ワルキューレは老師を見て話した


ワルキューレは元々神族だった…

それを神魔の権力争いで魔族に墜とされた…

神魔の権力争いに振り回されるのはもうたくさんだった


ワルキューレはふと思った

自分はいつからこんな考え方になった？

自分は軍人だったはず…

いつの間にか、横島の影響を受けていた自分に内心苦笑いがでていた

だが、戦士と認めた横島が新たな道を歩もうとしている


ならば、戦友として共にゆくまで…


ワルキューレは静かに老師と反対側に立った

それに応じて、ルシオラとがワルキューレの隣に立った

そして、小竜姫は老師の隣に立つ


みんな横島を静かに見つめている


「ではいくぞ…」

老師は真剣な表情で、呪文のようなモノを唱え始めた

そして、魔法陣が光輝く…


「我、神族斉天大聖… ここに横島忠夫の転身を承認する」

「我、神族小竜姫… ここに横島忠夫の転身を承認する」

「魔族ワルキューレ… 横島忠夫の転身を承認する」

「魔族ルシオラ… 横島忠夫の転身を承認します」


老師、小竜姫、ワルキューレ、ルシオラの順に言霊を込めた言葉を言った


その瞬間…

魔法陣が作動して光のドームに包まれた

「老師、成功ですか？」

小竜姫は不安そうに隣の老師に聞いた

「うむ、このまま２～３時間待てば儀式は終わりじゃ…」


そうして、その場の者達は光に包まれた魔法陣から横島が現れるのを待っていた…


そうして、２時間ほどした時…

光が収束し始めた


そして…


光の中心には横島が静かに立っていた


「横島よ… 気分はどうだ？」

老師は目を閉じている横島に静かに聞いた

「なんか不思議な体験でした… 体の感覚が無くなり、光に包まれてました」

横島は目を開き話した


「無事終わったようじゃの… ではすぐに移動するぞ。 付いて来い…」

老師はそう話して歩き出した

「老師、どちらに行くのです？」

小竜姫が不思議そうに聞いた

「お主らには、しばらく加速空間で修行してもらう… 人界では時間がかかり過ぎるでの… 妙神山はしばらくワシが決界を張る」

老師はそう話して歩き出した


老師がこれほど焦って、横島達の修行をしようとしたのには訳があった

今、神魔過激派にこの事実を掴まれると、新たな争いの元にされる

その前に横島達をある程度強くする必要があった…


そして、前に横島と雪之丞がジークと加速空間に入った場所に来た


「よいか… 今度の加速空間は前とは違う。 前のように魂を繋ぐ訳ではない ただ時間を加速するだけじゃ。 前と同じだとワシのエネルギーを全て使ってしまうでな… 今回は１日で一年加速するだけじゃ…」

老師がそう話して、狭い部屋にみんな入った

さすがに座るスペースは無かった

「では行くぞ…」


老師がそう話すと横島達は一瞬で加速空間に入った


「すごいな… 話には聞いていたが、本当に一人で加速空間を作るとは…」

ワルキューレは驚き周りを見た


そして、横島達は周りを見ながら広い部屋に入った


「では横島よ 修行を始めるぞ。 まずお前の霊力だが一般人並みに下がった その霊力をコントロールすることから始めるぞ」

老師は横島を見て話した

「タマモちゃんは私が教えますから、妖力アップを中心に修行してもらいます」

小竜姫はタマモを見て話した

「他の者も各々修行を怠るなよ！」

老師はルシオラ達姉妹や雪之丞を見て話した


それから、横島は老師の指導の元、細かな霊力コントロールの修行をしていた


「そうじゃ… 少ない霊力を細かく細部までコントロールするのじゃ… それが基本じゃ」

老師は座禅を組み苦戦する横島を見ながら話した