真の歴史へ

それは小竜姫自身の経験の考えであった…

武神として、数百年修行を続けた小竜姫

横島に会うまではあまり実戦で使う機会も少なく、結果が見えない毎日だった

だが、その修行の日々のおかげで横島と出会い、今の幸せがある


おキヌはまだ将来を決められないが

それでもいつか修行が、役にたつ日が来ると思ったのだ


横島は小竜姫の意見を聞いてルシオラとタマモを見る

二人共静かに頷く


「よし! 花戸さんとおキヌちゃんには修行をして貰おうか」

横島の決断におキヌは嬉しそうに笑う

「はい! 頑張ります!」


「私もよろしくお願いします」

おキヌが返事すると、小鳩も決心して返事をした



こうして、おキヌと小鳩の修行を開始することが決まる


なお、貧乏神は小鳩の守護神になる

貧乏神はすでに花戸家と切り離された為、正確には貧乏神では無い

貧乏神と福の神は表裏一体で同じ存在である

その為人間にとりついて無い時は、どちらでもない中間の存在だ

なので他人の運を増やしたり減らしたり出来る
だが、第三者の運を操作するのは禁止されている

結果、元貧乏神は小鳩を守る時のみ、運の操作が許されることになる



「忘れるとこだった。 雪之丞はしばらく勉強をさせるからな。 もう少し知識をつけないと、危ない」

事件が解決して、ホッとしていた雪之丞だが、嫌いな勉強をさせられることに顔が引きつったのは仕方ないだろう


「そんな顔してもダメよ。 今回は解決出来たけど、私達でも解決出来ない事態もあるわ。 もう少し知識を覚えないと取り返しのつかない事になるの」

ルシオラは嫌そうな顔の雪之丞に笑顔でプレッシャーをかける


「戦い方も勉強し直しね… 一から鍛え直しよ」

タマモがルシオラに続きニヤリする


「雪之丞君…、頑張ってね……」

横島達がお仕置きを込めた意味で、再教育を言い渡したのを理解した愛子は少し同情していた


「教え子が増えましたね~ 修行方針を考えませんと♪」

小竜姫は機嫌良く楽しそうだ

やはり武神小竜姫、才能ある若者を鍛えるのが楽しくて仕方ないのだ


「今回は私も頑張ったのに、報われないのねー」

ヒャクメはいつの間にか、話から外れていじけていた


「ヒャクメ、そういじけるなよ。 あとでおやつあげるからな」

横島はさすがに可哀想に思い、フォローにまわる


「私は子供じゃないのねー!! でもおやつはケーキが食べたいのねー」

ヒャクメは不満そうに横島に訴えるが、ケーキは食べたかったようだ


「じゃあ、今日のおやつはケーキだな」

「今日はそれで、いいのねー♪」

結局、ケーキで機嫌が直るヒャクメであった…



次の日、異界にあるいつもの修行場所でおキヌと小鳩の修行が始まる

この日はピートも修行に来た為、雪之丞と合わせて合計4人修行することになった


「では、まずは基礎から始めましょう。 ピートさんと雪之丞さんは、霊力を出してコントロールから初めて下さい」

小竜姫が指示すると、二人は座禅を組み霊力を引き出してコントロールを始める


「それでは、おキヌちゃんと花戸さんの修行を始めましょう。 初めてですので焦らずやりましょう」

小竜姫は笑顔で語りかけて、二人を見る

おキヌと小鳩は少し緊張した様子で待っている

「では、瞑想して自分の霊力を引き出してみましょう。 お二人は無意識に霊力を使ってるので、キッカケさえ掴めれば簡単ですよ」

「「はい、頑張ります」」

おキヌと小鳩は雪之丞達を真似して座禅を組む


霊力を引き出すなど全くわからないが、自分なりに集中して見る


小竜姫はおキヌと小鳩に付いて教えるようで、雪之丞とピートにはルシオラとタマモが付いている


「ピートさん、魔力と霊力のバランスがずれてますよ」

「はい、わかりました」

ピートはルシオラに言われて、霊力と魔力のバランスを調整する


「雪之丞、もっと全身に細かく霊力を回しなさい。 霊力コントロールは全ての基礎よ」

細かなコントロールが苦手な雪之丞にタマモがアドバイスを与えていく


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