平和な日常~冬~2
一夜明けて次の日になると、横島はいつもと同じく店を営業していた。
昨夜の重要な話し合いがあったからと言って何かが変わるはずもなく、午前中は暇な時間を利用してりんごを使ったジャム作りをしている。
「やっぱり旬の果物は美味いな」
「うん、おいしい」
作っているジャムはもちろん店で使うのだが、苺などの年中提供している人気のジャムの他にも季節の果物を使ったジャムを作っては期間限定で提供していた。
トーストはもちろんスイーツにも使うことがあるジャムは、いつの間にか甘い物が評判になってしまった横島の店には欠かせぬ人気の品である。
この日は冬場が旬のりんごを使ったジャムを作っているが、少し酸味のある加工品向きの品種を仕入れることが出来たので多めに作って保存する予定だった。
「今年もあと半月くらいかぁ」
出来たてのまだ熱いジャムをパンに塗って食べると甘いりんごジャムの香りが最高に広がり、横島とタマモは味見という名のおやつタイムになっている。
そんな横島だがふと厨房に貼ってあるカレンダーを見ると、今年も残り少ないなと改めて感じた。
まあまだクリスマスの学園主催のパーティーの件があり横島は当面は忙しいが、そろそろ年末年始をどうするか考える時期になっている。
木乃香達に関しても明日菜を除く三人はクリスマスが終わった頃から帰省予定で、母の穂乃香が麻帆良に滞在している木乃香も年末年始は帰省予定だった。
「年末年始はどうしようか」
もぐもぐと出来たてのりんごジャムを塗ったパンを美味しそうに頬張るタマモは、年末年始どうしようかと言われてもイマイチどういう意味か分からないらしく少し首を傾げてしまう。
よくよく考えてみるとタマモはお正月すらほとんど知らないのかもしれないと感じた横島は、年末年始をどう過ごそうかと考え始める。
タマモとさよを異空間アジトに連れていく約束をしているので年末年始を利用して向こうに行くことも考えているが、明日菜も年末年始は一人になるのでどうせなら一緒に旅行の方がいいかとも考えていた。
いずれにしろ少し前から雪が降るのを心待ちにしてるタマモの為にも何処かに出掛けようとは考えているが、具体的にはまだ未定である。
(そういや木乃香ちゃんと明日菜ちゃんに魔法ばらす話、昨日しなかったけどどうするんだろ)
年末年始の予定を立てる上で悩むのは明日菜をどうするかということであり、横島は明日菜の件からふと昨夜は話に出なかった木乃香と明日菜へ魔法の情報開示の件をどうするのかと考え始めた。
(そんなに神経質になる必要あるのか?)
実のところ横島は木乃香達へ魔法を教える件は、さほど悩む必要がないだろうと個人的には考えている。
元々オカルトが当然だった世界に生まれた横島からすれば、魔法の存在を教えたからと言ってさほど状況が変わるとは思ってない。
まあ夕映達にはバレる気はするが、横島はいっそバレそうな友人には先に教えてしまえばいいとすら思っていた。
きちんと魔法の存在と一緒に秘匿する理由や状況を教えれば早々迂闊なことをするとは思えないし、実際に関東魔法協会は以前から魔法に気付いた一般人は基本的にスカウトして仲間にしている。
その場合は魔法協会への協力はしなければならないが、雪広グループや那波グループなどの協力企業への就職斡旋など一般人が魔法協会に関わる利点も多かった。
というか魔法協会に関わらせることと魔法の存在を教えることは別問題であり、木乃香達には魔法協会に関わらせなくとも情報だけは教えればいいのではと考えている。
昨夜の重要な話し合いがあったからと言って何かが変わるはずもなく、午前中は暇な時間を利用してりんごを使ったジャム作りをしている。
「やっぱり旬の果物は美味いな」
「うん、おいしい」
作っているジャムはもちろん店で使うのだが、苺などの年中提供している人気のジャムの他にも季節の果物を使ったジャムを作っては期間限定で提供していた。
トーストはもちろんスイーツにも使うことがあるジャムは、いつの間にか甘い物が評判になってしまった横島の店には欠かせぬ人気の品である。
この日は冬場が旬のりんごを使ったジャムを作っているが、少し酸味のある加工品向きの品種を仕入れることが出来たので多めに作って保存する予定だった。
「今年もあと半月くらいかぁ」
出来たてのまだ熱いジャムをパンに塗って食べると甘いりんごジャムの香りが最高に広がり、横島とタマモは味見という名のおやつタイムになっている。
そんな横島だがふと厨房に貼ってあるカレンダーを見ると、今年も残り少ないなと改めて感じた。
まあまだクリスマスの学園主催のパーティーの件があり横島は当面は忙しいが、そろそろ年末年始をどうするか考える時期になっている。
木乃香達に関しても明日菜を除く三人はクリスマスが終わった頃から帰省予定で、母の穂乃香が麻帆良に滞在している木乃香も年末年始は帰省予定だった。
「年末年始はどうしようか」
もぐもぐと出来たてのりんごジャムを塗ったパンを美味しそうに頬張るタマモは、年末年始どうしようかと言われてもイマイチどういう意味か分からないらしく少し首を傾げてしまう。
よくよく考えてみるとタマモはお正月すらほとんど知らないのかもしれないと感じた横島は、年末年始をどう過ごそうかと考え始める。
タマモとさよを異空間アジトに連れていく約束をしているので年末年始を利用して向こうに行くことも考えているが、明日菜も年末年始は一人になるのでどうせなら一緒に旅行の方がいいかとも考えていた。
いずれにしろ少し前から雪が降るのを心待ちにしてるタマモの為にも何処かに出掛けようとは考えているが、具体的にはまだ未定である。
(そういや木乃香ちゃんと明日菜ちゃんに魔法ばらす話、昨日しなかったけどどうするんだろ)
年末年始の予定を立てる上で悩むのは明日菜をどうするかということであり、横島は明日菜の件からふと昨夜は話に出なかった木乃香と明日菜へ魔法の情報開示の件をどうするのかと考え始めた。
(そんなに神経質になる必要あるのか?)
実のところ横島は木乃香達へ魔法を教える件は、さほど悩む必要がないだろうと個人的には考えている。
元々オカルトが当然だった世界に生まれた横島からすれば、魔法の存在を教えたからと言ってさほど状況が変わるとは思ってない。
まあ夕映達にはバレる気はするが、横島はいっそバレそうな友人には先に教えてしまえばいいとすら思っていた。
きちんと魔法の存在と一緒に秘匿する理由や状況を教えれば早々迂闊なことをするとは思えないし、実際に関東魔法協会は以前から魔法に気付いた一般人は基本的にスカウトして仲間にしている。
その場合は魔法協会への協力はしなければならないが、雪広グループや那波グループなどの協力企業への就職斡旋など一般人が魔法協会に関わる利点も多かった。
というか魔法協会に関わらせることと魔法の存在を教えることは別問題であり、木乃香達には魔法協会に関わらせなくとも情報だけは教えればいいのではと考えている。