平和な日常~冬~
結局タマモが一番美味しいところを持っていった夕食が終わると、木乃香とのどかを除く学生組は寮に戻っていく。
二人はこの後パーティーのスイーツを考える為に、横島と一緒に共同参加の新堂の店に行く予定があるのだ。
「さて穂乃香よ、どうする?」
そして近右衛門と穂乃香の二人はこの後も予定があるからと鶴子に加え高畑と刀子にも付き合ってほしいと頼み一緒に帰ったが、近右衛門達は近衛邸に戻るとお酒を出して飲み始め少しだがリラックスした雰囲気になっていた。
「高畑君、実は私達は近いうちに木乃香に魔法の存在を教えようかと考えてるわ。 その上で貴方の率直な意見を聞きたいの」
このメンバーで一番緊張していたのは紛れもなく刀子だったが、彼女は昼間の話で何故自分が一緒に呼ばれたのか理解している。
そんな中で唯一事情を知らない高畑に対し、穂乃香は簡単に事情を説明して高畑の意見を求めた。
「……少し急ですね。 やはりアーウェルンクスですか?」
「ええ、仮に貴方の実力でも魔法を知らぬあの子達を守りながらアーウェルンクスと戦うのは不可能でしょう?」
高畑にとってそれは突然の話であり素直に驚くが理由は考えるまでもなく一つしかない。
穂乃香も近右衛門も高畑の実力を疑ってる訳ではないが、何も知らぬ木乃香達を守りながらフェイトと戦うのは流石に無理があると考えている。
第一フェイトがその気になれば高畑の隙をつくことなどたやすいことは考えなくてもわかるだろう。
「貴方なら命を賭けても守ると言うでしょうけど、私達も夫も貴方を失うことは望んでないわ。 夫や貴方には二十年前の歴史を未来に伝える義務があると思うの。 それが生き残った者の役割でしょう?」
自分では木乃香達をフェイトから守れないとはっきり言われた高畑は複雑な表情をみせるが、穂乃香は高畑が次に口にするだろう言葉を理解した上でそれは望んでないと告げた。
淡々と語る穂乃香はどこか母親のような厳しさと優しさを持って高畑に語りかけていく。
実際近右衛門は高畑を実の息子のように心配してるし、それは詠春や穂乃香も同じであった。
過去に縛られるように生きる高畑を心配していたのは詠春と穂乃香も同じなのだ。
「私ね、この際アスナちゃんにも魔法の存在を教えてはどうかと思うの。 それと横島君の協力も取り付けたいわ。 なんとなくだけど感じるの、再び歴史が動くような予感というか胸騒ぎをね」
昼間の刀子と同じくなかなか自分の意見を口にしない高畑に穂乃香は自分の考えを語り続けるが、そんな穂乃香から明日菜の名前が出ると驚きに変わる。
明日菜に対して魔法の存在を明かすかは高畑も散々悩んだことだった。
師であるガトウやナギのことを詳細は伏せた上で恩人として伝えたいと何度思ったか分からない。
それに木乃香に魔法の存在を明かすならば明日菜も一緒に明かした方が、万が一の際に守りやすくなることは高畑が一番理解している。
ただ穂乃香や近右衛門が悩んだように明日菜を裏側に引き込むことが本当に正しいのか、少し疑問も感じていた。
明日菜の平和な人生にどれだけの人の苦労があったかは十分理解しているが、だからこそこのままズルズルと再び明日菜を戦いの世界に巻き込むのではとの不安もある。
それは本当に苦渋の選択であり、近右衛門も穂乃香も高畑もどちらを選べばいいか迷いが消えないままだった。
二人はこの後パーティーのスイーツを考える為に、横島と一緒に共同参加の新堂の店に行く予定があるのだ。
「さて穂乃香よ、どうする?」
そして近右衛門と穂乃香の二人はこの後も予定があるからと鶴子に加え高畑と刀子にも付き合ってほしいと頼み一緒に帰ったが、近右衛門達は近衛邸に戻るとお酒を出して飲み始め少しだがリラックスした雰囲気になっていた。
「高畑君、実は私達は近いうちに木乃香に魔法の存在を教えようかと考えてるわ。 その上で貴方の率直な意見を聞きたいの」
このメンバーで一番緊張していたのは紛れもなく刀子だったが、彼女は昼間の話で何故自分が一緒に呼ばれたのか理解している。
そんな中で唯一事情を知らない高畑に対し、穂乃香は簡単に事情を説明して高畑の意見を求めた。
「……少し急ですね。 やはりアーウェルンクスですか?」
「ええ、仮に貴方の実力でも魔法を知らぬあの子達を守りながらアーウェルンクスと戦うのは不可能でしょう?」
高畑にとってそれは突然の話であり素直に驚くが理由は考えるまでもなく一つしかない。
穂乃香も近右衛門も高畑の実力を疑ってる訳ではないが、何も知らぬ木乃香達を守りながらフェイトと戦うのは流石に無理があると考えている。
第一フェイトがその気になれば高畑の隙をつくことなどたやすいことは考えなくてもわかるだろう。
「貴方なら命を賭けても守ると言うでしょうけど、私達も夫も貴方を失うことは望んでないわ。 夫や貴方には二十年前の歴史を未来に伝える義務があると思うの。 それが生き残った者の役割でしょう?」
自分では木乃香達をフェイトから守れないとはっきり言われた高畑は複雑な表情をみせるが、穂乃香は高畑が次に口にするだろう言葉を理解した上でそれは望んでないと告げた。
淡々と語る穂乃香はどこか母親のような厳しさと優しさを持って高畑に語りかけていく。
実際近右衛門は高畑を実の息子のように心配してるし、それは詠春や穂乃香も同じであった。
過去に縛られるように生きる高畑を心配していたのは詠春と穂乃香も同じなのだ。
「私ね、この際アスナちゃんにも魔法の存在を教えてはどうかと思うの。 それと横島君の協力も取り付けたいわ。 なんとなくだけど感じるの、再び歴史が動くような予感というか胸騒ぎをね」
昼間の刀子と同じくなかなか自分の意見を口にしない高畑に穂乃香は自分の考えを語り続けるが、そんな穂乃香から明日菜の名前が出ると驚きに変わる。
明日菜に対して魔法の存在を明かすかは高畑も散々悩んだことだった。
師であるガトウやナギのことを詳細は伏せた上で恩人として伝えたいと何度思ったか分からない。
それに木乃香に魔法の存在を明かすならば明日菜も一緒に明かした方が、万が一の際に守りやすくなることは高畑が一番理解している。
ただ穂乃香や近右衛門が悩んだように明日菜を裏側に引き込むことが本当に正しいのか、少し疑問も感じていた。
明日菜の平和な人生にどれだけの人の苦労があったかは十分理解しているが、だからこそこのままズルズルと再び明日菜を戦いの世界に巻き込むのではとの不安もある。
それは本当に苦渋の選択であり、近右衛門も穂乃香も高畑もどちらを選べばいいか迷いが消えないままだった。