平和な日常~冬~
「明日菜ちゃんは大丈夫だな。 問題はあっちか」
そんな訳で多少賑やかだがテスト勉強をする少女達に教えている横島は、明日菜の勉強の進み具合を見ていたが流石にもう赤点かと騒ぐ段階ではない。
もちろん不得意分野はあるし必ずしも成績がいい訳ではないが、すでにバカレンジャー組とはレベルが違っていた。
「気分的にはまだまだ不安なんですけどね」
一学期の中間テスト以降の努力が実を結んでる現状だが、明日菜は相変わらず赤点の不安があると口にする。
実際勉強時間が人より多く掛かってることは相変わらずであり、のどかや横島に教わってやっと現状の成績なのだ。
最近ではクラスで中堅をキープしてるが、よく一緒に勉強するのどかとの違いが際立つことも不安の一因なのだろう。
「勉強のやり方も慣れてきたみたいだし、このまま続ければ成績はまだ上がるだろうよ。 後は将来とか進路次第だろうけど、大学だって十分狙えるぞ」
成績が上がるに従って横島やのどかを頼る部分は少しずつ減っているが、それでも明日菜にとって横島の存在は大きかった。
小学生の頃から馬鹿だ馬鹿だと言われて来た明日菜にとって、成績アップは半ば諦めていたことだったのだから。
それを変えてくれた横島に対して、明日菜は精神的に頼りにしてる部分は意外と多い。
本人はあまり自覚してないが横島に大丈夫だと言われるとホッとするし、その言葉を求めてもいる。
「いや~、俺って意外と家庭教師に向いてるかな。 いっそ高校生の家庭教師のバイトでもしようか。 教え子とお母さん達にモテモテになったりして……」
「これがなきゃ本当素直に尊敬出来るのにね」
不安そうな明日菜に横島は笑顔で大丈夫だと太鼓判を押すが、止せばいいのにまた調子に乗ってしまうと妄言を呟いて明日菜に呆れられていた。
自分は女好きだがモテないと公言する横島らしい発言ではあるが、相変わらず横島の女絡みの発言は誰も信じてなく夢なんだろうなとしか受け取ってもらえない。
そもそも麻帆良での横島は金回りがよく面白い上に見た目も悪くないので結構モテるのだから、本当に女好きならば誰かに手を出すはずだというのが周りの見方である。
ただ大人の男性が好みの明日菜としては、もう少し大人らしくしてくれた方がいいという本音も実はあるが。
「親身になって教えるうちにいつしか家庭教師と生徒の関係が愛情に変わるかもしれんだろうが。 明日菜ちゃんもいつか……」
「なりません! そもそもそういう妄想は口に出さないで下さいよ」
まるで陳腐な使い古されたドラマか漫画のような展開を想像して楽しむ横島を、明日菜はバッサリと切り捨てて有り得ないと言い切る。
そんな横島と明日菜のやり取りを周りの少女達は素直に笑っており、最早恒例の夫婦漫才のようになていった。
基本的に暴走する横島を止めるのは明日菜と夕映の役割であり、油を注ぐ美砂達なんかと対立して横島をバッサリと切り捨ててるのが横島の店の名物になりつつある。
実際常連の少女達などは、横島が明日菜や夕映の突っ込みを待ってることをみんな理解していた。
横島の店では盛り上がって騒ぎになることがよくあるが、そんなカオスな店内を仕切って鎮静化するのがいつの間にか明日菜の役割になっていたのである。
「冷たいぞ。 こうなったら明日菜ちゃんの食事だけこっそりカロリー多くするからなっ!」
結局明日菜の突っ込みに満足したのか横島は意味不明な捨て台詞をはいて夕映達のテーブルに移動するが、真面目に勉強を教えているあやかなどは密かにため息をこぼしていた。
そんな訳で多少賑やかだがテスト勉強をする少女達に教えている横島は、明日菜の勉強の進み具合を見ていたが流石にもう赤点かと騒ぐ段階ではない。
もちろん不得意分野はあるし必ずしも成績がいい訳ではないが、すでにバカレンジャー組とはレベルが違っていた。
「気分的にはまだまだ不安なんですけどね」
一学期の中間テスト以降の努力が実を結んでる現状だが、明日菜は相変わらず赤点の不安があると口にする。
実際勉強時間が人より多く掛かってることは相変わらずであり、のどかや横島に教わってやっと現状の成績なのだ。
最近ではクラスで中堅をキープしてるが、よく一緒に勉強するのどかとの違いが際立つことも不安の一因なのだろう。
「勉強のやり方も慣れてきたみたいだし、このまま続ければ成績はまだ上がるだろうよ。 後は将来とか進路次第だろうけど、大学だって十分狙えるぞ」
成績が上がるに従って横島やのどかを頼る部分は少しずつ減っているが、それでも明日菜にとって横島の存在は大きかった。
小学生の頃から馬鹿だ馬鹿だと言われて来た明日菜にとって、成績アップは半ば諦めていたことだったのだから。
それを変えてくれた横島に対して、明日菜は精神的に頼りにしてる部分は意外と多い。
本人はあまり自覚してないが横島に大丈夫だと言われるとホッとするし、その言葉を求めてもいる。
「いや~、俺って意外と家庭教師に向いてるかな。 いっそ高校生の家庭教師のバイトでもしようか。 教え子とお母さん達にモテモテになったりして……」
「これがなきゃ本当素直に尊敬出来るのにね」
不安そうな明日菜に横島は笑顔で大丈夫だと太鼓判を押すが、止せばいいのにまた調子に乗ってしまうと妄言を呟いて明日菜に呆れられていた。
自分は女好きだがモテないと公言する横島らしい発言ではあるが、相変わらず横島の女絡みの発言は誰も信じてなく夢なんだろうなとしか受け取ってもらえない。
そもそも麻帆良での横島は金回りがよく面白い上に見た目も悪くないので結構モテるのだから、本当に女好きならば誰かに手を出すはずだというのが周りの見方である。
ただ大人の男性が好みの明日菜としては、もう少し大人らしくしてくれた方がいいという本音も実はあるが。
「親身になって教えるうちにいつしか家庭教師と生徒の関係が愛情に変わるかもしれんだろうが。 明日菜ちゃんもいつか……」
「なりません! そもそもそういう妄想は口に出さないで下さいよ」
まるで陳腐な使い古されたドラマか漫画のような展開を想像して楽しむ横島を、明日菜はバッサリと切り捨てて有り得ないと言い切る。
そんな横島と明日菜のやり取りを周りの少女達は素直に笑っており、最早恒例の夫婦漫才のようになていった。
基本的に暴走する横島を止めるのは明日菜と夕映の役割であり、油を注ぐ美砂達なんかと対立して横島をバッサリと切り捨ててるのが横島の店の名物になりつつある。
実際常連の少女達などは、横島が明日菜や夕映の突っ込みを待ってることをみんな理解していた。
横島の店では盛り上がって騒ぎになることがよくあるが、そんなカオスな店内を仕切って鎮静化するのがいつの間にか明日菜の役割になっていたのである。
「冷たいぞ。 こうなったら明日菜ちゃんの食事だけこっそりカロリー多くするからなっ!」
結局明日菜の突っ込みに満足したのか横島は意味不明な捨て台詞をはいて夕映達のテーブルに移動するが、真面目に勉強を教えているあやかなどは密かにため息をこぼしていた。