真の歴史へ・その二
一方タマモの相手は、黒人のビルと呼ばれていた男である
(さてと、私の相手は何かしらね…)
タマモは相手の様子を伺いつつ妖力を高めていく
「グルル…」
突然獣のような唸り声を上げたビルは、力を解放してタマモに飛び掛かった
(獣!?)
その唸り声と高い身体能力に驚くタマモだが、ビルの体は真っ黒な毛で覆われており人間ではない
ガギッ!!
ドガッ!!
攻撃をかわすタマモだがビルの腕には鋭いツメが生えていて、タマモが避けた場所の岩を粉々に砕いていた
「豹の妖怪…? いえ、違うわね」
ビルの姿からは豹の妖怪に見えるが、タマモは何か違和感を感じる
今ビルから感じる力は妖力だが、先ほどまでは霊力のはずだった
それにタマモが普通の妖怪を間違うはずはない
「殺す!」
肉食獣のようなギラギラした殺気をたたき付けるビルは、休むことなくタマモに肉弾戦を挑んでいく
「なんなのね、あれは…」
後ろで雪之丞に守られているヒャクメは、密かに黒岩達の戦いを記録していた
しかし、神族調査官であるヒャクメですらわからない正体に、嫌な予感が増大している
「う…ん……」
「おい、あんた起きろ。 起きなきゃ次こそ死ぬぞ!」
その時雪之丞は、微かに目を覚ましそうな西条を半ば無理矢理起こそうとした
「……ここ…は……」
目を開く西条だが、まだ頭が働かないようだ
「しっかりしろ! 俺はお前まで守る自信がねえよ!」
焦った様子で怒鳴る雪之丞の声で、西条はようやく現状を理解したようである
「君はいったい…」
魔装術姿の雪之丞が誰だかわからない西条だが、近くに居たヒャクメを見ておおよその現状を理解していた
「まさか伊達君か?」
「ああ、気が付いたなら気合い入れろ。 ここは戦場だ!」
雪之丞に促され立ち上がる西条は、目の前で戦う横島達の姿に驚きを隠せない
西条が驚いているのは横島達が戦っている相手の強さである
どうみても人間には見えないビルや魔力砲を連発するジョージを、信じられない様子で見ていた
「先生や令子ちゃんは何処だ!!」
現状を理解した西条はこの場を見渡すが、肝心の二人が居ないことに気が付き雪之丞に掴みかかる
「落ち着くのね! この場所にはあなた一人が人質として捕まってたの。 あなた達に何があったの?」
ヒャクメの強い口調の言葉に、西条はうなだれてしまう
「わからない… 石像の大群に追い詰められたとこまでは覚えているが、僕は頭を殴られて気を失ったんだ」
「落ち込むのは勝手だけど、死にたくないなら自分の身は自分で守ってくれ」
悔しさをにじませて落ち込む西条に、雪之丞は淡々とした口調で言い切る
この緊迫した場所で、これ以上西条に構う余裕など無いのだ
「こっちにも来るのね!」
その時、突然ヒャクメが自分達が来た方向を指差し警告を発した
そしてその方向からは、先ほどと同じ石像が数体やって来ている
「いくぜ!」
雪之丞は霊力を高めて石像に向かっていく
(さてと、私の相手は何かしらね…)
タマモは相手の様子を伺いつつ妖力を高めていく
「グルル…」
突然獣のような唸り声を上げたビルは、力を解放してタマモに飛び掛かった
(獣!?)
その唸り声と高い身体能力に驚くタマモだが、ビルの体は真っ黒な毛で覆われており人間ではない
ガギッ!!
ドガッ!!
攻撃をかわすタマモだがビルの腕には鋭いツメが生えていて、タマモが避けた場所の岩を粉々に砕いていた
「豹の妖怪…? いえ、違うわね」
ビルの姿からは豹の妖怪に見えるが、タマモは何か違和感を感じる
今ビルから感じる力は妖力だが、先ほどまでは霊力のはずだった
それにタマモが普通の妖怪を間違うはずはない
「殺す!」
肉食獣のようなギラギラした殺気をたたき付けるビルは、休むことなくタマモに肉弾戦を挑んでいく
「なんなのね、あれは…」
後ろで雪之丞に守られているヒャクメは、密かに黒岩達の戦いを記録していた
しかし、神族調査官であるヒャクメですらわからない正体に、嫌な予感が増大している
「う…ん……」
「おい、あんた起きろ。 起きなきゃ次こそ死ぬぞ!」
その時雪之丞は、微かに目を覚ましそうな西条を半ば無理矢理起こそうとした
「……ここ…は……」
目を開く西条だが、まだ頭が働かないようだ
「しっかりしろ! 俺はお前まで守る自信がねえよ!」
焦った様子で怒鳴る雪之丞の声で、西条はようやく現状を理解したようである
「君はいったい…」
魔装術姿の雪之丞が誰だかわからない西条だが、近くに居たヒャクメを見ておおよその現状を理解していた
「まさか伊達君か?」
「ああ、気が付いたなら気合い入れろ。 ここは戦場だ!」
雪之丞に促され立ち上がる西条は、目の前で戦う横島達の姿に驚きを隠せない
西条が驚いているのは横島達が戦っている相手の強さである
どうみても人間には見えないビルや魔力砲を連発するジョージを、信じられない様子で見ていた
「先生や令子ちゃんは何処だ!!」
現状を理解した西条はこの場を見渡すが、肝心の二人が居ないことに気が付き雪之丞に掴みかかる
「落ち着くのね! この場所にはあなた一人が人質として捕まってたの。 あなた達に何があったの?」
ヒャクメの強い口調の言葉に、西条はうなだれてしまう
「わからない… 石像の大群に追い詰められたとこまでは覚えているが、僕は頭を殴られて気を失ったんだ」
「落ち込むのは勝手だけど、死にたくないなら自分の身は自分で守ってくれ」
悔しさをにじませて落ち込む西条に、雪之丞は淡々とした口調で言い切る
この緊迫した場所で、これ以上西条に構う余裕など無いのだ
「こっちにも来るのね!」
その時、突然ヒャクメが自分達が来た方向を指差し警告を発した
そしてその方向からは、先ほどと同じ石像が数体やって来ている
「いくぜ!」
雪之丞は霊力を高めて石像に向かっていく