真の歴史へ

令子自身は、プラドー島でルシオラが魔力を発していたのを見たが…

それ以上は知らない

関わる気もない為、興味も無かった


「神族と魔族が仲良く暮らしてるのか… 益々理解出来んな… 実力も高いんだろ?」

西条はいろいろ考えながら令子を見て聞いた


「ええ、私も数回しか見てないけど… かなりの実力よ。 小竜姫様の愛弟子らしいし… 人間では最強じゃないの?」

令子は最近見たGS試験の時の戦いを思い出していた

人間離れした実力に美智恵と共に驚いたのだから…


あれには自分も絶対に勝てないと思ったのだ


西条は令子が、横島を最強と言ったのに驚いていた

令子のプライドの高さはよく理解していた

その令子があっさり認めたのに驚いていたのだ


「ふむ… 聞けば聞くほど不思議な人物だな… 少なくとも、小竜姫様が人界に居るにはそれなりに理由があるはずだが…」

西条は腕を組んで考えていた

小竜姫が現在も神族なのは確かだ…

追放などされてない神族が、魔族や人間と暮らしてるのがただの恋人だからだとは思えなかった


「さあ~? ママは敵にはまわすなって言ってたけど…」

令子は西条ほど、横島達に興味が無いようだ

個人的な関わりは少ないし、自分の利益にならないことには興味が無かった…


「ただ、おキヌちゃんは横島君が気にいってるみたいよ? この前会ったら毎日楽しいって言ってたし…」

令子は思い出したように話した


「そうか… 人望はあるんだな…」

西条は結局それ以上わからなかったが…

自分より年下の横島に男として、ライバル視して考えていた…



そして横島達は…


ザシュッ!!


横島が最後の死津藻比女を斬り裂いて、50体はいた死津藻比女の花は全て退治された


「さて、死津藻比女はだいぶ弱まっただろう」

横島は神眼で地中を霊視していた


「ヨコシマ、もう仕上げに入ったら?」

ルシオラは銃を下ろして横島を見た


「ああ、もう十分だな…」

横島は霊視を終えてタマモを見て頷いた

タマモはニヤリとして、死津藻比女が現れた後に開いている地中の穴を見た


「馬鹿者をあぶり出してあげるわ…」

自信満々と言った表情でタマモは、死津藻比女が開けた穴の一つに手を入れた…


横島達は穴から少し離れて見守っていて、唯一何をやるかわからない雪之丞は、興味津々にタマモが何をするのか見ていた…


「狐火!!」


タマモはそのまま穴に向かって狐火を流し続ける

ゴーゴー…


死津藻比女が開けた大量の穴から狐火の炎が吹き出している

そして、穴を通して死津藻比女の本体にも炎が迫っていた…


ゴーー!!


凄まじいスピードで穴の中を炎が走る!

死津藻比女は途中で気がつくが…

地中に居るのがアダになって逆に逃げ場が無かった…


ボァーー!!


死津藻比女の本体と株分けした分身の両方が炎に包まれる


「ギャッーー!!」

死津藻比女の悲鳴が山々をこだまする


「すげーな…、地面の中で蒸し焼きかよ…」

雪之丞は驚いて呟いた

「死津藻比女の弱点は、花が全て本体に繋がっていることです。 花を退治しても、本体にダメージはありませんが、自分で開けた穴が全て本体に繋がっているんです」

小竜姫は雪之丞に説明する

「直線でないから銃や霊波砲は無理だけど…、炎なら問題無いのよ」

ルシオラは笑顔で話した


「なるほど…、調子に乗って出てきた奴が馬鹿だったのか…」

雪之丞はそこまで言われて納得していた

その時…

グラグラ…


付近の地面が揺れる…


「横島! 来るわよ!」

タマモが叫ぶと、横島達の表情が引き締まる


そして、地面の中から何かが上がって来るのがわかった


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