真の歴史へ・その二
西条と令子は急いでハーピーを迎え撃つ準備を始める
簡単な掃除もある為、かなり大変であった
時刻は日暮れの頃、西条達は屋敷の遥か地下に居た
レンガ造りの壁に鉄の柱、天井も鉄で出来ている
錆びないように塗料などが塗られているが、それでも錆びが目立つ
広さは会議室くらいの大きさから、個室くらいの大きさまで様々な部屋がいくつかある
ざっと見て、地上の屋敷と同じ頃に作った部屋だろう
築50年以上立つにも関わらず、未だに頑丈な鉄の柱はビクともしない
バッテリーライトを灯りにした室内を、小さな令子は不思議そうに歩き回っていた
「西条さん、ここは防空壕よね?」
令子は少し不思議そうに西条を見る
この場所は地下50メートルは降りた場所にあるのだ
途中に分厚い鉄の扉を何枚も閉めて来た
時代的に防空壕なのはわかったが、令子にはあまりに厳重なその造りに疑問もあった
「ああ、ここは太平洋戦争中に作られた特別な防空壕だよ」
西条はタバコをくわえ、ゆっくり語り出した
「ここはある新型爆弾を想定して作られた防空壕なのさ」
「新型爆弾?」
令子は興味深そうに西条の話に食いついた
他人の秘密を知るのは好きらしい
「旧陸軍の暴走により始まったあの戦争。 大戦末期には大本営も負けを覚悟した戦略を実行していた…」
「あ~あ、特攻とかのことね」
令子は歴史よりもここの秘密を聞きたくてウズウズしているようだ
「実際には本土決戦まで想定されていたそうだ。 だが、本土決戦は起きなかった。 その本土決戦を止めた新型爆弾。 あれを東京に落とされた時、大本営が移る場所がここだったのさ」
西条は嫌そうな表情で語っている
過ぎた歴史とはいえ、あまり気持ちのいい話では無い
「それって原爆のこと!?」
令子はさすがに驚きが隠せない
「そうだ。 軍首脳は太平洋戦争初期から原爆の開発も行っていたようだ。 もっとも、爆弾を作るのは無理だったようだがな… アメリカが原爆の開発に成功した時の為に密かにここを造り、自分達は生き残り最後まで戦うつもりだったらしい」
西条は呆れ気味な表情で話していた
上に立つ者として、許せない気持ちがあるのだろう
「じゃあ、ここは核シェルターなのね!」
令子は先ほどの準備が納得がいったようで、頷いている
「まあね。 ただ実際の核攻撃に対処出来るかは不明だ。 だが今回の作戦には持ってこいさ」
西条は今回の作戦に自信あるようだ
前回の敗北を糧に立てた作戦なのだろう
「よくこんな場所教えてくれたわね~」
令子は西条にここを教えた人物が信じられないようだ
令子ならここを他人には教えたりはしないだろう
「元々、霞ヶ関の一部では有名な話だそうだ。 世間に公表出来ないから、誰も関わらないらしい。 今回は秘密を隠すのを条件に特別にここの使用許可をもらった」
西条が令子に説明が終わった頃
地上では完全に日が暮れていた
簡単な掃除もある為、かなり大変であった
時刻は日暮れの頃、西条達は屋敷の遥か地下に居た
レンガ造りの壁に鉄の柱、天井も鉄で出来ている
錆びないように塗料などが塗られているが、それでも錆びが目立つ
広さは会議室くらいの大きさから、個室くらいの大きさまで様々な部屋がいくつかある
ざっと見て、地上の屋敷と同じ頃に作った部屋だろう
築50年以上立つにも関わらず、未だに頑丈な鉄の柱はビクともしない
バッテリーライトを灯りにした室内を、小さな令子は不思議そうに歩き回っていた
「西条さん、ここは防空壕よね?」
令子は少し不思議そうに西条を見る
この場所は地下50メートルは降りた場所にあるのだ
途中に分厚い鉄の扉を何枚も閉めて来た
時代的に防空壕なのはわかったが、令子にはあまりに厳重なその造りに疑問もあった
「ああ、ここは太平洋戦争中に作られた特別な防空壕だよ」
西条はタバコをくわえ、ゆっくり語り出した
「ここはある新型爆弾を想定して作られた防空壕なのさ」
「新型爆弾?」
令子は興味深そうに西条の話に食いついた
他人の秘密を知るのは好きらしい
「旧陸軍の暴走により始まったあの戦争。 大戦末期には大本営も負けを覚悟した戦略を実行していた…」
「あ~あ、特攻とかのことね」
令子は歴史よりもここの秘密を聞きたくてウズウズしているようだ
「実際には本土決戦まで想定されていたそうだ。 だが、本土決戦は起きなかった。 その本土決戦を止めた新型爆弾。 あれを東京に落とされた時、大本営が移る場所がここだったのさ」
西条は嫌そうな表情で語っている
過ぎた歴史とはいえ、あまり気持ちのいい話では無い
「それって原爆のこと!?」
令子はさすがに驚きが隠せない
「そうだ。 軍首脳は太平洋戦争初期から原爆の開発も行っていたようだ。 もっとも、爆弾を作るのは無理だったようだがな… アメリカが原爆の開発に成功した時の為に密かにここを造り、自分達は生き残り最後まで戦うつもりだったらしい」
西条は呆れ気味な表情で話していた
上に立つ者として、許せない気持ちがあるのだろう
「じゃあ、ここは核シェルターなのね!」
令子は先ほどの準備が納得がいったようで、頷いている
「まあね。 ただ実際の核攻撃に対処出来るかは不明だ。 だが今回の作戦には持ってこいさ」
西条は今回の作戦に自信あるようだ
前回の敗北を糧に立てた作戦なのだろう
「よくこんな場所教えてくれたわね~」
令子は西条にここを教えた人物が信じられないようだ
令子ならここを他人には教えたりはしないだろう
「元々、霞ヶ関の一部では有名な話だそうだ。 世間に公表出来ないから、誰も関わらないらしい。 今回は秘密を隠すのを条件に特別にここの使用許可をもらった」
西条が令子に説明が終わった頃
地上では完全に日が暮れていた