真の歴史へ

横島達は一斉に空に移動した


そして、地中から上がってくる死津藻比女を待っている


「雪之丞、油断しないでね、 死津藻比女は目から攻撃して来るわ。 近づきすぎないで!」

ルシオラは、死津藻比女の正体を知らない雪之丞に注意を促す


ゴゴゴゴゴ……


ゴバァッ!!


森林が大爆発して、死津藻比女の根が2体現れた!


「貴様ら!! よくもやってくれたな! せめて貴様らを道連れにしてくれる!」

死津藻比女は目から凄まじい攻撃を無差別に放っていた


横島達は空を飛びながらかわしていく…

氷室神社は結界で包まれており、なんとか無事だった…


「クッ… 野郎… 無差別に皆殺しにする気か!?」

雪之丞は死津藻比女の凄まじい攻撃に、反撃するタイミングがつかめなかった


2体の死津藻比女の根は背中合わせで弱点を守っている



そして、氷室神社では神主一家が窓から戦いを見ていた


死津藻比女の本体とその攻撃に驚き隠せなかった

「凄い… あの死津藻比女を相手に互角以上だ… 噂以上の実力だな…」

神主はその戦いを信じられないような気持ちでみていた



神社の方では、道士のホログラムとおキヌが地震に驚き外の様子をこっそり見ていた


「あれが死津藻比女の本体か… あやつを地中から誘き出すとは…」

道士は複雑な表情で見ていた

自分もあの実力があれば…

おキヌを犠牲にすることは無かったろうと思って…


「横島さん… 皆さん…」

おキヌはみんなの無事を祈るようにして見ていた

「おキヌや… 心配はいらん。 死津藻比女はだいぶ弱まっておる。 それに実力も彼らが上だ」

道士は心配そうに祈り続けるおキヌに優しく話していた

「はい… わかってます」

おキヌはわかっていたが…

それでも心配だった…



一方戦いの方は…


「狐火!」

「ハッ!!」

タマモは狐火で死津藻比女の視界を奪った


そして、その隙に横島、ルシオラ、小竜姫が霊波砲で攻撃する


ドカーン!!


死津藻比女はすでに力の大部分を使い果たしており、最早強力な攻撃は出来なかった…


「オラオラオラ…」

雪之丞は横島達がダメージを与えた場所に連続霊波砲で追い討ちをした


ドドドド……


「グア……ッ…」

死津藻比女は力ない叫びを上げていた


死津藻比女の攻撃はやんでいた


そして、横島はその時を待っていた…

「終わりにしてやる! 300年の長き戦いを!!」

横島は一人死津藻比女に接近していた


「わし…は…負けぬ…」

死津藻比女は最後まで横島を攻撃しようとするが…


ズシャッ……!!


横島は霊波刀を長く伸ばして、死津藻比女を一刀両断した


3メールはあろうかという長い霊波刀は死津藻比女を一瞬で斬り裂いていた…


「グアッ……!!」

死津藻比女の叫びが山々にこだまする…


そして、本体をやられた死津藻比女は残りの株分けした分体で逃げようとした


「こんなとこでやられてなるものか… わしは人間を滅ぼす為に生まれたのだ…」

死津藻比女はダメージを受けた分体で必死に横島達から逃げていた…


「言ったでしょう… あなたは終わりだって…」

死津藻比女の前には笑顔のタマモが居た


「そうです! 長きに渡り罪無き人々を苦しめたあなたは許せません!」

小竜姫も死津藻比女を囲むようにして睨みつけていた


「滅びたいなら一人で滅んでもらうわ… 私達がどれだけ平和な世界を望んでるか… あなたにはわからないでしょうね…」


ルシオラも険しい表情で死津藻比女を囲む


三人に囲まれて逃げ場は無かった…


「貴様ら!! 何故人間の味方をする!」

死津藻比女はルシオラ、タマモ、小竜姫に叫び問いかけた


「ウフフ… 答えは簡単よ。 私達の愛した人が人間だっただけ…」

「そして、この世界はあの人が必死に守った世界だから…」

「人間も神も魔も妖怪も… 全て同じ命なのです。 どれかが滅びれば世界は終わります… 私達は何があっても世界を守ります! 今度こそ……」


ルシオラ、タマモ、小竜姫は強い言葉で死津藻比女に話した


そして…

3人の攻撃が一斉に決まった


「ギャアアアア……」


死津藻比女はルシオラ達の話を理解する暇は無かった…
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