GS横島 運命と戦う者

タマモは理解した


小竜姫が自分を思って話したのだと

そして今の幸せはいつ崩れてもおかしくない


そして自分の幸せは自分で守らないといけない


もし万が一
神魔が戦争をはじめれば、横島は戦うだろう


ルシオラや小竜姫や世界を守る為に…


だが彼はいくら強くても人間だ


彼が戦うなら私も戦おう


この幸せをくれた彼の幸せの為に…


タマモは決意した


妖弧は本来争いは好まない


だが、幸せは守らねば…


長い時を超えてやっと手に入れた幸せの為に…


タマモは決意に満ちた表情で満月を見ていた


小竜姫はその表情にほっとしていた


タマモにこの話をしていいのか迷ったのだ


だが、何も知らないで幸せそうなタマモを見ていると不安になった


もしこの幸せが壊れたら彼女はどうするのか…?



万が一神魔戦争が始まれば、自分や横島やルシオラ達は巻き込まれるだろう


神魔の過激派に私達は狙われるだろうと考えていた


横島はアシュタロスを倒したことにより、あまりに有名になりすぎた


そして斉天大聖と小竜姫と横島とルシオラ達はデタントの成功例として有名だ…


横島達が妙神山に居るのは神魔族には、すでに知られていた…


妙神山には老師がいるが、それでもいつ狙われてもおかしくない。


タマモはまだ生まれ変わったばかりで弱い


もし戦いになればあまりに危険だ


彼女が共に戦いを望むなら今から力をつけなければならない

小竜姫はそう考えていた



タマモは今平和で幸せだった為、あまり修行に熱心ではなかった


彼女がもし共に生きる道を選ぶなら、力をつける必要があった


小竜姫は無自覚だが、いつの間にか神族としてではなく、横島達と生きる為の道を考えていた



小竜姫自身はデタント派で争いは好まない

だが人界駐留の神族として、神魔戦争になれば戦わなければならない…


しかし、小竜姫は魔族を滅ぼす神魔戦争で戦うのは嫌だった


小竜姫もいつか選ばないといけないだろう…

神族として生きるか…

小竜姫として生きるか…


次の日からタマモは熱心に修行に挑んでいった


あまり努力するタイプではないタマモが、修行をやる気を出したことに横島やルシオラ達は驚いていたが、なんだかんだ言って一緒に修行を頑張った


「横島さん、もっと集中して霊力をコントロールしないとだめですよ」


小竜姫は笑顔で横島にダメだしした

「難しいっすね… この調子だとタマモに抜かれそうだな~」

横島は苦しい顔で小竜姫に話した


「当然でしょ? 私は金毛白面九尾の妖弧なのよ すぐに成長してやるわ」


タマモは意味ありげな笑顔で横島に言った


そんなやりとりを見てルシオラは気がついていた


小竜姫とタマモにとって、横島が特別な存在になりつつある…


本人達は気がついて無いだろが、横島に向ける笑顔が他とは違っていた


最近の横島は目標に向かって努力している

元からあった優しい性格に、成長して頼りがいがある男になって、明らかに魅力的な男になった

スケベなのは変わってないが、見境がないのは減っていた


ルシオラは横島の成長を喜びつつ…

小竜姫やタマモの気持ちに悩んでいた


ルシオラも彼女達を家族と同じように考えていた

そんな彼女達に幸せになって欲しいと願いつつ、横島をとられるのが怖い自分もいた


妙神山は今日も平和だった…




一方東京では、おキヌは唐巣の元で学校に修行に頑張っていた


ある日
美神は事務所で事務をしていた


事務所は片づける人が居ないため、ごちゃごちゃになっていた


そんな中美神の前に魔族が現れた

「お前が美神令子か? その命もらい受ける!」


魔族は突然令子に霊波砲を放った!


ドッカーン


机が魔族の霊波砲で破壊されたが、令子は間一髪よけた


「ふざけんじゃないわよ! なんで私を狙うの!」

令子は神通鞭を構えて魔族に問いただした

魔族はニヤリと笑って話し出した

「魔族が人間を狙うのに理由がいるのか? お前は人間界では、アシュタロスを倒した英雄になってるんだろう? たかが人間ごときに魔族が負けたままになってるなど我慢ならん! それだけだ!」

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