平和な日常~冬~2
(あんまり余計な口を挟むことはするつもりはないけど)
近右衛門や穂乃香が過剰なほど神経質になるのは、彼らの過去がそれだけ大変だったことは考えなくても分かる。
横島は土偶羅のサポートがあればこそ、気楽で自由な生活を送れている訳だし。
ただ問題なのは魔法の存在を教えないからといって、彼女達が魔法に関わらず幸せになれるとは限らないことだろう。
横島は以前土偶羅が調べた超鈴音の世界の歴史では明日菜や木乃香達は、ネギ・スプリングフィールドに関わることにより何も知らないままで歴史の闇に関わっていた。
まあ極論を言えばそれはよその世界の歴史であり無限に広がる可能性の一つでしかないが。
(そういやあの世界の学園長はガキを受け入れて、この世界の学園長が拒否した原因はなんなんだろうな)
何事にもリスクとリターンがあり、どんな選択肢を選んでも必ずリスクは存在する。
教えないリスクと教えるリスクを考えると、横島のように多岐にわたる正確な情報を持たない限りは結論を出すのは難しいだろう。
ただここで横島はこの世界の近右衛門が、何故ネギを拒否したのかが少し気になった。
実はネギの受け入れの件は横島が介入するべきか一番迷った一件でもある。
フェイト・アーウェルンクスの件は考えるまでもなく介入が必要だと判断したが、ネギの一件は本当に判断が難しかった。
結局は横島が介入する前に近右衛門が拒否したからよかったが、超鈴音の歴史や横島自身の霊感からするとネギが麻帆良に来れば厄介どころの騒ぎではなかっただろう。
(考えても仕方ないか)
結論が出ぬまま少し思考がズレたなと感じた横島は本題に思考を戻すが、横島の考えでは木乃香や明日菜には魔法関係の教育をきちんとして明日菜の過去や危険には関わらせないようにするべきだろうと思う。
流石に部外者である横島の側からそんな重要な問題を近右衛門にいきなり言うつもりはないが。
「……ってタマモ、食い過ぎだろ!?」
珍しく真面目に考えていた横島だったが、少し目を離した隙にタマモはりんごジャムを塗ったパンを黙々と食べていた。
出来たてのりんごジャムをたっぷりと載せた食パンはすでに三枚目に突入しており、最早味見ではなくなっている。
「あまいものは、べつばらだからだいじょうぶ!」
「誰だよタマモにそんなこと教えたのは……」
幸せそうにパンを次々と頬張るタマモは、見ていても気持ちがいいものだったが流石に食べ過ぎである。
横島は少し慌ててパンはもう終わりだと言うが、タマモは甘い物は別腹だと言い出して食べかけの三枚目をペろりと完食していた。
「お昼ご飯食えるか?」
「うん、たべる!」
甘い物をたくさん食べて満足したのか、庭の猫達と遊んで来ると厨房を出るタマモに横島はお昼ご飯の心配をするがタマモ的にはまだまだ余裕らしい。
横島はこの時ばかりはタマモが金毛白面九尾でよかったとシミジミと思う。
普通の子供だったら太ってしまう可能性があるが、元々金毛白面九尾は前世が仙人だったこともあり横島の世界の神魔と同じ霊的な生命体なのだから。
いくら食べても太らないのは横島もタマモも同じだった。
「元気なのはいいことか」
少し自重することを教えるべきかと横島も考えるが、それでも他者への優しさは十二分にあるので食べ物くらいは気にしなくていいかという結論に落ち着いた横島は、出来上がったジャムを保存していくことになる。
近右衛門や穂乃香が過剰なほど神経質になるのは、彼らの過去がそれだけ大変だったことは考えなくても分かる。
横島は土偶羅のサポートがあればこそ、気楽で自由な生活を送れている訳だし。
ただ問題なのは魔法の存在を教えないからといって、彼女達が魔法に関わらず幸せになれるとは限らないことだろう。
横島は以前土偶羅が調べた超鈴音の世界の歴史では明日菜や木乃香達は、ネギ・スプリングフィールドに関わることにより何も知らないままで歴史の闇に関わっていた。
まあ極論を言えばそれはよその世界の歴史であり無限に広がる可能性の一つでしかないが。
(そういやあの世界の学園長はガキを受け入れて、この世界の学園長が拒否した原因はなんなんだろうな)
何事にもリスクとリターンがあり、どんな選択肢を選んでも必ずリスクは存在する。
教えないリスクと教えるリスクを考えると、横島のように多岐にわたる正確な情報を持たない限りは結論を出すのは難しいだろう。
ただここで横島はこの世界の近右衛門が、何故ネギを拒否したのかが少し気になった。
実はネギの受け入れの件は横島が介入するべきか一番迷った一件でもある。
フェイト・アーウェルンクスの件は考えるまでもなく介入が必要だと判断したが、ネギの一件は本当に判断が難しかった。
結局は横島が介入する前に近右衛門が拒否したからよかったが、超鈴音の歴史や横島自身の霊感からするとネギが麻帆良に来れば厄介どころの騒ぎではなかっただろう。
(考えても仕方ないか)
結論が出ぬまま少し思考がズレたなと感じた横島は本題に思考を戻すが、横島の考えでは木乃香や明日菜には魔法関係の教育をきちんとして明日菜の過去や危険には関わらせないようにするべきだろうと思う。
流石に部外者である横島の側からそんな重要な問題を近右衛門にいきなり言うつもりはないが。
「……ってタマモ、食い過ぎだろ!?」
珍しく真面目に考えていた横島だったが、少し目を離した隙にタマモはりんごジャムを塗ったパンを黙々と食べていた。
出来たてのりんごジャムをたっぷりと載せた食パンはすでに三枚目に突入しており、最早味見ではなくなっている。
「あまいものは、べつばらだからだいじょうぶ!」
「誰だよタマモにそんなこと教えたのは……」
幸せそうにパンを次々と頬張るタマモは、見ていても気持ちがいいものだったが流石に食べ過ぎである。
横島は少し慌ててパンはもう終わりだと言うが、タマモは甘い物は別腹だと言い出して食べかけの三枚目をペろりと完食していた。
「お昼ご飯食えるか?」
「うん、たべる!」
甘い物をたくさん食べて満足したのか、庭の猫達と遊んで来ると厨房を出るタマモに横島はお昼ご飯の心配をするがタマモ的にはまだまだ余裕らしい。
横島はこの時ばかりはタマモが金毛白面九尾でよかったとシミジミと思う。
普通の子供だったら太ってしまう可能性があるが、元々金毛白面九尾は前世が仙人だったこともあり横島の世界の神魔と同じ霊的な生命体なのだから。
いくら食べても太らないのは横島もタマモも同じだった。
「元気なのはいいことか」
少し自重することを教えるべきかと横島も考えるが、それでも他者への優しさは十二分にあるので食べ物くらいは気にしなくていいかという結論に落ち着いた横島は、出来上がったジャムを保存していくことになる。