平和な日常~春~
四月も下旬に差し掛かると麻帆良の街は木々の緑が鮮やかな春の季節になる
マホラカフェはようやく開店して一ヶ月が過ぎようとしていたが、客の入りは相変わらずぼちぼちだった
近所の人や麻帆良学園の関係者なども徐々に増えているが、その分春休みが終わり学生が減ったためあまり人数的に変化がないのだ
「うむ……、家庭菜園って難しいんだな」
さてこの日も早朝から日課の庭の手入れをしていた横島だったが、それは予想以上に苦労していた
自身と受け継いだ者達の知識や技術でいろいろやって来た横島だったが、本格的な農業の知識や経験など誰も持ってない
魔法を使い植物を育てる技術などはあるのだが、普通に植物を育てる技術や知識は一般的な物しかなく予想以上に苦労している
少し前から土偶羅に植物を育てる方法を情報として纏めてもらい、それを頭に入れて庭の世話をしているが実際にやると微妙に違いがありそれほど簡単ではない
土の管理から水の量など、想像よりずっと大変だった
「さて次はお前らの寝床を作ってやらんとな」
朝の手入れが終わると、横島は庭のあちこちで自由にくつろぐ野良猫達の寝床を作るつもりらしい
いろんな猫がたまに来ては夜も眠っていたりする庭だったが、ここの庭には雨宿りする場所がない為に雨が降ると猫達はどこか雨宿りする場所を探さなければならなかった
結果横島は庭の端の方に、猫が雨宿りする場所を作るつもりである
異空間アジトから転送して貰った木材を庭に運んだ横島は、おおよその長さを決めると計りもせずに次々にのこぎりで切っていく
「お嬢さん、猫が見たいんなら庭に入ってもいいぞ。 わざわざ隠れて見んでも声かければいいだろうに……」
そのまま順調に猫ハウスを作っていた横島だったが、先程から隠れて庭の猫達を見つめる茶々丸が居ることに気付いていた
最初横島は自分を監視でもしに来たのかと思ったが、茶々丸は横島には興味がないようでずっと猫達だけを見ている
しばらく様子を見たのだが一向に声をかけて来る気配がないことから、横島から声をかけていたのだ
「いえ、私は別にそんな……」
突然横島に声をかけられた茶々丸は、あからさまに慌てた表情でオロオロする
突破的な事態にはイマイチどうしていいか分からないようであった
「外から塀にぶら下がって見るのは怪しいぞ。 見たいんなら中で見てくれ」
戸惑いオロオロする茶々丸を横島は半ば強引に庭に連れていく
実は横島は茶々丸が猫好きで、野良猫にエサを上げてるのを知っていたのだ
麻帆良の街で野良猫にエサを上げてる人は何人か居るが、茶々丸は特に優しいと野良猫達の間では有名人だった
横島は家に遊びに来る野良猫達から茶々丸の話を聞いていたのである
「にゃ~」
戸惑うように庭に入った茶々丸だったが、姿に気付いた猫達が集まりさっそく囲まれていた
懐くように集まる猫達に茶々丸はようやく落ち着いたのか、嬉しそうに猫達の相手をしていく
「猫達と会いたかったら、いつでも自由に入っていいからな」
嬉しそうに猫と戯れる茶々丸に一言声をかけた横島は、再び猫ハウスを造りに戻っていった
「あの……、ありがとうございます」
茶々丸は不思議そうに首を傾げながらもペこりと頭を下げる
何か不思議な人だと感じた茶々丸だったが、彼女はそれ以上尋ねるべきではないと考えたようだった
マホラカフェはようやく開店して一ヶ月が過ぎようとしていたが、客の入りは相変わらずぼちぼちだった
近所の人や麻帆良学園の関係者なども徐々に増えているが、その分春休みが終わり学生が減ったためあまり人数的に変化がないのだ
「うむ……、家庭菜園って難しいんだな」
さてこの日も早朝から日課の庭の手入れをしていた横島だったが、それは予想以上に苦労していた
自身と受け継いだ者達の知識や技術でいろいろやって来た横島だったが、本格的な農業の知識や経験など誰も持ってない
魔法を使い植物を育てる技術などはあるのだが、普通に植物を育てる技術や知識は一般的な物しかなく予想以上に苦労している
少し前から土偶羅に植物を育てる方法を情報として纏めてもらい、それを頭に入れて庭の世話をしているが実際にやると微妙に違いがありそれほど簡単ではない
土の管理から水の量など、想像よりずっと大変だった
「さて次はお前らの寝床を作ってやらんとな」
朝の手入れが終わると、横島は庭のあちこちで自由にくつろぐ野良猫達の寝床を作るつもりらしい
いろんな猫がたまに来ては夜も眠っていたりする庭だったが、ここの庭には雨宿りする場所がない為に雨が降ると猫達はどこか雨宿りする場所を探さなければならなかった
結果横島は庭の端の方に、猫が雨宿りする場所を作るつもりである
異空間アジトから転送して貰った木材を庭に運んだ横島は、おおよその長さを決めると計りもせずに次々にのこぎりで切っていく
「お嬢さん、猫が見たいんなら庭に入ってもいいぞ。 わざわざ隠れて見んでも声かければいいだろうに……」
そのまま順調に猫ハウスを作っていた横島だったが、先程から隠れて庭の猫達を見つめる茶々丸が居ることに気付いていた
最初横島は自分を監視でもしに来たのかと思ったが、茶々丸は横島には興味がないようでずっと猫達だけを見ている
しばらく様子を見たのだが一向に声をかけて来る気配がないことから、横島から声をかけていたのだ
「いえ、私は別にそんな……」
突然横島に声をかけられた茶々丸は、あからさまに慌てた表情でオロオロする
突破的な事態にはイマイチどうしていいか分からないようであった
「外から塀にぶら下がって見るのは怪しいぞ。 見たいんなら中で見てくれ」
戸惑いオロオロする茶々丸を横島は半ば強引に庭に連れていく
実は横島は茶々丸が猫好きで、野良猫にエサを上げてるのを知っていたのだ
麻帆良の街で野良猫にエサを上げてる人は何人か居るが、茶々丸は特に優しいと野良猫達の間では有名人だった
横島は家に遊びに来る野良猫達から茶々丸の話を聞いていたのである
「にゃ~」
戸惑うように庭に入った茶々丸だったが、姿に気付いた猫達が集まりさっそく囲まれていた
懐くように集まる猫達に茶々丸はようやく落ち着いたのか、嬉しそうに猫達の相手をしていく
「猫達と会いたかったら、いつでも自由に入っていいからな」
嬉しそうに猫と戯れる茶々丸に一言声をかけた横島は、再び猫ハウスを造りに戻っていった
「あの……、ありがとうございます」
茶々丸は不思議そうに首を傾げながらもペこりと頭を下げる
何か不思議な人だと感じた茶々丸だったが、彼女はそれ以上尋ねるべきではないと考えたようだった