真の歴史へ・その二
「じゃあ、美衣さんいきましょうか? 息子さんは出来ればここに残した方がいいんですが」
メドーサの沈黙を了解と受けとった横島は話を進めていた
「はい」
小さく頷く美衣もまた驚き信じられない様子である
横島の言葉をそのまま信じた訳ではないが、全てが嘘で無いのは感じていた
しかし人間であるはずの横島が、何故妖怪を人間と同じように扱うのかは理解出来ない
「俺は留守番か?」
「悪いな、雪之丞。 対人戦になるかもしれないから、お前は止めておいた方がいいよ」
美衣が立ち上がった頃、ゲームをしていた雪之丞は空気的に今回は留守番なのを感じていた
雪之丞の修行に対人戦は含まれて無いし、人間と戦うのは精神的に無理なのをある程度自覚している
この辺りの判断が出来るという事は、小竜姫達の教育がだいぶ進んでいるようであった
「おいボウズ、お前も留守番なんだろ? ゲームするか?」
置いていかれる事に多少の不満がある雪之丞だが、なんとなく自分の役割を理解してケイの相手をする事にしたようだ
「母ちゃん」
「ケイ、ここで待ってなさい。 少なくとも、危険は無いようだから」
慣れない人間にケイは不安そうに美衣を見るが、美衣が待ってるように言うと雪之丞のところに寄っていく
「じゃあメドーサ、よろしく」
軽い調子の横島にメドーサは、軽くため息をはいて立ち上がる
(どうもこいつと一緒に居ると調子が狂うね)
どう考えても自分は関係無いと思うメドーサだが、仕方なく横島達四人と美衣を連れて転移していく
メドーサ自身は自覚が無いが、以前のメドーサならこんな事に協力しなかっただろう
横島や小竜姫に興味があるのは確かだが、メドーサ自身もどこか変わって来たのかもしれない
一方残されたケイは、知らない部屋をキョロキョロ見渡していた
山奥には無い珍しい物ばかりで興味津々な様子である
「これ何?」
ポカーンとした表情で、ケイが見つめていたのはテレビである
内容は格闘ゲームなのだが、画面が動く事がケイには信じられないようで少し怯えていた
「お前テレビも知らんのか?」
「てれびってなに?」
背後でテレビを警戒するように見つめるケイの姿に、雪之丞は思わず笑ってしまう
「人と関わらない妖怪ならそんなもんじゃよ。 小竜姫でさえ少し前までは、江戸時代と現代の区別が付かなかったからのう」
「そうなのか!?」
「人間と神魔や妖怪では寿命が全く違うのは知っておるじゃろ。 その分感覚も違う。 特にここ最近の人界の進化は早いからのう。 着いていけない者も多い」
メドーサが居る間は面倒になるから口を開かなかった老師は、メドーサが居なくなると一息ついてタバコをふかしていた
一方雪之丞は、小竜姫が現代と江戸時代の区別が付かなかったと言う話を不思議そうに聞いている
「ケイと言ったのう。 おぬしにはゲームは理解出来んじゃろうから、別の遊びをしようか」
戸惑いや怯えの表情が残るケイを見た老師は、もっとわかりやすい遊びをしようと雪之丞とケイを連れて外に出て行く
「外に出ていいのか?」
「構わんよ。 ワシが責任を持つ。 老いたとはいえワシもまだまだ人間に負ける気は無いからのう」
狙われたケイを安易に外に出していいのか雪之丞は不安に、老師は自信満々な様子で言い切っていた
メドーサの沈黙を了解と受けとった横島は話を進めていた
「はい」
小さく頷く美衣もまた驚き信じられない様子である
横島の言葉をそのまま信じた訳ではないが、全てが嘘で無いのは感じていた
しかし人間であるはずの横島が、何故妖怪を人間と同じように扱うのかは理解出来ない
「俺は留守番か?」
「悪いな、雪之丞。 対人戦になるかもしれないから、お前は止めておいた方がいいよ」
美衣が立ち上がった頃、ゲームをしていた雪之丞は空気的に今回は留守番なのを感じていた
雪之丞の修行に対人戦は含まれて無いし、人間と戦うのは精神的に無理なのをある程度自覚している
この辺りの判断が出来るという事は、小竜姫達の教育がだいぶ進んでいるようであった
「おいボウズ、お前も留守番なんだろ? ゲームするか?」
置いていかれる事に多少の不満がある雪之丞だが、なんとなく自分の役割を理解してケイの相手をする事にしたようだ
「母ちゃん」
「ケイ、ここで待ってなさい。 少なくとも、危険は無いようだから」
慣れない人間にケイは不安そうに美衣を見るが、美衣が待ってるように言うと雪之丞のところに寄っていく
「じゃあメドーサ、よろしく」
軽い調子の横島にメドーサは、軽くため息をはいて立ち上がる
(どうもこいつと一緒に居ると調子が狂うね)
どう考えても自分は関係無いと思うメドーサだが、仕方なく横島達四人と美衣を連れて転移していく
メドーサ自身は自覚が無いが、以前のメドーサならこんな事に協力しなかっただろう
横島や小竜姫に興味があるのは確かだが、メドーサ自身もどこか変わって来たのかもしれない
一方残されたケイは、知らない部屋をキョロキョロ見渡していた
山奥には無い珍しい物ばかりで興味津々な様子である
「これ何?」
ポカーンとした表情で、ケイが見つめていたのはテレビである
内容は格闘ゲームなのだが、画面が動く事がケイには信じられないようで少し怯えていた
「お前テレビも知らんのか?」
「てれびってなに?」
背後でテレビを警戒するように見つめるケイの姿に、雪之丞は思わず笑ってしまう
「人と関わらない妖怪ならそんなもんじゃよ。 小竜姫でさえ少し前までは、江戸時代と現代の区別が付かなかったからのう」
「そうなのか!?」
「人間と神魔や妖怪では寿命が全く違うのは知っておるじゃろ。 その分感覚も違う。 特にここ最近の人界の進化は早いからのう。 着いていけない者も多い」
メドーサが居る間は面倒になるから口を開かなかった老師は、メドーサが居なくなると一息ついてタバコをふかしていた
一方雪之丞は、小竜姫が現代と江戸時代の区別が付かなかったと言う話を不思議そうに聞いている
「ケイと言ったのう。 おぬしにはゲームは理解出来んじゃろうから、別の遊びをしようか」
戸惑いや怯えの表情が残るケイを見た老師は、もっとわかりやすい遊びをしようと雪之丞とケイを連れて外に出て行く
「外に出ていいのか?」
「構わんよ。 ワシが責任を持つ。 老いたとはいえワシもまだまだ人間に負ける気は無いからのう」
狙われたケイを安易に外に出していいのか雪之丞は不安に、老師は自信満々な様子で言い切っていた