平和な日常~冬~2
「話のスケールが違い過ぎるわい。 単刀直入に聞くが君を今も狙っていたり敵対している連中は居るのか?」
「居ませんよ。 全て終わらせましたから」
そのまま近右衛門は荒唐無稽な話から現実的な話を一つ一つ尋ねていく。
『終わらせた』という言葉は少し気になるが、現実的に横島と敵対していた者が居ないことには本当に安堵した。
それに横島のような滅亡世界からの難民が他に居ないこともホッとしている。
正直横島がどれほどの力を隠しアシュタロスの遺産がどれほどの価値かは解らないが、それと敵対するような連中が生きてこの世界に来たら厄介どころの話ではない。
「なんじゃ現状はさほど厄介な問題がないではないか。 わしはてっきり君が敵対していた連中でも来てるのかと思ったわい」
「過去にはケジメをきちんと付けたんで、そこは迷惑をかけませんよ。 ただ厄介なのは確かでしょう?」
「そのくらいならば構わん。 仮に君が元の世界で魔王でもな。 知ってるだろうが魔法世界の魔王ならすでに麻帆良に居るからのう」
とりあえず横島が現在進行形での問題を抱えてないことにホッとした近右衛門の表情は明るかった。
過去をどう評価するかはまた別問題だが、横島が自分なりにケジメを付けたならば何も言うつもりはない。
実は近右衛門は厄介と聞いて、明日菜やエヴァクラスの厄介事を抱えてることを覚悟していたのだから。
「魔王なんて大それた存在じゃないです。 アシュタロスの遺産は俺の亡くなった恋人がアシュタロスの部下というか娘だったんです。 本来はあいつとあいつの姉妹が遺産の継承者だったんですけどみんな亡くなりましてね」
一方冗談混じりに近右衛門に元魔王なんて言われた横島は慌てて訂正していた。
元魔王なんて誤解が生まれると厄介事が増える予感しかしない。
「君は確か女性が苦手だったはずじゃ?」
「だからそれは誤解ですって! 何度も説明してるんですよ。 ただ本当のところは俺はもう人間じゃなくて、神魔妖怪と同じ不老な存在なんです。 だから女の子との距離は気をつけてるだけであって……」
アシュタロスの遺産に関して説明する横島だったが、横島から過去の恋人との言葉が出ると近右衛門は素の表情で女性が苦手だったはずとつぶやく。
横島は以前から否定するも、近右衛門ですら女性が苦手だという話を信じていたらしい。
「あら、貴方の世界だと神魔妖怪と人は子供を作れないのかしら?」
「はい?」
いつの間にか話の流れがおかしくなってくことを横島はヒシヒシと感じていた。
横島としては最悪忌み嫌われる覚悟を持って真実を打ち明けたのだが、近右衛門と穂乃香は異世界の話や世界の滅亡にはあまり興味を示さず横島の女性関係に興味を示すのだから。
「この世界では魔族や妖怪とのハーフは居るわよ」
「多分子供は作れると思いますよ。 そもそも俺は高校生までは普通の人間でしたし、今もベースは神魔と同じなんで。 というか問題はそこですか?」
「そこが一番重要よ。 貴方の過去に何があったか知らないけど、終わったことを考えても仕方ないじゃない。 木乃香達の気持ち理解してるでしょう?」
はっきり言って横島は穂乃香に押され始めていた。
近右衛門は面白そうに横島と穂乃香のやり取りを見ていて介入する気はないようだし、横島としては自身の異質な力や異空間アジトの存在をもっと危険視や警戒されるかと思ったのだがそっちはほぼ無反応な訳だし。
「居ませんよ。 全て終わらせましたから」
そのまま近右衛門は荒唐無稽な話から現実的な話を一つ一つ尋ねていく。
『終わらせた』という言葉は少し気になるが、現実的に横島と敵対していた者が居ないことには本当に安堵した。
それに横島のような滅亡世界からの難民が他に居ないこともホッとしている。
正直横島がどれほどの力を隠しアシュタロスの遺産がどれほどの価値かは解らないが、それと敵対するような連中が生きてこの世界に来たら厄介どころの話ではない。
「なんじゃ現状はさほど厄介な問題がないではないか。 わしはてっきり君が敵対していた連中でも来てるのかと思ったわい」
「過去にはケジメをきちんと付けたんで、そこは迷惑をかけませんよ。 ただ厄介なのは確かでしょう?」
「そのくらいならば構わん。 仮に君が元の世界で魔王でもな。 知ってるだろうが魔法世界の魔王ならすでに麻帆良に居るからのう」
とりあえず横島が現在進行形での問題を抱えてないことにホッとした近右衛門の表情は明るかった。
過去をどう評価するかはまた別問題だが、横島が自分なりにケジメを付けたならば何も言うつもりはない。
実は近右衛門は厄介と聞いて、明日菜やエヴァクラスの厄介事を抱えてることを覚悟していたのだから。
「魔王なんて大それた存在じゃないです。 アシュタロスの遺産は俺の亡くなった恋人がアシュタロスの部下というか娘だったんです。 本来はあいつとあいつの姉妹が遺産の継承者だったんですけどみんな亡くなりましてね」
一方冗談混じりに近右衛門に元魔王なんて言われた横島は慌てて訂正していた。
元魔王なんて誤解が生まれると厄介事が増える予感しかしない。
「君は確か女性が苦手だったはずじゃ?」
「だからそれは誤解ですって! 何度も説明してるんですよ。 ただ本当のところは俺はもう人間じゃなくて、神魔妖怪と同じ不老な存在なんです。 だから女の子との距離は気をつけてるだけであって……」
アシュタロスの遺産に関して説明する横島だったが、横島から過去の恋人との言葉が出ると近右衛門は素の表情で女性が苦手だったはずとつぶやく。
横島は以前から否定するも、近右衛門ですら女性が苦手だという話を信じていたらしい。
「あら、貴方の世界だと神魔妖怪と人は子供を作れないのかしら?」
「はい?」
いつの間にか話の流れがおかしくなってくことを横島はヒシヒシと感じていた。
横島としては最悪忌み嫌われる覚悟を持って真実を打ち明けたのだが、近右衛門と穂乃香は異世界の話や世界の滅亡にはあまり興味を示さず横島の女性関係に興味を示すのだから。
「この世界では魔族や妖怪とのハーフは居るわよ」
「多分子供は作れると思いますよ。 そもそも俺は高校生までは普通の人間でしたし、今もベースは神魔と同じなんで。 というか問題はそこですか?」
「そこが一番重要よ。 貴方の過去に何があったか知らないけど、終わったことを考えても仕方ないじゃない。 木乃香達の気持ち理解してるでしょう?」
はっきり言って横島は穂乃香に押され始めていた。
近右衛門は面白そうに横島と穂乃香のやり取りを見ていて介入する気はないようだし、横島としては自身の異質な力や異空間アジトの存在をもっと危険視や警戒されるかと思ったのだがそっちはほぼ無反応な訳だし。