真の歴史へ

横島はそんなおキヌを見て、逆行前の未来を思い出していた…


令子や美智恵は今でも嫌いだが、おキヌは違った

弱く情けなかった時の自分を思い出していた…


そして、今回は平和な世界を幸せに生きて欲しい…

そう願っていた


ルシオラ達は横島の微妙な表情の変化に気がついたが、今は聞かなかった


食事自体は和気あいあいと楽しい食事になっていた

「おキヌちゃん、何か食べたい物はありますか?」

小竜姫はお昼ご飯を何にしようか悩んでいた

「そうですね… ラーメンが食べてみたいですね! 後は… ケーキも食べたいです!」

おキヌは子供のように、いろいろ迷って答えた


「ラーメンですか… では、お昼はラーメンにしましょう!」

小竜姫は笑顔で話した

「ケーキは私が買ってくるわ。 午後のおやつにケーキを食べればいいわね」


甘い物にはこだわりがあるルシオラが、どんなケーキにするか笑顔で悩んでいた


朝食が終わって、お茶を飲んでると横島がおキヌに今後の説明を始めた


「おキヌちゃんには戸籍を作ったよ、一応俺の義理の妹にした。 勝手に決めたけど迷惑だったか?」

横島はおキヌを伺うように話した

「え…!? 妹ですか!? ……迷惑とかじゃないですけど…… ちょっと照れますね…」

おキヌは目を見開いて驚いたが、少し考えて恥ずかしそうに笑った


「迷惑じゃないみたいだな… 良かったよ。 俺の両親も歓迎してたから、そのうち会いに来るってさ」

横島は笑顔になりおキヌを見つめた


「はい… 横島さんが……お兄さんですか…」

おキヌは顔が赤かった…

お兄さんと呼ぶのに相当恥ずかしいらしい……


「無理する必要は無いよ。 今までと同じでかまわないさ それで、今日美神さんのとこに挨拶に行くか? 早めに知らせないと後で怒りそうだし……」

横島は苦笑いしていたが、令子に早めにおキヌが生き返ったことを話に行こうと思っていた


何かと面倒な人だし、美智恵に釘を刺す必要があるのだから…


「はい、そうですね… 美神さんに挨拶に行きます」

おキヌはすぐに返事をした


元々、幽霊だったおキヌを保護したのは令子だから…

おキヌからしたらお礼を言いたかった


最も…

令子はタダ同然でこき使っていただけだが……



横島とおキヌは午前中のうちに、二人でオカルトGメン日本支部にやってきた


Gメンの応接室に横島とおキヌは座っていて、令子を待っていた


「美神さんビックリするかな?」

おキヌは会うのが楽しみな様子だった


「そりゃビックリするだろうさ… 反魂の術で生き返ったなんて、人類史上でも数人あるか無いかだからな…」

横島は苦笑いしていた


前回は気がつかなかったが…

反魂の術自体はかなり危険な賭だった

いかに道士が優秀でも成功率は50パーセントも無い…


まして前回はおキヌの霊体が死津藻比女への攻撃で弱まったのだから……

最終的に山の神のワンダーホーゲルが、地脈の力を早苗を通して与えおキヌの霊体を増幅強化してなんとか成功したが…

それこそ奇跡に近い出来事だった


今回はおキヌの霊体が無事な上

小竜姫とワンダーホーゲルが二人で反魂の術に力を注いで、かなり成功の確率を上げていた


歴史通りならそこまでする必要は無いんだろうが…

GS試験の時もそうだが、微妙に歴史が変わってきている

記憶の問題や霊体と肉体の同調などの問題もある為、横島達が考えた結果術を強化したのだった


そんな時、令子と美智恵と西条がやってきた…


「久しぶり……ね…!?」

令子は横島とおキヌを見て、見たことないような驚いた表情でフリーズした


美智恵は無表情だが、西条もフリーズしていた


室内にしばしの沈黙が走っていた


「あの~ 美神さん?」

沈黙を破ったのはおキヌだった


「おキヌちゃん… よね……??」

令子はおキヌの言葉にやっと戻ってきた

そして、おキヌを見て恐る恐る聞いた


「はい、そうです。 今回横島さん達のおかげで生き返ることが出来ました!」

おキヌは笑顔で嬉しそうに令子に報告した

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