマモが顔をしかめて言った

「情けない妖怪ですねー」

小竜姫は呆れていた

「最近生まれた下等妖怪ね!?」

ルシオラが言った


「みにくくて悪かったにゃーっ!! 暗くてゴメンよー!! おではにゃ おみゃーら人数のマイナス思念が固まって出来た妖怪だぎゃー!!」
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