GS横島 運命と戦う者
横島達がバチカンから帰国して半月ほどたったある日
その日も美神除霊事務所は暇だった
横島が辞めて以来広がった噂は、話が大きくなって都市伝説のようになっている
「美神令子は暴力団をや政治家を支配している」
「GS業界一のぼったくり事務所」
「事務所の地下には金塊が眠ってる」
「あまりの性格の悪さに誰も近寄らない」
などの、真実と嘘がごちゃ混ぜになった都市伝説が数限りなく広まっていた
ただ、話の大半が真実なのはやはり令子ならではだろう
最早、そんな悪い噂の絶えない令子に、仕事を依頼する企業は無い
現在来る仕事は、何も知らない一般人や、昔からの付き合いの暴力団などの違法な仕事だけである
かといって、一般人が依頼する安い仕事はプライドが許さない為、受けない
その為、やばい仕事専門の除霊事務所にとして有名である
かつてGS業界ナンバーワンと言われた面影は、最早令子の事務所には無く、代わってGS業界ナンバーワンになったのは小笠原エミ
そんな現実を、受け入れることが出来るはずも無く…令子は常にイライラしながら、日々生活を送っている
事務所の内部はさらに酷く、玄関から荷物やゴミが散乱して、知らない人が来れば泥棒に入られたと思うだろう
かと言って、人を雇って掃除させるのもしない
いや、できないのだ
理由は二つ…
お金が勿体無いのと、人を信用できない為である
GSという職業柄、高価な霊能アイテムなどが多数ある
まして令子の事務所には、銃火器から脱税の書類などの人に見られてはまずい物が多くあり、よほど信頼出来る人物にしか掃除などは任せられないのである
令子はそんな事務所で、毎日一人で生活している
正確にはもう一人、建物自体ともいうべき人工幽霊一号がいるが、人工幽霊は用事が無ければ話しかけることも無く
会話は1日数回程度だった
現在この事務所を訪れる人物は二人
美神美智恵と西条輝彦
だが彼らも忙しく、間違っても人の事務所を掃除など出来る訳が無い
令子にとっては残り少ない味方である美智恵と西条
だが、その二人にも試練が迫っていた
その頃、オカルトGメンでは美智恵が顔を青ざめていた
「先生お呼びですか?」
西条が美智恵に呼ばれて部屋に入ると、美智恵は顔を真っ青にして怒りの表情を浮かべている
「………」
西条は冷や汗をかきながら美智恵の言葉を待つ
「今日、私と西条君に辞令が降りました」
美智恵はなんとか冷静に話そうとしているが、怒りで声が震えてるのが理解出来る
「辞令? こんな時期にですか?」
西条は何がなんだか理解できない
「西条君は来月から、南アフリカのオカルトGメン出張所に決まりました。 私はソマリアのオカルトGメン出張所です……」
美智恵は西条に辞令の書類を渡す
その書類はしわくちゃになっており、美智恵が怒りで握り潰したのは西条にはすぐにわかった
オカルトGメンは世界中に支部や出張所を持っている
支部は正式な組織として活動して、その国の霊的治安維持を行っているが、出張所は全く違う
その国においては何の権限も無い
ただ、その国では対処出来ない大規模霊症などが起きた時に、Gメン本部とその国を繋ぐ連絡要因である
普段はその国の霊的事件の情報収集と報告しか仕事が無い
無論、除霊も認められてない
なぜ支部と出張所に分かれているかと言えば、オカルトGメンの組織構成に理由があった
オカルトGメンは、ICPO国際刑事警察機構の一部署でしかない
心霊現象と言う特殊な事件を扱う為、他の部署よりもかなり権力があり実働部隊が多い
しかし、オカルトGメンであっても世界中どこでも活動出来る訳ではない
活動するには、その国の許可が必要であり、支部や出張所も許可が無ければ設置出来ない
その日も美神除霊事務所は暇だった
横島が辞めて以来広がった噂は、話が大きくなって都市伝説のようになっている
「美神令子は暴力団をや政治家を支配している」
「GS業界一のぼったくり事務所」
「事務所の地下には金塊が眠ってる」
「あまりの性格の悪さに誰も近寄らない」
などの、真実と嘘がごちゃ混ぜになった都市伝説が数限りなく広まっていた
ただ、話の大半が真実なのはやはり令子ならではだろう
最早、そんな悪い噂の絶えない令子に、仕事を依頼する企業は無い
現在来る仕事は、何も知らない一般人や、昔からの付き合いの暴力団などの違法な仕事だけである
かといって、一般人が依頼する安い仕事はプライドが許さない為、受けない
その為、やばい仕事専門の除霊事務所にとして有名である
かつてGS業界ナンバーワンと言われた面影は、最早令子の事務所には無く、代わってGS業界ナンバーワンになったのは小笠原エミ
そんな現実を、受け入れることが出来るはずも無く…令子は常にイライラしながら、日々生活を送っている
事務所の内部はさらに酷く、玄関から荷物やゴミが散乱して、知らない人が来れば泥棒に入られたと思うだろう
かと言って、人を雇って掃除させるのもしない
いや、できないのだ
理由は二つ…
お金が勿体無いのと、人を信用できない為である
GSという職業柄、高価な霊能アイテムなどが多数ある
まして令子の事務所には、銃火器から脱税の書類などの人に見られてはまずい物が多くあり、よほど信頼出来る人物にしか掃除などは任せられないのである
令子はそんな事務所で、毎日一人で生活している
正確にはもう一人、建物自体ともいうべき人工幽霊一号がいるが、人工幽霊は用事が無ければ話しかけることも無く
会話は1日数回程度だった
現在この事務所を訪れる人物は二人
美神美智恵と西条輝彦
だが彼らも忙しく、間違っても人の事務所を掃除など出来る訳が無い
令子にとっては残り少ない味方である美智恵と西条
だが、その二人にも試練が迫っていた
その頃、オカルトGメンでは美智恵が顔を青ざめていた
「先生お呼びですか?」
西条が美智恵に呼ばれて部屋に入ると、美智恵は顔を真っ青にして怒りの表情を浮かべている
「………」
西条は冷や汗をかきながら美智恵の言葉を待つ
「今日、私と西条君に辞令が降りました」
美智恵はなんとか冷静に話そうとしているが、怒りで声が震えてるのが理解出来る
「辞令? こんな時期にですか?」
西条は何がなんだか理解できない
「西条君は来月から、南アフリカのオカルトGメン出張所に決まりました。 私はソマリアのオカルトGメン出張所です……」
美智恵は西条に辞令の書類を渡す
その書類はしわくちゃになっており、美智恵が怒りで握り潰したのは西条にはすぐにわかった
オカルトGメンは世界中に支部や出張所を持っている
支部は正式な組織として活動して、その国の霊的治安維持を行っているが、出張所は全く違う
その国においては何の権限も無い
ただ、その国では対処出来ない大規模霊症などが起きた時に、Gメン本部とその国を繋ぐ連絡要因である
普段はその国の霊的事件の情報収集と報告しか仕事が無い
無論、除霊も認められてない
なぜ支部と出張所に分かれているかと言えば、オカルトGメンの組織構成に理由があった
オカルトGメンは、ICPO国際刑事警察機構の一部署でしかない
心霊現象と言う特殊な事件を扱う為、他の部署よりもかなり権力があり実働部隊が多い
しかし、オカルトGメンであっても世界中どこでも活動出来る訳ではない
活動するには、その国の許可が必要であり、支部や出張所も許可が無ければ設置出来ない