GS横島 運命と戦う者

雪之丞はタマモの正体を知っても態度は変わらずに話した


タマモは雪之丞が自分の正体を知っても変わらずに普通なのに驚いた


だが雪之丞にしたら、横島が助けられる命は助けるのを良く知っている

前にルシオラ達を助けた横島が、今更妖弧を助けても驚きは無かった

そんな中、ルシオラが雪之丞に話しかけてきた

「なんでタマモちゃんの正体を知ってるの?」

ルシオラは不思議そうに雪之丞に聞いた

「ああ、少し前に魔族が美神の旦那を狙ってきてな… その時神父がお前達が居なくなった理由を教えてくれたんだよ」

雪之丞は思い出したようにルシオラに説明した

「そうか… 雪之丞はその魔族と戦ったのか?」

横島は少し考えながら雪之丞に聞いた

「仲間を使い捨てにする奴と一緒に戦う訳ねーだろ。 そんな信用出来ない奴はメドーサと同じだからな」

雪之丞は嫌そうに話した

雪之丞自身戦うのは好きだが、馬鹿ではない

無意味に戦って死にに急ぐつもりは無かった

そんな中

小竜姫が雪之丞に聞いてきた

「雪之丞さん、今回は修行ですか?」

「ああ、どうせ仕事も金も無いからな… しばらく世話になるぜ」

雪之丞の話に小竜姫は少し考えていた

「どのような修行をお望みですか? 雪之丞さんは妙神山の最難関をすでにクリアしてます。 あれ以上の修行はありませんよ?」

小竜姫は少し困ったように話した

「別に急いで強くならなくてもいいよ。 横島と同じやつで頼む。」

雪之丞の話に小竜姫は苦笑いした

横島の修行は基礎を中心として、あまり派手な修行では無かった

横島は妙神山に来てから確実に実力を上げているが、まだ期間も短くそれほど難しい修行はしていなかった


「横島さんは基礎を中心にした普通の修行ですが、いいですか?」

小竜姫の話に雪之丞は少し考える

「うーん、とりあえずいいぜ。 俺も自己流の修行がほとんどだったからな… この機会に一から修行するのも悪くないしな」


「わかりました。 では今日からはじめましょう」


そうして
雪之丞はしばらく妙神山に居ることになった…


それから雪之丞は、妙神山で毎日楽しそうに修行をしていて、
地味な修行が多い中、1日の最後には小竜姫やワルキューレやベスパなど、戦闘が得意な神魔と対戦していた

無論雪之丞に勝ち目は無いが、ボロボロな負けても次の日にはまた挑んでいた


小竜姫やワルキューレも雪之丞が日々成長するのを楽しんでいる節があり

充実した日々を送っていた…


雪之丞が横島にルシオラと小竜姫の二人を恋人にしているのに気がついたのは、妙神山に来て一週間ほどした頃だった…


横島とルシオラと小竜姫が毎日甘い空間を作り出すのに

気がつくのに一週間もかかったのは、雪之丞も鈍感なのだろう…


「横島… やるな… 美人を二人も…」

雪之丞は少し羨ましそうに呟いた

自分にも、弓かおりと言う彼女がいるのだが…

幸せそうな横島を見てれば羨ましいらしい……



そしてもう一人

そんな横島達を見て、変わり始めた女性が居た…


それはタマモである

彼女はあまり素直ではないが、妙神山に来てから少しずつ明るい笑顔を見せていた


妙神山には彼女を妖弧として見る者は居なく、ただのタマモとしてみんな接していた


最初は戸惑っていたタマモだが、誰も気にしない毎日に、いつしか彼女も何も気にしなくなっていた


そして、周りのみんなと溶け込んで自然な笑顔で暮らしていた


横島やルシオラは、自分達が助けたタマモの幸せそうな姿が本当に嬉しかった


そんな中、小竜姫が横島と恋人になってしまった…


さすがのタマモも驚いていたが、どこか羨ましい気持ちもあった


タマモ自身が自覚したのは最近だが…

前からタマモは横島に頭を撫でられると、幸せそうに微笑んでいた

最初は口で

「子供扱いするな!」

と言ってはいたが嫌がる素振りは無く、頭を撫でられていた


そして最近は自分から横島に近寄るようになっていた

ただ、タマモが横島に近寄る時は、子狐形態だった


タマモはいつの間にか子狐に戻って、横島の膝の上や頭の上に居座っていた

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