平和な日常~秋~3
それから数日過ぎた早朝、横島は庭に出ていた。
夏場は日の出と共に活動していた横島達だが、季節が過ぎ行くに従って日の出が遅くなったので横島達の生活も微妙に変化しているのだ。
以前は最初に庭に出て畑な花壇の水やりや草むしりをしていたが、最近は店の仕込みを先にして日の出となった頃に一旦仕込みを中断して庭に出ている。
「そろそろ収穫してみっか」
さてこの日の横島はタマモとさよと一緒に夏野菜の後に植えた大根の収穫をしようとしていた。
庭の一角には白い大根が元気に育っているが、若干小振りな物が多い。
基本的に農業は素人な横島は、専門のハニワ兵にアドバイスをもらいつつ育てていたが若干失敗したようである。
そもそも農業は簡単ではないし、肥料や農薬の使い方次第で変わってしまう。
農薬に関しては現在の秋冬野菜から出来るだけ自然のままに育てたいと、天然の物を使った自然農薬を試しているが想像以上に難しかった。
「寒いね」
「うん、さむい」
一方横島が収穫の準備をする中、さよとタマモはいつもに増して寒い朝を少し珍しそうにしている。
この日は今月最低の気温らしくヒンヤリとした空気がより冷たく感じるが、夏に実体化するまでは寒さを感じなかったさよと始めての冬を迎えるタマモは寒さ自体が珍しいらしく楽しそうに庭を散歩していた。
二人とも風邪を引かないようにと暖かい上着を着てはいるが、手や顔が冷たいらしく何故か笑って寒い寒いと連呼している。
「ゆきふるかな!」
「う~ん、まだ降らないかな。 麻帆良は滅多に雪が降らないから」
晩秋の寒さすら新鮮で楽しそうな二人だが、最近の話題は雪がいつ降るかだった。
どうやらタマモが冬には雪が降るとで知ったらしく、雪がどんな物か見てみたいと言っているのだ。
ただ麻帆良では基本的に雪は降らないし降っても積もらないので、さよや木乃香達は少し困ったように雪があんまり降らない街なんだと教えている。
それでも年に何度かはパラパラと少しは降ることがあると聞くと、タマモは楽しみで仕方ないようだった。
「……あれ?」
そんな二人も大根の収穫を始めると以前の芋掘りを思い出しワクワクとした表情で大根を抜くが、タマモは力いっぱい抜いた大根がよく見る大根の半分くらいの長さしかないことを見ると不思議そうに大根を抜いた穴を見つめる。
どうも足りない長さの分が芋のように地面に埋まってると勘違いしたらしい。
「そいつは育てるの失敗したからその大きさなんだよ」
埋まってる大根を掘ろうと小さな園芸用のシャベルで土を掘り始めるタマモに、横島は思わず笑ってしまいながら大根はさつまいもと違うと教えていく。
「おおきくなれなかったの? おみずちゃんとあげたのに」
「小さくても味はきっと美味しいぞ」
そのまま大きく育たなかったと聞いたタマモはちゃんと水をあげたのにと不思議そうだが、小さくても美味しいと聞くと次は大きい大根を育てようと張り切って笑顔を見せる。
どこまでも明るくポジティブなタマモはこの後やって来た茶々丸も巻き込んで大根の収穫を楽しむことになった。
夏場は日の出と共に活動していた横島達だが、季節が過ぎ行くに従って日の出が遅くなったので横島達の生活も微妙に変化しているのだ。
以前は最初に庭に出て畑な花壇の水やりや草むしりをしていたが、最近は店の仕込みを先にして日の出となった頃に一旦仕込みを中断して庭に出ている。
「そろそろ収穫してみっか」
さてこの日の横島はタマモとさよと一緒に夏野菜の後に植えた大根の収穫をしようとしていた。
庭の一角には白い大根が元気に育っているが、若干小振りな物が多い。
基本的に農業は素人な横島は、専門のハニワ兵にアドバイスをもらいつつ育てていたが若干失敗したようである。
そもそも農業は簡単ではないし、肥料や農薬の使い方次第で変わってしまう。
農薬に関しては現在の秋冬野菜から出来るだけ自然のままに育てたいと、天然の物を使った自然農薬を試しているが想像以上に難しかった。
「寒いね」
「うん、さむい」
一方横島が収穫の準備をする中、さよとタマモはいつもに増して寒い朝を少し珍しそうにしている。
この日は今月最低の気温らしくヒンヤリとした空気がより冷たく感じるが、夏に実体化するまでは寒さを感じなかったさよと始めての冬を迎えるタマモは寒さ自体が珍しいらしく楽しそうに庭を散歩していた。
二人とも風邪を引かないようにと暖かい上着を着てはいるが、手や顔が冷たいらしく何故か笑って寒い寒いと連呼している。
「ゆきふるかな!」
「う~ん、まだ降らないかな。 麻帆良は滅多に雪が降らないから」
晩秋の寒さすら新鮮で楽しそうな二人だが、最近の話題は雪がいつ降るかだった。
どうやらタマモが冬には雪が降るとで知ったらしく、雪がどんな物か見てみたいと言っているのだ。
ただ麻帆良では基本的に雪は降らないし降っても積もらないので、さよや木乃香達は少し困ったように雪があんまり降らない街なんだと教えている。
それでも年に何度かはパラパラと少しは降ることがあると聞くと、タマモは楽しみで仕方ないようだった。
「……あれ?」
そんな二人も大根の収穫を始めると以前の芋掘りを思い出しワクワクとした表情で大根を抜くが、タマモは力いっぱい抜いた大根がよく見る大根の半分くらいの長さしかないことを見ると不思議そうに大根を抜いた穴を見つめる。
どうも足りない長さの分が芋のように地面に埋まってると勘違いしたらしい。
「そいつは育てるの失敗したからその大きさなんだよ」
埋まってる大根を掘ろうと小さな園芸用のシャベルで土を掘り始めるタマモに、横島は思わず笑ってしまいながら大根はさつまいもと違うと教えていく。
「おおきくなれなかったの? おみずちゃんとあげたのに」
「小さくても味はきっと美味しいぞ」
そのまま大きく育たなかったと聞いたタマモはちゃんと水をあげたのにと不思議そうだが、小さくても美味しいと聞くと次は大きい大根を育てようと張り切って笑顔を見せる。
どこまでも明るくポジティブなタマモはこの後やって来た茶々丸も巻き込んで大根の収穫を楽しむことになった。