それから……

ルシオラと小竜姫は横島の隣に寄り添うように座って

タマモは横島の膝の上に座り、横島に抱きついていた


幸せそうなルシオラ、小竜姫、タマモ

横島は少し恥ずかしいような、信じられないような表情になっていた…


４人は残り少ない夕日を惜しむように眺めていた


横島は３人の美女や美少女の温もりに、頭がクラクラしそうだった…


そんな横島に気が付いたルシオラと小竜姫は、面白そうに微笑んで…


横島の腕に抱きついた！


（あ…… いい匂いがする…… 胸が腕に……）


さすがにここで襲う訳にもいかず、横島は必死に理性を保っていた…


誰も見ていない事をいいことに、横島達は甘い空間を作っていた……


そんな中…

ルシオラが口を開いた

「ずっとこうして生きていられたらいいのにね……」

ルシオラは微笑んで話した

「そうですね… 平和な世界で、末永く一緒に居たいですね」

小竜姫も微笑みは絶やさなかった…


横島は二人の会話に少し考えていた


自分も彼女達と一緒に居たい…


しかし…

人である自分と彼女達では寿命が違う…


今まで深く考えて無かったが…

大きな問題だった…

横島は彼女達と同じ時を生きたい…

そう願うようになった……


夕日が沈んで、辺りは夜の闇と街の夜景が支配した頃


横島達は東京タワーを後にした


最後に食料などを買って帰る為に…


妙神山は現在たくさんの人数が住んでいる

その為、食料もかなり買い込んだ


横島達が食料を買い外に出ると…


一台の車が止まって横島達を待っていた……


「やっと会えたわね… 横島君？」


現れた人物に小竜姫とルシオラが警戒した

横島とタマモを守るように前に出た


その人物は苦笑いをして、再び話し出した

「少し話せないかしら？」

その人物は横島を見ていた

「話すことは無いですよ。 隊長…」

横島は言葉少なく話した


「お願いよ。 困ってるの… 悪い話じゃないわよ？　あなたにとっても、助けた妖弧にとっても…」

美智恵は妖艶な笑みを作り横島を見た


その瞬間ルシオラと小竜姫の表情は険しくなった


美智恵が取引するような、発言をしたからだ…


「美神美智恵さん… 横島さん達と金毛白面九尾の妖弧は、現在妙神山で保護してます… これは、神魔最高指導部の了承の元の決定です。 これに不服なら、神魔を敵に回しますよ。」

小竜姫は剣に手をかけていた


小竜姫の殺気に帯びる美智恵

まさか神族の小竜姫が殺気まで出されるとは思わなかった…


そんな緊迫した中、横島が口を開く


「隊長… 美神さんと二人、ＧＳを辞めてくれませんか？ 地位も名誉も金も全てを捨てて… 家族で静かに生きて行けませんか？ それなら話し合いますよ…」


横島の言葉に驚いたのは小竜姫とルシオラだった


横島はどこまで人がいいのか…


この話は横島の最大限の譲歩だった


前回美智恵が妙神山に来たのは知らないが…

令子が狙われてるのは知っていた


横島は美智恵が助けを求めに来たのを理解していた



美智恵は横島の話に驚きを隠せなかった…少し前の横島からは考えられなかった


だが…

横島の提案は飲めるはずは無かった…


美神家のプライドが許さなかった

それに…

あの娘には絶対に無理な提案だった…


険しい表情の美智恵を残して

横島達は帰ろうとしていた


その時

小竜姫が後ろを振り向いた

「美神美智恵さん… 今度横島さんの前に現れたら、私個人としてあなたを許しませんよ。 では…」


小竜姫は殺気を美智恵にぶつけてそう話した

そして、横島達は帰っていった…



残された美智恵は悔しさを隠しきれなかった…