真の歴史へ・その二
西条と令子が地上に上がって行ったのは、入った場所とは別の出口を使ってである
シェルターと言う性質上、入り口は複数あったのだ
「イヤね~ ホコリと蜘蛛の巣だらけじゃない」
令子はハンカチで口元を抑えながら歩いていく
数十年も放置していた場所な為、空気自体が淀んでいる
令子と西条の体はホコリと蜘蛛の巣で汚れ放題だ
「ゴホッ、ゴホッ…」
西条が咳き込みながら開けた扉はすでに十枚目である
扉を開けた瞬間、2人には新鮮な外の空気が感じられた
「やっと出られたな… ここは枯れ井戸か」
周りを見渡すと、どうやら井戸の底に出口がつながっていたようだ
「さっさと上がりましょ」
令子は服のホコリを軽く払いのけ、錆びてる鉄のはしごを上って地上に戻った
2人は周囲を警戒しながら、破壊した屋敷の跡地の様子を見る
屋敷は跡形も無く、がれきと化しているが、未だに炎が上がり燃えてた
「動きは無いな… 無傷では無いとは思うが、魔族には通常兵器は効果が薄いからな」
西条は隠れながらハーピーを探す
「よくも……、やってくれたじゃん…」
突然令子と西条の背後から声がする
2人はすぐさま振り向き、銃を構えて声の主を探すが、姿は無い
令子と西条に恐怖と緊張感が走る
「フェザー・ブレッド!!」
令子と西条に、ハーピーの放ったフェザー・ブレッドが迫る
「令子ちゃん!!」
西条はとっさに令子をかばい、木の影に隠れる
ズガッ!!
フェザー・ブレッドは木を数本貫通してしまう
「クッ!!」
西条は銃を構えてハーピーを探すが、深夜の森では暗くて探せない
その頃ハーピーは、令子と西条から見えにくい位置に隠れていた
その体は、羽や体を覆う羽毛があちこち焼けており、火傷のような跡もある
どうやら先ほどの爆発は、少しはダメージを与えたようだ
「終わりジャン!! この闇の中で人間は見えないだろ!」
ハーピーは、怪我を令子達に気が付かれないように強気に声を上げる
「姿を表したらタップリ銀の銃弾をお見舞いしてあげるわ!」
令子は傷が痛むのか顔を歪めながらも、ハーピーに弱みを見せないように叫ぶ
両者が引くに引けない緊張感がピークに達するその時
ビューン!
ズシャッ!!
「ウッ……」
ポタポタ…
「何故……」
ハーピーは胸に刺さった矢を見つめ呆然とつぶやく
「美神家の女は私もいるわ…」
ハーピーにはその声は届くが、姿は見えない
「あなたは役にたったわ。 令子に実戦を経験させれたし、西条君との絆も生まれた」
その声は先ほどよりも近くからする
しかし、ハーピーには姿どころか影も見えない
「何処だ! 出てくるジャン!!」
ハーピーは闇に向かって焦った様子で叫ぶ
その時…、令子と西条はハーピーの焦った叫び声で、何かが起きてるのを悟るが、この闇の中では動けない
「いったい何が…」
西条はハーピーが叫んだ相手が自分達で無いのを悟って、緊張した様子で警戒する
自分達の知らない第三者
こんな場合、味方よりは敵の可能性が高い
西条は新たな第三者の存在に、令子だけは逃がさなければならないと、自分が囮になる覚悟をする
シェルターと言う性質上、入り口は複数あったのだ
「イヤね~ ホコリと蜘蛛の巣だらけじゃない」
令子はハンカチで口元を抑えながら歩いていく
数十年も放置していた場所な為、空気自体が淀んでいる
令子と西条の体はホコリと蜘蛛の巣で汚れ放題だ
「ゴホッ、ゴホッ…」
西条が咳き込みながら開けた扉はすでに十枚目である
扉を開けた瞬間、2人には新鮮な外の空気が感じられた
「やっと出られたな… ここは枯れ井戸か」
周りを見渡すと、どうやら井戸の底に出口がつながっていたようだ
「さっさと上がりましょ」
令子は服のホコリを軽く払いのけ、錆びてる鉄のはしごを上って地上に戻った
2人は周囲を警戒しながら、破壊した屋敷の跡地の様子を見る
屋敷は跡形も無く、がれきと化しているが、未だに炎が上がり燃えてた
「動きは無いな… 無傷では無いとは思うが、魔族には通常兵器は効果が薄いからな」
西条は隠れながらハーピーを探す
「よくも……、やってくれたじゃん…」
突然令子と西条の背後から声がする
2人はすぐさま振り向き、銃を構えて声の主を探すが、姿は無い
令子と西条に恐怖と緊張感が走る
「フェザー・ブレッド!!」
令子と西条に、ハーピーの放ったフェザー・ブレッドが迫る
「令子ちゃん!!」
西条はとっさに令子をかばい、木の影に隠れる
ズガッ!!
フェザー・ブレッドは木を数本貫通してしまう
「クッ!!」
西条は銃を構えてハーピーを探すが、深夜の森では暗くて探せない
その頃ハーピーは、令子と西条から見えにくい位置に隠れていた
その体は、羽や体を覆う羽毛があちこち焼けており、火傷のような跡もある
どうやら先ほどの爆発は、少しはダメージを与えたようだ
「終わりジャン!! この闇の中で人間は見えないだろ!」
ハーピーは、怪我を令子達に気が付かれないように強気に声を上げる
「姿を表したらタップリ銀の銃弾をお見舞いしてあげるわ!」
令子は傷が痛むのか顔を歪めながらも、ハーピーに弱みを見せないように叫ぶ
両者が引くに引けない緊張感がピークに達するその時
ビューン!
ズシャッ!!
「ウッ……」
ポタポタ…
「何故……」
ハーピーは胸に刺さった矢を見つめ呆然とつぶやく
「美神家の女は私もいるわ…」
ハーピーにはその声は届くが、姿は見えない
「あなたは役にたったわ。 令子に実戦を経験させれたし、西条君との絆も生まれた」
その声は先ほどよりも近くからする
しかし、ハーピーには姿どころか影も見えない
「何処だ! 出てくるジャン!!」
ハーピーは闇に向かって焦った様子で叫ぶ
その時…、令子と西条はハーピーの焦った叫び声で、何かが起きてるのを悟るが、この闇の中では動けない
「いったい何が…」
西条はハーピーが叫んだ相手が自分達で無いのを悟って、緊張した様子で警戒する
自分達の知らない第三者
こんな場合、味方よりは敵の可能性が高い
西条は新たな第三者の存在に、令子だけは逃がさなければならないと、自分が囮になる覚悟をする