GS横島 運命と戦う者

「ちょ… ちょっと二人とも… そんなこと言われても、タマモが困ってるだろ?」


やっと横島が口にした言葉はそれだった

横島には言葉を失ったタマモが、困っているように見えたらしい……

相変わらず鈍感なようだ…


「あら、ヨコシマはタマモちゃんが嫌いなの?」

ルシオラはニヤニヤして横島に話した

タマモは寂しそうな目で横島を見つめる

「えっ!! いや~嫌いな訳ないだろ~ って、タマモ! そんな悲しそうな目で見つめるな! 俺がイジメたみたいじゃないか!?」


横島は困ってオロオロと話し出した


先ほどのシリアスな表情とは大違いだった…


「じゃあ、いいじゃない! 可愛いし、ヨコシマだって満更じゃないくせに」

ルシオラは話を決めたように話す


「いや、俺よりタマモの気持ちが大切だろ~ それに年だって違いすぎるし…」

横島はオロオロと言い訳のように話すが…


それがまずかった…


「横島さん… 一番年が離れてるのは私ですよ。 そんな目で見てたんですね…」

小竜姫は今にも泣きそうだった


「ヨコシマ、年は私と同じよ。 私もまだ一歳になってないもの…」

ルシオラはルシオラで止めをさす


「う゛… 小竜姫さま! そんなこと考えてませんよ! 年なんて気にしてません!」

横島は必死に小竜姫とルシオラの機嫌をとる

「横島さん… また様をつけましたね… 私が年上のおばあちゃんみたいな年だから、呼び捨てにしてくれないんですね…」


小竜姫は悲しそうにイジけてしまった…

「あ~あ、今のはヨコシマが悪いわよ。 ちゃんと平等に愛してくれないとダメよ!」

ルシオラは横島を責めるような笑みを浮かべて話した


横島は混乱の極みに達していた


「わかった! 小竜姫! 絶対呼び捨てにするからっ!! なっ!!」


横島は必死に小竜姫に話す


「なら… 私達3人は平等に扱って下さいね…」

小竜姫は涙ぐみながら横島を見上げて、小声で囁いた


「わかった! みんな平等にするから…… えっ! 3人…?」

横島は人数がおかしかったのに最後まで気が付かないで、約束してしまった…


それにルシオラはニヤリと笑った


タマモは驚き顔を真っ赤にして横島を見つめた…


「ヨコシマ、タマモちゃんを恋人にするのね。 良かったわね~ タマモちゃん」

ルシオラは笑顔でタマモを撫でた


「えっ… そんなつもりじゃ…」

横島は困った顔になる

「横島さん… 神族の私に嘘をついたら仏罰ですよ」

いつの間にか笑顔の小竜姫がニッコリ微笑んだ


「えっ… まさか…はめられた?」


横島は要約気が付いたようだ

しかし、横島は鈍感なのだ


「タマモの気持ちも考えないで恋人には出来ないよ。」

横島はタマモを心配してそう話した


ルシオラや小竜姫はタマモを優しく見つめた


タマモは理解した


二人が自分の為にここまでしてくれたのに…


「私は… 横島が好きよ…」

タマモは下を向いて答えた


「えっ!!………」

横島はまた固まってしまった


有り得ない展開に思考が止まったようだった


「横島は私が好きじゃないの…?」


止まった横島にタマモは寂しそうに言った


「そっ… そんなことないぞ!! タマモみたいな可愛い女の子嫌いな訳ないだろ~ たまにドキッとしてたし… 俺は好きだよ」


横島は最早考えることは出来ずに、本心を話していた


タマモは顔を真っ赤にして横島に抱きついた


横島も顔を真っ赤にして困ったようにしていたが…

ルシオラと小竜姫はタマモを抱きしめるように視線を送る


横島はそこでようやく落ち着いてきた

そして優しくタマモを抱きしめた…


子狐ではなく…

タマモとして…


タマモは初めて横島に抱きしめられて、幸せそうに微笑んでいた



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