真の歴史へ

ピートは全力で黒岩と戦うが決着はつかない

むしろ黒岩には余裕があるように見えた


「これほど強いとは…」

ピートは驚き黒岩を見ていた


「俺は特別なんでね…」

黒岩は顔色を変えずに再びピートと戦っていく…



メドーサは黒岩の戦いにイライラを増していた

(勘九朗… 聞こえる?)

メドーサは勘九朗に念話で話しかけた


(はい、メドーサ様…)

(今すぐバンパイアハーフの坊やを始末しな。 あまり長引くと、小竜姫に気付かれる…)

(了解しました)


メドーサは話が終わるとニヤリと笑った


勘九朗は静かにピアスに手を伸ばした


「ルシオラさん!」

勘九朗の異変に気が付いたジークが銃を構える

「的は小さくて早いわ。 大丈夫?」

ルシオラはジークに確認した


「任せて下さい。 この距離なら大丈夫です」

ジークは自信を持って答えた

ルシオラとジークは勘九朗の向かい側の観客席の後方にいた


勘九朗はピアスに微量の霊力を込めて…


飛ばした!ピュ!


その瞬間…


ジークが銃を撃った!


サイレンサーが付いてるため、音は無かった…


パシッン!!


勘九朗が放ったピアスは結界の手間で打ち落とされた…


ジークの銃弾は結界を超えて見事に当たっていた…


(これはいったい…)

勘九朗は焦っていた

目の前でいきなりピアスがはじけて壊れたのだ

勘九朗には銃弾が見えなかったらしい…


そしてメドーサも驚きをもって見ていた

(今のはまさか…狙撃!?)

メドーサは顔色を変えないように必死に狙撃した相手を探すが、見つからない


(小竜姫め… 何をした!)

メドーサは小竜姫を睨みつけた



一方横島達は…

(ルシオラ… お見事だな)

横島はルシオラをねぎらっていた

(今のはジークさんよ。)

(ほー、さすがは正規軍だな)

横島は感心していた


銃自体も高性能だが、あれだけの狙撃になれば、撃った人の腕が鍵を握る

横島達は素直に感心していた


(メドーサが睨んでますよ)
小竜姫はメドーサに睨まれてるのを無視して横島に言った


(さすがに狙撃に気が付いたか… これで迂闊には動けまい)

横島と小竜姫は自分達に有利な展開に安堵していた




(メドーサ様、もう一度やりますか?)

対応に苦慮した勘九朗がメドーサに指示を仰いだ

(おやめ! 今のは狙撃だよ。 迂闊に動けば殺されるよ。 おそらく小竜姫の仲間の神族だろう)

メドーサは勘九朗に事態を説明した


(まさか… 他にも神族が?)

勘九朗は驚きを隠せなくなっていた


(ああ、あたしにも見えない狙撃だからね。 人間には無理だよ。 とにかく、証拠はまだ掴んでないだろうから、このまま試合をしな!)

メドーサは勘九朗にはそう話したが、内心ではこれからの展開を考えていた


逃げるのも、戦うのも不利だった

小竜姫だけなら、人間を巻き込み狙えば逃げれたが…


誰かが狙撃を狙っているなら、無理だった

人間を巻き込もうとすれば、すぐに撃たれるだろう…


メドーサは追い込まれてるのを悟り

次の手を考えていた…



試合の方はピートが押されはじめていた…


バンパイアハーフのピートは霊力やスタミナが高いのだが…

明らかに疲れが見え始めた


「くっ……」

ピートは肩で息をしながら、戦っていた


「終わりだ…」

黒岩はピートにそう告げた瞬間消えた


バーン!!


次の瞬間、ピートが場外まで吹き飛ばされた



「勝者黒岩!」


結果…

ピートは負けてしまった

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