真の歴史へ

「これが鬼天号…」

さすがのタマモも驚いて見上げていた


「攻撃力は無いのか~」

横島は今後に起きる戦いを考えていた…

(月に行くときは役に立ちそうですね…)

小竜姫は複雑な表情だが、予想よりは安全なのでホッとしていた…


ただ、妙神山を吹き飛ばされたイメージが強い為、どうして及び腰になってはいたが…


「中を見てみてよ! 今回は居住性を良くしてあるわ」

ルシオラの案内で横島達は中を見て歩いた


確かに、過ごしやすそうになっていたが…

インテリアは変わってないので、小竜姫達は微妙な表情をしていた


「まあ、強力な敵とか現れたら役にたつかな…」

横島は懐かしい逆天号に似た室内を見て呟いた


「クワガタさんってすごいですね~」

おキヌはまだクワガタから離れてない


「なんか… 別世界に迷い込んだ気分だな…」

雪之丞は複雑そうな表情をしていた


「ルシオラさんはやっぱり魔族なのね…」

愛子は部屋のインテリアを見て話した



それから横島達はしばらく詳しく説明を聞かされていた


それからしばらくしたある日…


事務所にジークとヒャクメが、前回のGS試験の時に現れた黒岩の情報を探した結果を伝えに来ていた


応接室には横島、ルシオラ、小竜姫、タマモとジーク、ヒャクメが居た


愛子は学校に行っており、雪之丞とおキヌは買い物に出かけていた

少し込み入った話になるので、ルシオラが雪之丞とおキヌに買い物を頼んだのだった


「結果から言いますと、黒岩の情報は軍にはありませんでした。 やはり魔族ではないのかもしれません…」

ジークは申し訳なさそうに横島達に話した


「神界にも情報は無いのねー 未来を知る人以外は、アシュタロス一派のことをまるで知らないのねー」

ヒャクメはお手上げといった表情でため息をついた


「予想通りね…」

ルシオラはため息をついた


「仕方ありません。 早くアシュタロス一派の活動を悟られると、また過激派が動きます。 神魔の最高指導者達も、過激派の監視で動きにくいですしね」

小竜姫は予想通りの結果も納得していた


神魔界は対アシュタロスで全く動けない状況だった


アシュタロスの問題も難しいが、神魔の過激派の方が難しい問題なのだ


アシュタロスが本格的に人界に進行する前に、過激派を弱らせ抑えなければならない


神魔界共に、和平派は少数なのだ

大半は様子見の中立派で、和平派は過激派の半分も居なかった

しかも過激派は血の気の多い武闘派が多数で、和平派はどうしても戦力的に苦しかった

残りの中立派は最高指導者に従っているだけで、神魔戦争が始まれば、過激派に付くのが多いのだ


横島達と最高指導者は連携はしてないが、ハルマゲドン回避の同じ目標の元に動いていた


最高指導者は神魔界の問題を…

横島達は人間界の問題を…


そんな役割の分け方が自然に出来ていた


「何者だろうな~ 超加速まで使える人間か… 軽く見積もって中級神魔クラスか…」

横島はため息混じりに話していた


「人間には違いないわよ。 ただの人間ではないけどね…」

タマモは考えながら答えた


「ところで、歴史通りならもうすぐ過去の美神さんが来るのね~横島さん達は動くの?」

話が詰まったのを感じたヒャクメが話を変えた


「うーん、今のところは動かないつもりだが… まあ、監視はするがな。」

横島は少し考えて答えた

「ハーピー程度は自分で退治してもらわないと、アシュタロス戦まで生きられないわよ」

タマモは冷たい感じで話した


「美智恵さんがいるしね。 なんとかするでしょ? その為に現れたんだから…」

ルシオラはあまり興味が無いように話していた


「ヒャクメ、突然そんなこと聞いてどうしたのです?」

小竜姫は少し不思議そうに聞いた


「ふふふ… 監視なら私がするのねー!」

ヒャクメは嬉しそうに小竜姫に話した
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