真の歴史へ・その四

得意の簡易式神なんかを使えば割と人海戦術で探せるのだが、流石にGSがうようよと居る場所で使いたくはない



「あら、先生に横島クンも同じ依頼なのね」

そのまま地道に調査を続ける横島達だったが、同じ犯人を追うため当然合わないはずがない

比較的新しい被害場所近辺を調査すれば嫌でもオカルトGメンと顔を合わせてしまう

横島達は早々に令子とマーロウに出会っていた


「知人のGSに頼まれてね。 今回の依頼は私向きじゃないから横島君達に助っ人を頼んだんだよ」

「並みの霊能者には不向きな依頼だものね。 ママなんてわざわざGS犬まで頼んだのよ」

令子と顔を合わせるなり世間話程度に会話する唐巣と令子だが、マローウは横島とタマモを見つめている


『驚いたな。 妖狐が居ると思ったが、魔族や神族の霊気まで感じる。 しかも人間の限界値を越えた力まで隠してるとは、俺の出番なんてあるのかねぇ』

『残念だけど私達は貴方の連れとは協力は出来ないのよ。 早い者勝ちってとこかしら?』

『まるで伝説の九尾のようだな。 それだけの力を持った妖狐が居るとは思わなかったよ』

マーロウが霊波の波長により呟きのように語りかけると、タマモはそれに合わせて答えを返す

これは横島達が使う念話とは別で、霊波の波長を利用した意思疎通である

声帯が発達してない動物は霊波の波長を利用して会話をする事があるのだが、これは人間よりも霊的に優れた動物ならではの会話だった


『今回の相手には気をつけることね。 貴方はともかく、連れには荷が重いわ』

唐巣が再び調査に歩き始めた事から横島とタマモも続いて歩いてゆくが、マーロウはタマモの最後の言葉に深いため息をはいて令子に続いていく



『面白い犬だったわ。 少なくとも美神令子よりはね』

『何話してたんだ?』

『ただの世間話よ』

どうやら横島にはタマモとマーロウの会話が聞こえなかったようで、何を話したのか尋ねるが答える会話などしてない

そのまま横島達は再び調査に戻るが、タマモの足は下水道の入口のマンホールで止まっていた


「ここの近辺ではここの下から出て来てる回数が多いわね。 昼間から下水道をデートするのは嫌だけど仕方ないわね」

「やっぱり地下か……」

下水道のマンホールを前にした横島とタマモは、事前の話の通りに地下なことに多少嫌そうな表情になる

誰も好き好んで下水道などに入りたくはないのだ


「地下にもすでに何人かのGSが行ったようだ。 一体何が居るのか分からないが、街を荒らす動物霊は地下に行くからね」

唐巣は先程からすれ違うGS達と話をしつつ情報収集をしていたのだが、すでに地下を調査してるGSが何人か居るようである

調査能力のある者は地下の調査な向かい、調査能力に自信のない者は地上で動物霊が現れるのを待ち受けて追跡する方法が多いらしい

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