平和な日常~冬~2
一方横島の居ない横島宅では、この日はさよがタマモと一緒にベッドに入っていた。
実体化の影響で現在は食事や睡眠も出来るようになったさよだが、横島と同じく必ずしも食事や睡眠が必要な訳ではない。
ただ最近は以前と同じくハニワ兵と一晩中一緒に居る日と自室のベッドで眠る日が半々くらいにまでなっている。
これに関しては現在のさよの魂や霊体が横島やタマモと一緒に居る影響で急速に安定しており、その影響で記憶の確実な定着など恩恵も多いが同時に本来は霊力が低いさよには霊力の回復も含めた休息が必要になったのが実情だった。
元々さよの実体化は横島の霊力を用いた神属性の術なのでその気になれば強化の方法はいくらでもあるが、さよへの影響を最小限にする為に何もしてないのが現状なのだ。
「誰かと寝るなんて初めてです」
すでにタマモは狐形態に戻り夢の世界に旅立ってしまったが、さよの胸元で気持ち良さそうに眠っている。
日頃横島と一緒に寝てるタマモは一人で寝るのが嫌なようで今日は当然のようにさよと一緒に寝ているが、さよ自身はタマモに添い寝をして寝かしつけることはあっても朝まで一緒に寝ることは初めてであり少し不思議な気分であった。
「タマモちゃんって温かいな」
横島がいつ帰って来るか分からないことでさよはタマモが寂しがらないか少し心配だったが、今夜のタマモは驚くほど落ち着いていた。
まあ夜はすっかりさよとハニワ兵と三人で居ることに慣れたこともあるが、ここが自分達の家で自分達は家族なんだとタマモが理解したことも大きいのだろうとさよは思う。
そんなタマモの小さな身体の暖かい温もりにさよは一瞬何がが頭を過ぎった気がするが、残念ながらそれ以上の何かを思い出せる様子はない。
「やっぱり家族なんだね。 私たち」
心の中では多分タマモも寂しさを感じていただろうし、さよ自身も僅かな寂しさを感じている。
ただ必ず帰って来ると理解してるからこそ、寂しさが不安にまで繋がらないのだ。
確かな信頼というか絆はあるし、それが家族の絆なんだろうなとさよは漠然とだが感じていた。
「そういえば、あのクリスマスツリー今年もあるのかな」
自分は本当に幸せだとシミジミと感じるさよは、ふと昨年の冬に街で見た大きなクリスマスツリーのことを思い出す。
中等部の近くで10メートルほどの大きなクリスマスツリーを飾っている何かの店があったのだ。
夜の学校が怖くて街をさ迷うように歩いていたさよは、偶然見つけた綺麗な電飾が輝く大きなクリスマスツリーを一晩中飽きもせずにずっと見ていた。
楽しげにクリスマスツリーを見物する恋人達や友人達や家族達など、様々な人達がさよの目の前に現れては去って行ったことが何故か鮮明に思い出される。
「今年は私もタマモちゃんや横島さんやみんなと一緒に見たいな」
もう一度、あの大きなクリスマスツリーが見たいとさよは何故か思った。
もちろん今年はタマモや横島やみんなと一緒に。
幽霊の自分がそんな望みを持ってはいけないとも思うが、それでも横島やタマモと一緒にあの大きなクリスマスツリーを見たいと思ってしまう。
「一緒に……」
そのままさよもタマモの温もりに誘われるように幸せそうな表情で眠りにつくことになる。
実体化の影響で現在は食事や睡眠も出来るようになったさよだが、横島と同じく必ずしも食事や睡眠が必要な訳ではない。
ただ最近は以前と同じくハニワ兵と一晩中一緒に居る日と自室のベッドで眠る日が半々くらいにまでなっている。
これに関しては現在のさよの魂や霊体が横島やタマモと一緒に居る影響で急速に安定しており、その影響で記憶の確実な定着など恩恵も多いが同時に本来は霊力が低いさよには霊力の回復も含めた休息が必要になったのが実情だった。
元々さよの実体化は横島の霊力を用いた神属性の術なのでその気になれば強化の方法はいくらでもあるが、さよへの影響を最小限にする為に何もしてないのが現状なのだ。
「誰かと寝るなんて初めてです」
すでにタマモは狐形態に戻り夢の世界に旅立ってしまったが、さよの胸元で気持ち良さそうに眠っている。
日頃横島と一緒に寝てるタマモは一人で寝るのが嫌なようで今日は当然のようにさよと一緒に寝ているが、さよ自身はタマモに添い寝をして寝かしつけることはあっても朝まで一緒に寝ることは初めてであり少し不思議な気分であった。
「タマモちゃんって温かいな」
横島がいつ帰って来るか分からないことでさよはタマモが寂しがらないか少し心配だったが、今夜のタマモは驚くほど落ち着いていた。
まあ夜はすっかりさよとハニワ兵と三人で居ることに慣れたこともあるが、ここが自分達の家で自分達は家族なんだとタマモが理解したことも大きいのだろうとさよは思う。
そんなタマモの小さな身体の暖かい温もりにさよは一瞬何がが頭を過ぎった気がするが、残念ながらそれ以上の何かを思い出せる様子はない。
「やっぱり家族なんだね。 私たち」
心の中では多分タマモも寂しさを感じていただろうし、さよ自身も僅かな寂しさを感じている。
ただ必ず帰って来ると理解してるからこそ、寂しさが不安にまで繋がらないのだ。
確かな信頼というか絆はあるし、それが家族の絆なんだろうなとさよは漠然とだが感じていた。
「そういえば、あのクリスマスツリー今年もあるのかな」
自分は本当に幸せだとシミジミと感じるさよは、ふと昨年の冬に街で見た大きなクリスマスツリーのことを思い出す。
中等部の近くで10メートルほどの大きなクリスマスツリーを飾っている何かの店があったのだ。
夜の学校が怖くて街をさ迷うように歩いていたさよは、偶然見つけた綺麗な電飾が輝く大きなクリスマスツリーを一晩中飽きもせずにずっと見ていた。
楽しげにクリスマスツリーを見物する恋人達や友人達や家族達など、様々な人達がさよの目の前に現れては去って行ったことが何故か鮮明に思い出される。
「今年は私もタマモちゃんや横島さんやみんなと一緒に見たいな」
もう一度、あの大きなクリスマスツリーが見たいとさよは何故か思った。
もちろん今年はタマモや横島やみんなと一緒に。
幽霊の自分がそんな望みを持ってはいけないとも思うが、それでも横島やタマモと一緒にあの大きなクリスマスツリーを見たいと思ってしまう。
「一緒に……」
そのままさよもタマモの温もりに誘われるように幸せそうな表情で眠りにつくことになる。