真の歴史へ・その三
同じ頃、西条と令子は焦りを感じ始めていた
当初の予定では二人がヌルを引き付けている間にカオスがヌルの魔力源を取り上げる手筈だったが、いくら待ってもヌルに変化はないのだから
二人はカオスにより様々な霊能アイテムを渡されたが、それも無限ではないしこのままではどうしようもない
(一旦引いてカオスと合流したいんだけど……)
そんな中なんとかヌルと渡り合ってる令子だが、残りのアイテムを考えるとそろそろ撤退したい頃である
カオスの作戦がどうなってるのかわからないが、最悪今回は撤退して作戦の立て直しをした方がいいとも考えていた
令子としては命を懸けてどうしても今すぐヌルを退治する必要はなく、ヌルの正体がわかったのだから後は別の方法でも考えればいいと思っているのだ
しかし問題は西条だった
チラリと西条に視線を送り様子を見る令子だったが、西条は撤退する意思などないようなのだ
西条とて別に玉砕しようなどとは考えてないが、やはり令子に比べれば柔軟性がなくイマイチ呼吸が合わないのである
そもそも令子としては早めの段階で撤退しながら、ゲリラ的戦闘で時間を稼ぎたかった
真正面から戦うよりも遥かに自分達に有利なのだから……
しかしそれも西条との呼吸が合わずに出来なかったのだから、令子としては頭の痛い問題になっている
(別に問題はないんだけど、西条さんのペースで戦うの合わないのよねー)
戦術的にそれほどマイナスではないが、令子は西条の戦い方が合わないとつくづくに感じていた
普段のオカルトGメンの除霊などのように相手が弱いと問題ないのだが、明らかに格上の相手だと西条との微妙な戦い方の違いが令子には軽いストレスだった
それは戦闘における主導権の問題でもある
令子は元々他人の指揮下で戦うなど経験が少ないし好きではない
しかし令子と西条が組めば、西条が当然のように主導権を握るのだ
まあ普段の西条は令子の意見も聞くし、良く話し合える環境ならばあまり問題は起きないのだが、今回のように細かな意見の違いを口に出せない相手だと二人の考え方の違いは問題になるレベルだった
(ドクターカオスはまだか? 僕らもこれ以上は持たんぞ)
一方西条だが、こちらも当然この後の展開を考えている
当然撤退する事も考えているが、西条はギリギリまで粘るつもりである
いかに自分の時代ではないとはいえ、ヌルのような危険な魔族を逃がしたくなかったのだ
一歩間違えれば世界に大きな混乱を与えて歴史が変わってしまうかもしれないと考えてしまうがゆえに、なかなか引く決断が出来なかった
この辺りは令子と西条の大きな違いと言えるだろう
令子は無理に退治しなくてもこの土地から追い払えばいいと考えているが、西条は出来れば退治したいのだ
決して仲の悪い二人ではないが、根本的に合わなかった
「出番が来るかもしれませんね」
「確かにあの様子だと危ないのよね」
そして二人を監視していた小竜姫とタマモだが、呼吸が合わない様子から介入が必要かもしれないと緊張感を高めている
流石にこの場所で令子達を失う事は見過ごせなかった
当初の予定では二人がヌルを引き付けている間にカオスがヌルの魔力源を取り上げる手筈だったが、いくら待ってもヌルに変化はないのだから
二人はカオスにより様々な霊能アイテムを渡されたが、それも無限ではないしこのままではどうしようもない
(一旦引いてカオスと合流したいんだけど……)
そんな中なんとかヌルと渡り合ってる令子だが、残りのアイテムを考えるとそろそろ撤退したい頃である
カオスの作戦がどうなってるのかわからないが、最悪今回は撤退して作戦の立て直しをした方がいいとも考えていた
令子としては命を懸けてどうしても今すぐヌルを退治する必要はなく、ヌルの正体がわかったのだから後は別の方法でも考えればいいと思っているのだ
しかし問題は西条だった
チラリと西条に視線を送り様子を見る令子だったが、西条は撤退する意思などないようなのだ
西条とて別に玉砕しようなどとは考えてないが、やはり令子に比べれば柔軟性がなくイマイチ呼吸が合わないのである
そもそも令子としては早めの段階で撤退しながら、ゲリラ的戦闘で時間を稼ぎたかった
真正面から戦うよりも遥かに自分達に有利なのだから……
しかしそれも西条との呼吸が合わずに出来なかったのだから、令子としては頭の痛い問題になっている
(別に問題はないんだけど、西条さんのペースで戦うの合わないのよねー)
戦術的にそれほどマイナスではないが、令子は西条の戦い方が合わないとつくづくに感じていた
普段のオカルトGメンの除霊などのように相手が弱いと問題ないのだが、明らかに格上の相手だと西条との微妙な戦い方の違いが令子には軽いストレスだった
それは戦闘における主導権の問題でもある
令子は元々他人の指揮下で戦うなど経験が少ないし好きではない
しかし令子と西条が組めば、西条が当然のように主導権を握るのだ
まあ普段の西条は令子の意見も聞くし、良く話し合える環境ならばあまり問題は起きないのだが、今回のように細かな意見の違いを口に出せない相手だと二人の考え方の違いは問題になるレベルだった
(ドクターカオスはまだか? 僕らもこれ以上は持たんぞ)
一方西条だが、こちらも当然この後の展開を考えている
当然撤退する事も考えているが、西条はギリギリまで粘るつもりである
いかに自分の時代ではないとはいえ、ヌルのような危険な魔族を逃がしたくなかったのだ
一歩間違えれば世界に大きな混乱を与えて歴史が変わってしまうかもしれないと考えてしまうがゆえに、なかなか引く決断が出来なかった
この辺りは令子と西条の大きな違いと言えるだろう
令子は無理に退治しなくてもこの土地から追い払えばいいと考えているが、西条は出来れば退治したいのだ
決して仲の悪い二人ではないが、根本的に合わなかった
「出番が来るかもしれませんね」
「確かにあの様子だと危ないのよね」
そして二人を監視していた小竜姫とタマモだが、呼吸が合わない様子から介入が必要かもしれないと緊張感を高めている
流石にこの場所で令子達を失う事は見過ごせなかった