GS横島 運命と戦う者

女の子は理解が出来なかった…


魔族と人間が恋人で家族…?

普通じゃない

だが自分を騙しても彼らに得は無い

殺すならさっき殺してるだろうし…


女の子は不思議そうな顔で、横島とルシオラとパピリオを見た


妖弧としての感が彼らの言葉に嘘が無いのはわかっていた


「あなた達変わってるわね… 普通じゃないわ」

女の子の呆れたような言葉に横島は首を傾げた

「そっか? 人間も魔族も関係ないだろう~ お前も家族になるか?」


横島は優しく女の子に話した

「はっ…!? 家族? 私は傾国の妖弧として人間に恐れられてるのよ!」


そんなやりとりにルシオラは苦笑いして話した

「私は魔族よ。 あなたがどんな妖弧か知ってるわ。 ヨコシマにとって種族の違いは関係ないのよ だから私達は一緒にいるし、あなたも助かったのよ」


女の子は静かに聞いていた


「どうやら本当みたいね… あなた達本当に変わってるわ… まあそのおかげで助かったんだけど… あなた達と一緒に居れば安全そうね。 しばらく世話になるわ」


妖弧の女の子はそう言った


この人達は嘘は言ってない

そして強い

最低でも自分の力が戻るまでは、この人達と一緒に居た方が安全だ


ちょっとおかしな人間と魔族だけど、普通の人間は信用出来ないし、ちょうどいい…


妖弧の女の子はそう考えていた


「そっか じゃあ、よろしくな! 俺は横島忠夫」

「私はルシオラよ」

「わたちはパピリオでちゅ」

3人は笑顔で女の子を家族に迎えた


「私はタマモよ。 よろしく…」


タマモは不思議な気分だった

自分に対して本当に家族のように接してくる


いろいろ理解出来ないがゆっくり考えればいい


この人達は安全だ


タマモの妖弧としての感性がそう感じていた


タマモを家族に加えた横島達は、さっそく妙神山に向かうことにした


アパートの部屋代は親が払うので、横島達は必要な物を持って妙神山に向かった


タマモの存在が美智恵や令子にバレる前に、妙神山に行ってしまうことにした


しかし、横島は残るおキヌや周りの人の為に唐巣にだけは挨拶に向かうことにした


横島達は荷物を持って唐巣の教会に来ていた


「横島、君今日はどうしたんだい? 荷物を持って…」


珍しく訪ねてきた横島に唐巣は話しかけた


「俺達、しばらく妙神山に行くことにしました。 それで神父にお願いがありまして…」


唐巣は横島が見せる珍しく真面目な顔に事の重大さを感じた

「なんだい? 私に出来ることなら協力しよう」


唐巣は話を聞く前に決断していた


それはあの戦いで彼に、辛い役目をさせてしまった…

その思いからだった…

人一倍責任感の強い唐巣は自分の無力を嘆き、彼に全てを背負わせた大人である自分を恥じていた


そして彼が困った時は力になろう


そう前から決めていたのだった


真剣な唐巣に横島は昨日の話を教えた


「そうか… 美神君が…」

唐巣は弟子の行動に言葉少なくなった


「唐巣神父には、おキヌちゃんや小鳩ちゃんや学校にいる机妖怪の愛子達を、お願いしたくて来ました。 美神さんや隊長は信用出来ませんから… 少しでいいので彼女達の様子をみて下さい。」


横島は唐巣に頭を下げた

「わかった。 彼女達は任せたまえ。 私がたまに様子を見ておくよ。 それと横島君… 君がもしまたGSをやるなら私が身元を保証しよう。 君ならすぐに免許がおりるだろう… タマモ君はほとぼりが冷めたら君の保護下の妖怪にすれば問題ないだろう」


唐巣は横島の頼みだけでなく、いずれ妙神山から戻った後の道筋を示した


出来ることは力になろうという、唐巣の気持ちの現れだった

「ありがとうございます。 いろいろお世話になりました。」

横島達は最後にもう一度唐巣に頭を下げて帰っていった


唐巣は横島が帰った後、一人懺悔していた…


美神親子のツケを彼に背負わせてしまったのは自分にも責任があると思って

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