真の歴史へ・その三
「つまり今回の失敗が私達の未来に繋がると?」
「ええ、今回の戦いが歴史により決められたモノだった気がするの」
歴史により決められた結果だと言うタマモの言葉に、小竜姫は僅かに不愉快そうな表情になる
理不尽な運命や歴史に振り回されるのはもうたくさんなのだ
「今回の件を変えるには準備不足って事ね。 まあ私達が介入を迷ったのも原因でしょうけど」
タマモの考えを踏まえて今回の失敗の総括をするルシオラだが、やはり一番の原因は自分達の時代ではない事だと考えている
元始風水盤事件やGS試験などは長い準備期間もあり、慎重過ぎる対策をしてきたのだ
しかし今回は令子達が過去に来るまでは詳しい情報すら得られずに、全ては横島の記憶を頼りに対策を計画してきた
ある意味準備不足だったのは確かなのだ
加えて自分達が居なくなる世界での、必要以上の介入を迷ったのも影響している
下手に介入して歴史を大幅に変える危険性から、大胆な手段を取れなかった事も確かなのだ
「いい経験になったな。 時間移動絡みの事件は予想以上に難しい事が解っただけでも収穫だな」
ルシオラ達の話を聞き、横島は失敗がこの事件でよかったと感じていた
もう一つの時間移動絡みの事件である平安京の事件がどうなるかはわからないが、あの事件で失敗すれば命の危機すらある
ヌルの生存は問題だが、現代ではすでに敵対してるとすれば今更な感じもする
仮にこの時代でヌルを倒しても、横島達が帰る世界のヌルは消えないのだ
下手に歴史を変えるよりは失敗から学んだ事を重視しようと考えていく
「じゃあ帰るわよ」
話し合いが一段落した頃、鬼天号は密かに中世から消えていく
予定外の連続だったが、結果的には横島の知る歴史と似たような形で収まる事になった
この後カオスはヌルの研究施設に居座りマリア姫の援助の元で、マリア姫が亡くなるまで平和に過ごす事になる
「ヌル様、お呼びですか?」
時は現代に戻り、日本のある地方都市の廃ビルの一室に二人の男が居た
一人は黒岩であり、もう一人は中世で横島達が逃がしてしまったヌルである
「メドーサは生きてるようです。 横島事務所に出入りして居ます」
「始末しますか?」
ヌルが横島事務所に出入りするメドーサの写真を見せると、黒岩はメドーサを始末するか尋ねていた
「ただ始末しても面白くないでしょう? いずれ使えるかもしれません」
「では監視をさせます」
ヌルの言葉に黒岩は一言告げてその場から消える
一人部屋に残されたヌルは意味深な笑みを浮かべたまま、空を見上げた
「早く会いたいですね。 そして私のモノにしてやりたい。 700年も待っていたのですから…… 竜神族の小竜姫」
高まる欲望を抑えるようなヌルの笑みは他者が見れば、引くほど気持ち悪いだろう
かつて部下であるゲソバルスキーですら変態だと感じていたヌルの興味は、何故か小竜姫に向かっていた
「ええ、今回の戦いが歴史により決められたモノだった気がするの」
歴史により決められた結果だと言うタマモの言葉に、小竜姫は僅かに不愉快そうな表情になる
理不尽な運命や歴史に振り回されるのはもうたくさんなのだ
「今回の件を変えるには準備不足って事ね。 まあ私達が介入を迷ったのも原因でしょうけど」
タマモの考えを踏まえて今回の失敗の総括をするルシオラだが、やはり一番の原因は自分達の時代ではない事だと考えている
元始風水盤事件やGS試験などは長い準備期間もあり、慎重過ぎる対策をしてきたのだ
しかし今回は令子達が過去に来るまでは詳しい情報すら得られずに、全ては横島の記憶を頼りに対策を計画してきた
ある意味準備不足だったのは確かなのだ
加えて自分達が居なくなる世界での、必要以上の介入を迷ったのも影響している
下手に介入して歴史を大幅に変える危険性から、大胆な手段を取れなかった事も確かなのだ
「いい経験になったな。 時間移動絡みの事件は予想以上に難しい事が解っただけでも収穫だな」
ルシオラ達の話を聞き、横島は失敗がこの事件でよかったと感じていた
もう一つの時間移動絡みの事件である平安京の事件がどうなるかはわからないが、あの事件で失敗すれば命の危機すらある
ヌルの生存は問題だが、現代ではすでに敵対してるとすれば今更な感じもする
仮にこの時代でヌルを倒しても、横島達が帰る世界のヌルは消えないのだ
下手に歴史を変えるよりは失敗から学んだ事を重視しようと考えていく
「じゃあ帰るわよ」
話し合いが一段落した頃、鬼天号は密かに中世から消えていく
予定外の連続だったが、結果的には横島の知る歴史と似たような形で収まる事になった
この後カオスはヌルの研究施設に居座りマリア姫の援助の元で、マリア姫が亡くなるまで平和に過ごす事になる
「ヌル様、お呼びですか?」
時は現代に戻り、日本のある地方都市の廃ビルの一室に二人の男が居た
一人は黒岩であり、もう一人は中世で横島達が逃がしてしまったヌルである
「メドーサは生きてるようです。 横島事務所に出入りして居ます」
「始末しますか?」
ヌルが横島事務所に出入りするメドーサの写真を見せると、黒岩はメドーサを始末するか尋ねていた
「ただ始末しても面白くないでしょう? いずれ使えるかもしれません」
「では監視をさせます」
ヌルの言葉に黒岩は一言告げてその場から消える
一人部屋に残されたヌルは意味深な笑みを浮かべたまま、空を見上げた
「早く会いたいですね。 そして私のモノにしてやりたい。 700年も待っていたのですから…… 竜神族の小竜姫」
高まる欲望を抑えるようなヌルの笑みは他者が見れば、引くほど気持ち悪いだろう
かつて部下であるゲソバルスキーですら変態だと感じていたヌルの興味は、何故か小竜姫に向かっていた