平和な日常~冬~
さて次の日になると横島達は夕方まで砂浜でゆっくりとした時間を過ごし、特に普段は忙しい日々が多い横島はタマモと遊ぶことに一日を費やしている。
横島としてはタマモがエヴァの別荘に来たがったら理由を、ここに来た時だけ横島がじっくりと遊んでやるからかと考えていたのだ。
一方のエヴァはそんな横島達を眺めたり本を読んだりしてはいるものの、今回は同じ砂浜で一緒にいる。
流石に一緒に泳いだり砂で遊んだりはしないが、タマモやさよが話しかけると相手をしてることから不快に思ってる訳ではないらしい。
「今日はまるで旅館の料理みたいになったな」
そしてこの日の夕食は予定通り横島が作ったが、魚を中心とした和食尽くしだった。
あっさり目のたら鍋に刺身や天ぷらなどを用意したが、特にエヴァに好評だったのは目の前で揚げる天ぷらである。
前回も松茸を天ぷらにしたが、やはり本格的な揚げたての天ぷらを食べる機会があまりないらしくご機嫌な様子だ。
茶々丸も決して料理が下手な訳ではないが、天ぷらは揚げる食材の状態によって微妙に揚げる温度や時間が変わるので、自身に味覚や嗅覚がなくレシピの微調整が出来ない茶々丸には苦手な料理らしい。
サクッとした衣に中身を絶妙な火の通り具合にするには、茶々丸の現状のセンサーでは不足なようなのだ。
ちなみに茶々丸は自分の料理の力量に納得してないらしく、料理の為に各センサーの高性能化を超鈴音に依頼して困らせていたが。
実は現状でも茶々丸のセンサーは高性能だが、熱感知などはともかく食材の微妙な状態を見ただけで判別するようなセンサーは当然搭載されてない。
ただ茶々丸としては本音は味覚や嗅覚が欲しいと思っており、それを主張しない辺り自重しているとも言えるのだが。
まあ魂の成長と共に自我や個性が出て来たのはいいが、何故か方向性が超や葉加瀬の考える戦闘系ではなく料理に特化したがってる茶々丸には二人も若干困惑しているようだった。
「またくるね!」
「ああ」
そして和やかな食事が終わると、タマモはまた次回の約束をエヴァとして帰ることになる。
「そうだ、何か困ってるならいつでも相談にのるぞ」
「貴様……」
「これでも占いは得意なんだよ。 当たるも八卦当たらぬも八卦ってな」
最後にタマモとの約束を一応肯定的に返したエヴァだったが、横島が帰り際に徐に口にした言葉に僅かに表情が変わった。
少し睨むようなエヴァに対しても横島は相変わらず軽い調子のままだが、占いが外れたらそれはそれでいいと告げて答えを聞かずに帰っていく。
「本当にお節介な連中だな」
横島の予期せぬ言葉に茶々丸やチャチャゼロは無言のまま横島達を見送ったが、横島達の姿が別荘から消えるとエヴァは呆れたように一言だけ言葉を漏らすように呟いた。
そのままエヴァは再び呪いの研究の為に書斎に戻るが、ほんの僅かだが最近は見られなかった覇気というかプライドが見えるエヴァにチャチャゼロと茶々丸は素直にホッとした表情を浮かべる。
そして書斎に戻ったエヴァはタマモが時折心配そうに自分を見ていたことに当然気付いている。
タマモ自身は隠そうとしていたようだが、やはり子供のタマモと数百年生きたエヴァでは隠しきれるものではない。
茶々丸かチャチャゼロがタマモに何か言ったのか、それともタマモが自力で気付いたのかはエヴァには分からなかったがそこを追求する気はなかった。
恐らくタマモは誰にも言わずに心配していたのだろうが、それに自分が気付いたのだから横島が気付いて当然なのも理解している。
結局は自分が周りから見て心配されるほど弱っていたことにエヴァは少しため息をはくと、気持ちを新たに前へと歩み出す。
それはタマモが考えた方法ではなかったが、確かにエヴァは現状より一歩進んでいた。
横島としてはタマモがエヴァの別荘に来たがったら理由を、ここに来た時だけ横島がじっくりと遊んでやるからかと考えていたのだ。
一方のエヴァはそんな横島達を眺めたり本を読んだりしてはいるものの、今回は同じ砂浜で一緒にいる。
流石に一緒に泳いだり砂で遊んだりはしないが、タマモやさよが話しかけると相手をしてることから不快に思ってる訳ではないらしい。
「今日はまるで旅館の料理みたいになったな」
そしてこの日の夕食は予定通り横島が作ったが、魚を中心とした和食尽くしだった。
あっさり目のたら鍋に刺身や天ぷらなどを用意したが、特にエヴァに好評だったのは目の前で揚げる天ぷらである。
前回も松茸を天ぷらにしたが、やはり本格的な揚げたての天ぷらを食べる機会があまりないらしくご機嫌な様子だ。
茶々丸も決して料理が下手な訳ではないが、天ぷらは揚げる食材の状態によって微妙に揚げる温度や時間が変わるので、自身に味覚や嗅覚がなくレシピの微調整が出来ない茶々丸には苦手な料理らしい。
サクッとした衣に中身を絶妙な火の通り具合にするには、茶々丸の現状のセンサーでは不足なようなのだ。
ちなみに茶々丸は自分の料理の力量に納得してないらしく、料理の為に各センサーの高性能化を超鈴音に依頼して困らせていたが。
実は現状でも茶々丸のセンサーは高性能だが、熱感知などはともかく食材の微妙な状態を見ただけで判別するようなセンサーは当然搭載されてない。
ただ茶々丸としては本音は味覚や嗅覚が欲しいと思っており、それを主張しない辺り自重しているとも言えるのだが。
まあ魂の成長と共に自我や個性が出て来たのはいいが、何故か方向性が超や葉加瀬の考える戦闘系ではなく料理に特化したがってる茶々丸には二人も若干困惑しているようだった。
「またくるね!」
「ああ」
そして和やかな食事が終わると、タマモはまた次回の約束をエヴァとして帰ることになる。
「そうだ、何か困ってるならいつでも相談にのるぞ」
「貴様……」
「これでも占いは得意なんだよ。 当たるも八卦当たらぬも八卦ってな」
最後にタマモとの約束を一応肯定的に返したエヴァだったが、横島が帰り際に徐に口にした言葉に僅かに表情が変わった。
少し睨むようなエヴァに対しても横島は相変わらず軽い調子のままだが、占いが外れたらそれはそれでいいと告げて答えを聞かずに帰っていく。
「本当にお節介な連中だな」
横島の予期せぬ言葉に茶々丸やチャチャゼロは無言のまま横島達を見送ったが、横島達の姿が別荘から消えるとエヴァは呆れたように一言だけ言葉を漏らすように呟いた。
そのままエヴァは再び呪いの研究の為に書斎に戻るが、ほんの僅かだが最近は見られなかった覇気というかプライドが見えるエヴァにチャチャゼロと茶々丸は素直にホッとした表情を浮かべる。
そして書斎に戻ったエヴァはタマモが時折心配そうに自分を見ていたことに当然気付いている。
タマモ自身は隠そうとしていたようだが、やはり子供のタマモと数百年生きたエヴァでは隠しきれるものではない。
茶々丸かチャチャゼロがタマモに何か言ったのか、それともタマモが自力で気付いたのかはエヴァには分からなかったがそこを追求する気はなかった。
恐らくタマモは誰にも言わずに心配していたのだろうが、それに自分が気付いたのだから横島が気付いて当然なのも理解している。
結局は自分が周りから見て心配されるほど弱っていたことにエヴァは少しため息をはくと、気持ちを新たに前へと歩み出す。
それはタマモが考えた方法ではなかったが、確かにエヴァは現状より一歩進んでいた。