真の歴史へ・その二
最初は穏やかな笑顔で聞いていた横島とルシオラだが、美衣の話が終わる頃には険しいものになっていた
未来の歴史を元にして美衣とケイを守って来た二人にとって、今回の事件は明らかに予想外なのである
「とりあえず、美衣さんの家に行かないとな。 着替えとか荷物は必要でしょう?」
いろいろ調べたい事がある横島だが、ひとまずは美衣とケイの安全の確保を最優先に考えていた
当面自分達が保護するにしても、最低限の荷物は必要だろうと思う
「今から行くのかい? 連中はプロだから、見張りや罠くらいはあると思うがね」
「構わないよ。 居たら捕まえて背後関係を聞き出すだけだからな」
横島の意図を探るように見つめていたメドーサは、この事件にも横島達が首を突っ込んでいる事に薄々感づいていた
(相手は人間なのに、どうするつもりかねぇ…)
出かける支度をする横島達を見ながら、メドーサはどこまでやるのか興味を抱いている
連中が妖怪を襲った事自体は問題無いのだ
人間の価値観や法律で裁けない相手に、横島達がどうするのかが知りたかった
そうしている間にも横島とルシオラに加え、小竜姫とタマモも来て出かける支度が整っていた
「じゃあ行くか、メドーサ悪いけど瞬間移動で美衣さんの家まで頼むわ」
「えっ!? アタシが連れてくのかい?」
突然横島に美衣の家まで連れて行ってくれと言われたメドーサは、普通に驚いてしまう
「いや、だって早く行かないと連中逃げちゃうだろ。 俺達場所知らないし…」
本当は美衣の家の場所はだいたい知っいる横島だったが、話が合わなくなるので知らない事にしてメドーサを巻き込む事にしたようだ
「あんた人間相手に出来るのかい? 殺したり怪我させたらダメなんだろ?」
メドーサは驚きながらも嫌そうな顔になる
間違って殺しても後で問題になるのはわかってるのだし、せっかく面倒事を押し付けるために来たのにこれでは逆効果だった
「今回は別だよ。 連中を人間の法律で計るつもりは無い。 素直に捕まらないなら命の保障はしないよ」
一見冷静に語る横島だが、内心は怒りが渦巻いていた
静かに暮らす妖怪を捕まえたり殺したりする連中はどうしても許せない
この辺りの横島の価値観は、すでに人間の価値観ではなかった
横島にとっては人間も妖怪も同じなのである
上辺だけで無く、本当に同じ価値のある存在なのだ
従って静かに生きる妖怪を捕まえたり殺したりする連中を、人間の法律で裁くつもりなど無い
その価値観は人間としては問題かもしれないが、妖怪や魔族のタマモやルシオラを恋人にする横島にとっては決して譲れない一線だった
(こいつ……)
相手が魔族でも人間でも同じ対応をする横島を、メドーサは信じられないように見ている
なんだかんだ言っても人間だし、人間と妖怪ならば人間側の視点で行動すると思っていたのだ
「命の価値は同じだろ? 人間だけが法律で守られて、妖怪が守られないのは納得がいかないんだ」
言葉が出ないメドーサに独り言のようにつぶやく横島は、複雑な表情を浮かべている
人間と人外の狭間で生きる横島は、その対立に誰よりも悩み苦悩して来たのだ
未来の歴史を元にして美衣とケイを守って来た二人にとって、今回の事件は明らかに予想外なのである
「とりあえず、美衣さんの家に行かないとな。 着替えとか荷物は必要でしょう?」
いろいろ調べたい事がある横島だが、ひとまずは美衣とケイの安全の確保を最優先に考えていた
当面自分達が保護するにしても、最低限の荷物は必要だろうと思う
「今から行くのかい? 連中はプロだから、見張りや罠くらいはあると思うがね」
「構わないよ。 居たら捕まえて背後関係を聞き出すだけだからな」
横島の意図を探るように見つめていたメドーサは、この事件にも横島達が首を突っ込んでいる事に薄々感づいていた
(相手は人間なのに、どうするつもりかねぇ…)
出かける支度をする横島達を見ながら、メドーサはどこまでやるのか興味を抱いている
連中が妖怪を襲った事自体は問題無いのだ
人間の価値観や法律で裁けない相手に、横島達がどうするのかが知りたかった
そうしている間にも横島とルシオラに加え、小竜姫とタマモも来て出かける支度が整っていた
「じゃあ行くか、メドーサ悪いけど瞬間移動で美衣さんの家まで頼むわ」
「えっ!? アタシが連れてくのかい?」
突然横島に美衣の家まで連れて行ってくれと言われたメドーサは、普通に驚いてしまう
「いや、だって早く行かないと連中逃げちゃうだろ。 俺達場所知らないし…」
本当は美衣の家の場所はだいたい知っいる横島だったが、話が合わなくなるので知らない事にしてメドーサを巻き込む事にしたようだ
「あんた人間相手に出来るのかい? 殺したり怪我させたらダメなんだろ?」
メドーサは驚きながらも嫌そうな顔になる
間違って殺しても後で問題になるのはわかってるのだし、せっかく面倒事を押し付けるために来たのにこれでは逆効果だった
「今回は別だよ。 連中を人間の法律で計るつもりは無い。 素直に捕まらないなら命の保障はしないよ」
一見冷静に語る横島だが、内心は怒りが渦巻いていた
静かに暮らす妖怪を捕まえたり殺したりする連中はどうしても許せない
この辺りの横島の価値観は、すでに人間の価値観ではなかった
横島にとっては人間も妖怪も同じなのである
上辺だけで無く、本当に同じ価値のある存在なのだ
従って静かに生きる妖怪を捕まえたり殺したりする連中を、人間の法律で裁くつもりなど無い
その価値観は人間としては問題かもしれないが、妖怪や魔族のタマモやルシオラを恋人にする横島にとっては決して譲れない一線だった
(こいつ……)
相手が魔族でも人間でも同じ対応をする横島を、メドーサは信じられないように見ている
なんだかんだ言っても人間だし、人間と妖怪ならば人間側の視点で行動すると思っていたのだ
「命の価値は同じだろ? 人間だけが法律で守られて、妖怪が守られないのは納得がいかないんだ」
言葉が出ないメドーサに独り言のようにつぶやく横島は、複雑な表情を浮かべている
人間と人外の狭間で生きる横島は、その対立に誰よりも悩み苦悩して来たのだ