GS横島 運命と戦う者

小竜姫は横島に呼び捨てにされて嬉しそうに微笑んだ

「はい! 横島さん。 これからもお願いしますね」

小竜姫の嬉しそうな笑顔に横島もホッとした


そして横島達は朝ご飯を食べに向かった…


その日もいつものように修行をする平和な1日だった…

だが横島と小竜姫が変わったのは、すぐにみんなにバレることになる


小竜姫の横島を見る目が変わり、愛おしい人を見る優しい目になっていた

小竜姫とルシオラはニコニコと機嫌がいいし…

横島は未だに小竜姫と恋人になったことが信じられない様子で、オドオドしていた…


周りの人達は積極的な小竜姫の姿と、ルシオラがそれを暖かく見守っている姿に驚きをもって見ていた


だが…

横島が非常識なのはみんなが認める事実である

そして妙神山に居る者達は横島の良さを理解している

そんな横島に恋人が二人になってもすぐに慣れてしまった…

そしてみな、暖かく見守っていた



それから1ヶ月が過ぎた

東京の人達はいつもと同じ生活を送っていた


おキヌは唐巣の元で順調に修行していた


そして美神親子は…

事態の進展が無く我慢比べになっていた

例の魔族は全く現れない

そして令子はGメンの施設に缶詰め状態でストレスを爆発させていた

被害を受けるのは西条である

「西条さん! ママは今日も来ないの!! いい加減帰りたいわ!」

令子はイライラの感じが全身から出ていた

西条は苦笑いして困ったように令子をなだめる日々

「令子ちゃん、落ち着いて… 先生もGメンの仕事の他に、魔族の行方を探して毎日頑張ってるんだ…」

西条はこうは言ったものの、美智恵が来ない理由は別なのを理解していた

今すぐ令子を自由にすれば、魔族に狙われる危険がある

だが、毎日令子に八つ当たりされるのは嫌なので美智恵は来ないのだ…


西条も令子の性格は理解していたが、ここまで酷いとは予想しなかった…

前はストレスが溜まればすぐに横島に八つ当たりする

それが今は居ないのだ…

自由気ままな生活でストレスを八つ当たりする日々

そんな令子から自由を奪えば、ストレスは前とは比較にならないほど増えていた…西条は嫌な事を押し付ける美智恵や、八つ当たりする令子に囲まれて胃が痛くなる日々だった


(横島君はどうやって令子ちゃんをなだめていたんだろう…)

ずっと馬鹿にしていた横島の凄さを最近理解してきた西条だった…


横島と言うクッションが無くなった令子の最大の被害者は西条になっていた


一方美智恵は

魔族に関する手がかりを掴めないでいた…

美智恵は理解していた

魔族は遊んでいるのだ…

令子や自分をじわじわと追い詰めて…

それを理解しても、解決のしようが無かった

令子を囮にする訳にもいかない

魔族を倒せる戦力も集まらない

いかにGメンでも、メドーサクラスの魔族を倒すのは難しかった

まして正規の仕事出はなく、個人的に令子を守る為には…


せめて横島が居れば…

美智恵は悔やんでも悔やみきれなかった……



そして妙神山には新たな人物が現れた


「よう! 元気そうだな…」

横島達が修行していると、伊達雪之丞が妙神山にやってきた

「雪之丞じゃないか~ 久しぶりだな~ どうしたんだ?」

横島は驚いて雪之丞と話していた

「修行をしにな… それとお前の様子を見に来たんだよ」

雪之丞は相変わらずな様子で横島に話していた

「そっか~ 来いよ。 今妙神山には結構人が多いからな~ 修行の相手には困らないぞ?」
横島はそう話して、小竜姫やルシオラ達が修行している異空間に雪之丞を連れて行った

雪之丞はその場にいる神魔の人数に驚きつつ、挨拶をしていった

「お前は初めてだな… 俺は伊達雪之丞だ。 よろしくな」

雪之丞は一人知らないタマモに軽く挨拶した

「私はタマモよ。」

タマモは言葉少なく話した

タマモは未だに人間は好きでは無かった…

横島はそんなタマモに気が付いて、タマモの頭を撫でながら雪之丞に話した

「こいつは人間が苦手でな… 少し前に助けた妖弧なんだが、人間に殺されそうになったんだ」


横島が話すと雪之丞は驚いたようにタマモを見た

「お前が金毛白面九尾か… 災難だったな… まあ、信用出来ないのはわかるが、俺は横島のダチだ。 横島の仲間なら俺も仲間だよ。 あんま気にするな」
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