平和な日常~秋~2
午後に入ると横島の店にも報道部の取材クルーが来ていた。
新堂の時と同じけ料理大会関連の番組の取材らしい。
この日は店内外の混雑ぶりや厨房の様子を撮影していたのだが……。
「売れないってどう言うことだよ!」
そんな撮影が終わって報道部の人が帰ろうとした時、突然一人の客が大声で怒鳴り始めた。
「料理大会出品スイーツは、本日はお一人様五個まででお願いしてるです。 多くの皆さんが求めてるのでご理解下さい」
客の八割が女性の店内に響いたのは、若い男の怒鳴り声だった。
夕映はそんな客に淡々と説明して頭を下げるが、相手は納得しない。
「そんな話聞いてねえぞ!」
実はこの怒鳴ってる男は一人で二十個ほど買いたいと言い出し、個数制限があるからと告げると逆ギレしていたのだ。
個数制限があるなら並ぶ前に言えと怒鳴るが、実際今日は店の入口には個数制限のお願いを書いているし美砂達が定期的に説明にも行っている。
店内の客や男の後ろに並ぶ客は呆れたような表情を見せてるが、どうやら男はごねれば売るだろうと考えてるらしい。
「お客さん、ルールを守れないなら帰って下さい。 出入り禁止にしますから」
一人の男のせいで楽しげな笑い声が聞こえていた店内は静まり返る。
そんな男に対し久しぶりに厨房から出て来た横島は、めんどくさくさそうな表情で前置きもなく帰れと言い追い出そうとしていた。
「なんだと! こっちは客だぞ!!」
「みんなルールを守ってるんだからさ。 いい年した大人が騒ぐなよ。 数がほしけりゃ友達でも連れて来いよ」
呆れたようなめんどくさそうな横島に男は顔を真っ赤にして怒りを倍増してしまい、今にも横島に殴りかかりそうな勢いだった。
横島も横島で相手を宥めるつもりはなく、ルールを守れないなら客じゃないと言いたげな感じである。
「この野郎!!」
めんどくさそうな表情で正論を言われた男には、最早怒りに任せてキレるしかなかったようだ。
横島もわざわざ目の前の馬鹿な男の機嫌を取る気はないらしい。
中途半端な対応で付け上がっても困る訳だし。
「兄さん、暴力はよくないぞ」
そのまま横島を殴ろうとした男を捕まえたのは、なんと豪徳寺と格闘仲間のメンバーだった。
どうやら彼らは店内で木乃香のスイーツを食べていたらしく、騒ぎを起こした男を止めに入ったらしい。
「なんだお前は! 今時リーゼントなんてどこの田舎者だよ!!」
男は豪徳寺に肩を捕まれ怒りの矛先を豪徳寺に向けて睨みつけるが、豪徳寺がそんなもので怯むはずはなかった。
「お客さん、喧嘩売るなら相手見た方がいいぞ。 その人昨日の大武道大会で準優勝した人だよ」
豪徳寺を睨みつけ挑発するように馬鹿にする男だが、冷めた表情の横島が豪徳寺の正体というか実力を明かすと男は豪徳寺と周りの格闘仲間を見て顔色を真っ青にする。
「どうしてもやるなら相手になるぞ。 やる気がないならさっさと買って帰れ」
最終的に男は豪徳寺達から逃げるように店を出て行くが、今度は豪徳寺達が偶然居合わせた報道部のクルーに囲まれることになった。
その結果翌日の麻帆良スポーツでは、豪徳寺達が悪質なクレーマーから喫茶店を守ったと一面にデカデカと掲載されることになる。
特に豪徳寺は前日の格闘大会で準優勝したこともあり、麻帆良の番長とあだ名がつき麻帆良の有名人の仲間入りをする運命だった。
新堂の時と同じけ料理大会関連の番組の取材らしい。
この日は店内外の混雑ぶりや厨房の様子を撮影していたのだが……。
「売れないってどう言うことだよ!」
そんな撮影が終わって報道部の人が帰ろうとした時、突然一人の客が大声で怒鳴り始めた。
「料理大会出品スイーツは、本日はお一人様五個まででお願いしてるです。 多くの皆さんが求めてるのでご理解下さい」
客の八割が女性の店内に響いたのは、若い男の怒鳴り声だった。
夕映はそんな客に淡々と説明して頭を下げるが、相手は納得しない。
「そんな話聞いてねえぞ!」
実はこの怒鳴ってる男は一人で二十個ほど買いたいと言い出し、個数制限があるからと告げると逆ギレしていたのだ。
個数制限があるなら並ぶ前に言えと怒鳴るが、実際今日は店の入口には個数制限のお願いを書いているし美砂達が定期的に説明にも行っている。
店内の客や男の後ろに並ぶ客は呆れたような表情を見せてるが、どうやら男はごねれば売るだろうと考えてるらしい。
「お客さん、ルールを守れないなら帰って下さい。 出入り禁止にしますから」
一人の男のせいで楽しげな笑い声が聞こえていた店内は静まり返る。
そんな男に対し久しぶりに厨房から出て来た横島は、めんどくさくさそうな表情で前置きもなく帰れと言い追い出そうとしていた。
「なんだと! こっちは客だぞ!!」
「みんなルールを守ってるんだからさ。 いい年した大人が騒ぐなよ。 数がほしけりゃ友達でも連れて来いよ」
呆れたようなめんどくさそうな横島に男は顔を真っ赤にして怒りを倍増してしまい、今にも横島に殴りかかりそうな勢いだった。
横島も横島で相手を宥めるつもりはなく、ルールを守れないなら客じゃないと言いたげな感じである。
「この野郎!!」
めんどくさそうな表情で正論を言われた男には、最早怒りに任せてキレるしかなかったようだ。
横島もわざわざ目の前の馬鹿な男の機嫌を取る気はないらしい。
中途半端な対応で付け上がっても困る訳だし。
「兄さん、暴力はよくないぞ」
そのまま横島を殴ろうとした男を捕まえたのは、なんと豪徳寺と格闘仲間のメンバーだった。
どうやら彼らは店内で木乃香のスイーツを食べていたらしく、騒ぎを起こした男を止めに入ったらしい。
「なんだお前は! 今時リーゼントなんてどこの田舎者だよ!!」
男は豪徳寺に肩を捕まれ怒りの矛先を豪徳寺に向けて睨みつけるが、豪徳寺がそんなもので怯むはずはなかった。
「お客さん、喧嘩売るなら相手見た方がいいぞ。 その人昨日の大武道大会で準優勝した人だよ」
豪徳寺を睨みつけ挑発するように馬鹿にする男だが、冷めた表情の横島が豪徳寺の正体というか実力を明かすと男は豪徳寺と周りの格闘仲間を見て顔色を真っ青にする。
「どうしてもやるなら相手になるぞ。 やる気がないならさっさと買って帰れ」
最終的に男は豪徳寺達から逃げるように店を出て行くが、今度は豪徳寺達が偶然居合わせた報道部のクルーに囲まれることになった。
その結果翌日の麻帆良スポーツでは、豪徳寺達が悪質なクレーマーから喫茶店を守ったと一面にデカデカと掲載されることになる。
特に豪徳寺は前日の格闘大会で準優勝したこともあり、麻帆良の番長とあだ名がつき麻帆良の有名人の仲間入りをする運命だった。