その時…

死津藻比女は突然の事態に驚いていた

「誰だ… わしを封じる結界を張りおったのは… クッ… これでは他の地脈に根を伸ばせん。」

地中深くに潜む死津藻比女は考えて、地上に偵察を出した


「わしを封じた小娘の気配がした… 奴が戻ってきたということは、誰かがまたわしを封じる気か… させん…！ 再び封じるのは絶対にさせん！」


死津藻比女は怒りを露わにしていた


横島達は結界を張り終えて、氷室神社に戻っていた


「雪之丞、異常ないか？」

横島は神社の境内で見張っていた雪之丞に聞いた

「ああ、今のところ何もないよ それより、あの強力な結界は何だ？」

雪之丞はあきれ気味に聞いた

「あれは、私達４人の複合結界よ。 神魔妖人の力を合わせた結界なのよ」

ルシオラは笑顔で軽く話した

「ルシオラさんは軽く話してるけど、普通じゃ有り得ない結界よ」

ルシオラがあまりに簡単に話したので、タマモが苦笑いして説明を追加した

「死津藻比女も結界に気がついたでしょう… すぐにやって来ます。 油断しないで下さいね」

小竜姫は戦闘モードに入っており、いつもの優しい雰囲気ではなく、武神らしく緊張感を持っていた


その時…

地震が起きた！


グラグラ…

グラグラ…


それほど強い揺れでは無かったが体感があった

「地震か…」

横島は一言呟いて表情を固くした

「動いたわね…」

タマモは地中を見つめていた

「あまり数は多くないわね… 偵察かしら？」

ルシオラは地中に動く死津藻比女を感じていた

「雪之丞さん、死津藻比女は強いです。 あれほど強い妖怪相手に実践経験を積むチャンスは、めったにありません 気を引き締めて下さい」

小竜姫は雪之丞を見て、戦いを前に注意を促す

死津藻比女が相手では雪之丞では油断出来ない

横島達は雪之丞に実践経験を積ませるチャンスとして、今回連れてきたのだ…


「ああ、わかってる。」

雪之丞も横島達の雰囲気で戦いが近いのを感じて、険しい表情になった


そして地震が起きた時…

おキヌにも異変が起きていた


突然消えてしまったのだ
　
神主は慌てて、外の横島に伝えに走った


その時、おキヌは…

知らない地下に居た

「ここは…」

おキヌは辺りを見回す

「やっと戻ったか、おキヌ…」

おキヌの前に道士の立体映像が現れた


「あなたは…？」

おキヌは不思議そうに聞いた

道士は驚いていたが…

「そうか… 記憶が無いのか… 私はここを作った者だ…」

道士はそう話して、おキヌに生きてる時の映像を見せた


子供達や

道士…

女華姫…


おキヌは自分の生きてる時の映像を、複雑な表情で見ていた

全てが終わると、おキヌはようやく思い出していた

「私… やっと思い出しました」

おキヌは悲しそうな…

複雑な表情で呟いた

「死津藻比女はこの結界を離れてしまった… 万が一の場合は再びお前に頼む事になるかもしれん」

道士は険しい表情でおキヌに話していた

「それは必要ありません。 私、信じてますから… 外にいる横島さん達を…」

おキヌは顔を上げて自信を持って話した

「おキヌ… 確かに外の大型結界は初めてみるが… 地中の奴をどうやって攻撃するのか」

道士は考えながら話していた


「きっと大丈夫です…」

おキヌは微笑んでいた



その頃…

神社の境内に居る横島達の元に、神主が血相を変えて走ってきた

「大変です！ おキヌさんが消えました！」

神主は息を切らしながら慌てていた


「そうか… 結界に戻されたな」

横島は先ほどの地震である程度予想していた

「横島！ 大丈夫なのか！？」

雪之丞は慌てて聞いた

「大丈夫よ。 死津藻比女が活動したから、結界におキヌちゃんが戻されたのよ」

ルシオラは慌てる雪之丞を落ち着かせるように話した

「私達が死津藻比女を倒せば全て大丈夫よ」

タマモは警戒しながら言った

「小竜姫… 結界施設に行っておキヌちゃんを見てきてくれ」

横島は道士の立体映像が復活しているのを知っている為、小竜姫に説明に行かせる事にした

おキヌを霊体ミサイルにされないように…