平和な日常~秋~3
その後も三人は和気あいあいと掃除を手始めに開店準備を進めていくが、他には麻帆良カレーのポスターやステッカーも出来上がっているのでそれらも貼る必要があった。
ポスターには麻帆良カレーの公式認定店として近日オープンと書かれており、公式な宣伝グッズは他にものぼり旗なんかが当日までに用意される予定だ。
店自体は普通の食堂そのものであり、実は改装や模様替えも検討したが中途半端に何かするよりはそのままの方が味があっていいかと考えたので手を加える予定はない。
ただ壁紙や壁に貼られてるメニューなんかはすっかり日焼けしているので、こちらも丁寧に拭いていたが。
一方伸二の修業の方は麻帆良カレーのアレンジ以外は一応ほぼ終了しており、残るはアレンジと調理時間短縮や覚えた技術をいかに使いこなすかが焦点になっていた。
ただカレーのアレンジは正直あまり上手く行ってなく、具材を大きめに使いたいとしか考えられてない。
この件に関しては言えば伸二にはまだ荷が重いとも言えるが、横島が必要以上に手を貸すと横島の味になってしまうので自重している。
後は調理するスピードと複数の料理を同時平行して作る練習を重ねているが、実はこれが一番難関であった。
現在の伸二の実力をきちんと出せればそれなりの料理が作れるようにはなったが、問題は常に同じレベルの料理を出せるかと調理にかかる時間にある。
例えば企業の昼休みはなんかは一時間しかないので、移動なんかを考えるとメニューを頼んでから長々と作っていたのでは間に合わない。
実際にはお昼の時間などはメニューによっては混雑する前にある程度調理しておくことが必要だが、伸二はその手のノウハウも当然ないのだ。
従って現在は混雑する時間を想定して複数のメニューを同時に調理したり、事前に調理するメニューを中心に教えていた。
ただ今まで一品一品丁寧に作っていた伸二にはこれが一番の難関であり、複数の料理を同時に調理すると集中出来ないことでなかなか味が安定しないのが問題になっている。
落ち着いて調理すればいいのは伸二本人も分かっているが、同時に調理するにはどのタイミングで何をするかなど覚える必要があるし何より慣れが必要だった。
実のところ複数の種類が違う料理を同時に調理することは木乃香ですらまだ経験がない。
横島は時々木乃香に店を任せて外出することがあるが、木乃香には基本的に一種類ずつ作るように教えていた。
パフェなどの同系統のメニューは違うメニューを同時に作ることがあるが、特に火を使う料理に関しては無理に同時に調理をするのではなく一品一品作るように教えている。
これに関しては横島が木乃香に店を任せる時間がランチタイム以外なこともあり、さほど慌てて調理する必要がないとの現実もあるが。
元々が喫茶店な横島の店はさほど急ぎの客が来ないこともなく、反対に伸二の店は食堂なので調理時間が早い方がいいとの客層の違いは大きい。
実際麻帆良祭で素人に近い2-Aの少女達にプロ並の料理を作らせることに成功した横島だが、あれも実は作業の分担と一品ずつ調理することで成し遂げた成果であり現実的に同時に調理出来るのは超と五月くらいだろう。
そんな訳で伸二はこの一ヶ月の修業の総仕上げとして最大の難関に差し掛かっていた。
ポスターには麻帆良カレーの公式認定店として近日オープンと書かれており、公式な宣伝グッズは他にものぼり旗なんかが当日までに用意される予定だ。
店自体は普通の食堂そのものであり、実は改装や模様替えも検討したが中途半端に何かするよりはそのままの方が味があっていいかと考えたので手を加える予定はない。
ただ壁紙や壁に貼られてるメニューなんかはすっかり日焼けしているので、こちらも丁寧に拭いていたが。
一方伸二の修業の方は麻帆良カレーのアレンジ以外は一応ほぼ終了しており、残るはアレンジと調理時間短縮や覚えた技術をいかに使いこなすかが焦点になっていた。
ただカレーのアレンジは正直あまり上手く行ってなく、具材を大きめに使いたいとしか考えられてない。
この件に関しては言えば伸二にはまだ荷が重いとも言えるが、横島が必要以上に手を貸すと横島の味になってしまうので自重している。
後は調理するスピードと複数の料理を同時平行して作る練習を重ねているが、実はこれが一番難関であった。
現在の伸二の実力をきちんと出せればそれなりの料理が作れるようにはなったが、問題は常に同じレベルの料理を出せるかと調理にかかる時間にある。
例えば企業の昼休みはなんかは一時間しかないので、移動なんかを考えるとメニューを頼んでから長々と作っていたのでは間に合わない。
実際にはお昼の時間などはメニューによっては混雑する前にある程度調理しておくことが必要だが、伸二はその手のノウハウも当然ないのだ。
従って現在は混雑する時間を想定して複数のメニューを同時に調理したり、事前に調理するメニューを中心に教えていた。
ただ今まで一品一品丁寧に作っていた伸二にはこれが一番の難関であり、複数の料理を同時に調理すると集中出来ないことでなかなか味が安定しないのが問題になっている。
落ち着いて調理すればいいのは伸二本人も分かっているが、同時に調理するにはどのタイミングで何をするかなど覚える必要があるし何より慣れが必要だった。
実のところ複数の種類が違う料理を同時に調理することは木乃香ですらまだ経験がない。
横島は時々木乃香に店を任せて外出することがあるが、木乃香には基本的に一種類ずつ作るように教えていた。
パフェなどの同系統のメニューは違うメニューを同時に作ることがあるが、特に火を使う料理に関しては無理に同時に調理をするのではなく一品一品作るように教えている。
これに関しては横島が木乃香に店を任せる時間がランチタイム以外なこともあり、さほど慌てて調理する必要がないとの現実もあるが。
元々が喫茶店な横島の店はさほど急ぎの客が来ないこともなく、反対に伸二の店は食堂なので調理時間が早い方がいいとの客層の違いは大きい。
実際麻帆良祭で素人に近い2-Aの少女達にプロ並の料理を作らせることに成功した横島だが、あれも実は作業の分担と一品ずつ調理することで成し遂げた成果であり現実的に同時に調理出来るのは超と五月くらいだろう。
そんな訳で伸二はこの一ヶ月の修業の総仕上げとして最大の難関に差し掛かっていた。