平和な日常~春~
《ゴールデンウイーク》
それは国民的な連休であり、麻帆良でもそれは変わらない
生徒達は部活やサークル活動に旅行などをそれぞれに楽しむのだが、無論連休など縁が無く働く者も居る
そして横島は連休が始まる前夜、再び図書館探検部の活動として図書館島の地下を訪れていた
「これはどこの言葉でしょうか?」
例によって宙吊りの状態で蔵書のチェックを続けていた夕映だったが、一冊の題名の書かれてない古い本が見つかり作業が止まっていた
中を確認するべく開いてみるが、残念な事に夕映は外国語が全く読めない
「英語じゃないみたい」
「そやな、何の本やろ。 随分古いみたいだけど……」
見つかった不思議な本にのどかと木乃香も作業を止めて確認するが、二人もまた英語じゃないくらいしか分からなかった
「どれ貸してみろ」
せめて何の本か解読しない事にはダメな事から四人はなんとか題名だけでも解読しようとするが、そんな時本棚の上で暇そうにしていた横島が本を持つ夕映ごと上に引っ張り上げていく
「分かるのですか?」
「さらっとなら多分分かると思う。 あちこち旅行したからな」
横島が図書館探検に加入して今日で4回目の探検だったが、あまり本に興味を示さない横島が突然誰も読めない本を手に取りページをめくっていく姿に、夕映は若干驚きを感じて見ている
「これラテン語だぞ。 かなり古い時代のカトリックの神父が書いた日記だな。 修道院の生活がどうのこうの書いてるわ」
本をぺらぺらと流し読みした横島は軽く内容を説明するが、夕映や木乃香達は本の内容よりも横島がラテン語を読めた事に驚きポカーンとしていた
「頭もよかったのですね」
「まあ、人並み程度にはな。 ほれ、んじゃ降ろすぞ」
ポカーンとする夕映に横島は本を返して再び元の位置に降ろしていくが、夕映は予想以上に図書館探検部にピッタリな横島に改めて驚いて考え込んでいく
(一体どういう人生を送って来たのでしょうか? そういえば横島さんは少し前から外車に乗ってますよね。 知人の車だと言ってますが、外車を簡単に貸してくれるだけの資産家の友人なんでしょうか? という事は噂通り横島さんの実家も資産家……?)
失礼な話だが夕映は横島に学力があるとは全く思ってなかった
まあ高校卒業程度の学力はあると思っていたが、ラテン語を読めるような学力があるとは思えなかったのである
加えていつの間にか横島がコブラを乗っている事も、少し前に2ーAのクラスで話題になっていたのだ
東京で会った桜子達から噂が広がり、一階のガレージにある車がコブラだと誰かが気付いてからは実は横島の実家は金持ちの資産家ではないかと噂が広がっていた
夕映は横島を良く知るだけにそんな噂に半信半疑だったが、学力まであるとなると資産家説が真実味を増して来るのは仕方ないだろう
「とりあえず作業を続けましょうか。 この本は貴重かもしれないので持ち帰って報告しましょう。 もしかすれば発表会に提出出来る本かもしれないです」
横島の事を一体置いておいた夕映は、発見した本が貴重な本かもしれない事から持ち帰り図書館探検部のメンバーに見せて確認する事にした
もしかすれば発表会に提出出来る本かもしれない事から、木乃香やのどかやハルナも嬉しそうに喜び騒いでいく
それは国民的な連休であり、麻帆良でもそれは変わらない
生徒達は部活やサークル活動に旅行などをそれぞれに楽しむのだが、無論連休など縁が無く働く者も居る
そして横島は連休が始まる前夜、再び図書館探検部の活動として図書館島の地下を訪れていた
「これはどこの言葉でしょうか?」
例によって宙吊りの状態で蔵書のチェックを続けていた夕映だったが、一冊の題名の書かれてない古い本が見つかり作業が止まっていた
中を確認するべく開いてみるが、残念な事に夕映は外国語が全く読めない
「英語じゃないみたい」
「そやな、何の本やろ。 随分古いみたいだけど……」
見つかった不思議な本にのどかと木乃香も作業を止めて確認するが、二人もまた英語じゃないくらいしか分からなかった
「どれ貸してみろ」
せめて何の本か解読しない事にはダメな事から四人はなんとか題名だけでも解読しようとするが、そんな時本棚の上で暇そうにしていた横島が本を持つ夕映ごと上に引っ張り上げていく
「分かるのですか?」
「さらっとなら多分分かると思う。 あちこち旅行したからな」
横島が図書館探検に加入して今日で4回目の探検だったが、あまり本に興味を示さない横島が突然誰も読めない本を手に取りページをめくっていく姿に、夕映は若干驚きを感じて見ている
「これラテン語だぞ。 かなり古い時代のカトリックの神父が書いた日記だな。 修道院の生活がどうのこうの書いてるわ」
本をぺらぺらと流し読みした横島は軽く内容を説明するが、夕映や木乃香達は本の内容よりも横島がラテン語を読めた事に驚きポカーンとしていた
「頭もよかったのですね」
「まあ、人並み程度にはな。 ほれ、んじゃ降ろすぞ」
ポカーンとする夕映に横島は本を返して再び元の位置に降ろしていくが、夕映は予想以上に図書館探検部にピッタリな横島に改めて驚いて考え込んでいく
(一体どういう人生を送って来たのでしょうか? そういえば横島さんは少し前から外車に乗ってますよね。 知人の車だと言ってますが、外車を簡単に貸してくれるだけの資産家の友人なんでしょうか? という事は噂通り横島さんの実家も資産家……?)
失礼な話だが夕映は横島に学力があるとは全く思ってなかった
まあ高校卒業程度の学力はあると思っていたが、ラテン語を読めるような学力があるとは思えなかったのである
加えていつの間にか横島がコブラを乗っている事も、少し前に2ーAのクラスで話題になっていたのだ
東京で会った桜子達から噂が広がり、一階のガレージにある車がコブラだと誰かが気付いてからは実は横島の実家は金持ちの資産家ではないかと噂が広がっていた
夕映は横島を良く知るだけにそんな噂に半信半疑だったが、学力まであるとなると資産家説が真実味を増して来るのは仕方ないだろう
「とりあえず作業を続けましょうか。 この本は貴重かもしれないので持ち帰って報告しましょう。 もしかすれば発表会に提出出来る本かもしれないです」
横島の事を一体置いておいた夕映は、発見した本が貴重な本かもしれない事から持ち帰り図書館探検部のメンバーに見せて確認する事にした
もしかすれば発表会に提出出来る本かもしれない事から、木乃香やのどかやハルナも嬉しそうに喜び騒いでいく