真の歴史へ

美智恵が来ぬまま、お昼の時間になる


「令子ちゃんお昼に行こうか…」

西条は美智恵の来る前にお昼を食べに行こうと考えた


「そうね… 雨は強いし西条さんの車でお願いね」

令子はやっと訪れた昼休みに疲れきっている


令子がオカルトGメンに来てから数ヶ月過ぎているが、未だに忙しくお金にならない仕事にストレスが溜まっている


辞めて好き勝手なGSに戻りたいのだが、美智恵が許さないのだ

極悪非道の令子も美智恵にだけは逆らえない


令子と西条が駐車場で車に乗り、昼食に行こうと道路を走っている時…

事件が起きる


ドガシャァアアッン!!


突然道路の真ん中に落雷が落ちる


キィー!!

西条はとっさにブレーキを踏む


「うわっ!!」

「雷が落ちたわ!」

西条と令子は後一歩で大事故に巻き込まれる寸前であった


辺りで他に道路を走っていた車は、事故を起こしている車も多く

大惨事になっていた


「ここは… 私は令子の元に来たはずなのに…」

コートを着た美智恵は小さな令子ちゃんを抱えて、辺りの事故に呆然としている


「あれは…」

西条は目の前の美智恵を見て過去から来たのを確信する

よく見ると年が若いし、小さな令子を連れている


「ママ!?」

令子は意味が分からずに車から降りて過去の美智恵に近寄る


「嵐が行ってしまう… 娘をしばらくお願いします。 」

美智恵はそう語ると令子に小さな令子を預ける


「ちょ…、ちょっとママ!? 出張だったんじゃないの? この子は誰?」

令子は訳も分からず美智恵に聞くが


「お願い、他に方法は無いのよ。 詳しくはここの私に聞いて…」

美智恵はそれだけ言うと再び雷に打たれて消えてしまう


「ママ…」

令子は小さな令子を抱えて、呆然と立ち尽くしていた


それから程なくして、その場には救急車とパトカーがやって来た


令子は眠る小さな令子を抱えたまま、西条の車で呆然と先ほどの出来事を振り返っている


一方西条は、事故にあった人を助けたり、警察官や救急隊に事態の説明をしたり大忙しである


最も、ただの落雷として報告したが…

まさか時間移動を他人に話す訳にいかないし、万が一話しても証明のしようが無い


西条は1時間後にようやく後始末が終わり、車に戻った


服はびしょ濡れで、とても食事に行ける様子ではない

「とりあえず、一回Gメンに戻ろう」

西条は考えこむ令子にそう告げて車を走らせる



そして、美智恵の来訪を横島達は事務所から見ていた


ヒャクメが心眼で遠視した映像を、自分のパソコンのモニターに映してみんなに見せていた


美智恵来訪の知らせを聞いた小竜姫とタマモ

それに、雪之丞やおキヌや小鳩まで一緒に見ている

この場に居ないのは学校に通っている愛子だけだ


「一体何がどうなってるんだ?」

雪之丞は雷と共に現れ消えた美智恵を見て、不思議そうに聞いている


それはおキヌや小鳩や貧乏神も同じで、全く事態を理解してない

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