平和な日常~秋~
同じ頃タマモを寝かしつけた横島はリビングで古新聞を広げていた。
さよは相変わらずテレビを見ていたが、横島が何かを始めたのに気付くと興味があるらしく近くに来て見物し始める。
「危ないから触っちゃだめだぞ」
そんなさよに横島は新聞の中は触るなと言うと、照明により出来てる自身の影に手の平をかざす。
「うわ~」
その瞬間、さよは手品でも見たように驚き拍手をした。
それと言うのもまるで手品のように横島の影から大量の銃器が浮かんで来るのだから。
「たまには整備してやらんとダメなんだよな」
手品かだと勘違いしてそうなさよに横島は少し複雑そうな表情を見せると、一丁ずつ銃を分解して清掃整備していく。
これらの銃器はもちろん本物であり、横島の所持する武器の一部である。
普段は影の中の亜空間に入れっぱなしだが、時々思い出したように手入れをしていたのだ。
正直横島の実力があれば銃器はあまり使い道がない部類の武器だが、影の中に入れてるので持ち歩くため手間がかかる訳でもないし威嚇用には便利だった。
かつての美神令子もそうだったが、攻撃オプションは多ければ多い方がいいし奥の手は幾つあっても困らないのである。
「これ、本物ですか?」
鼻歌混じりに分解整備していく横島に、さよも途中から玩具にしては出来すぎだと気付いたらしい。
「ああ、本物だよ。 だから危ないんだ」
「えっと、銃刀法でしたっけ? 持ってたらダメなんじゃ……」
恐る恐る尋ねたさよに横島はあっさりと本物だと教えるが、さよは銃刀法を知ってるらしく不安そうである。
「普通の人間はダメだよ。 でも法律は幽霊も妖怪も守ってくれないだろ? だから俺達は自分の身は自分で守らなきゃダメなんだ」
不安そうなさよに横島は一旦作業を止めて目を見てしっかりと話すが、さよはその答えにどう返していいか分からなかった。
そもそもさよは横島が捕まらないか心配してるのであって、銃器を使う使わないの心配をしてる訳ではない。
「まあ、なんか危ないことがある訳じゃないから心配するな。 護身用に昔っから持ってるんだよ」
さよの不安を取り除くように横島は昔から持つ護身用だと告げると、さよも幾分安心したようでホッとした表情を見せる。
自分の知らない横島の一面に微かな不安を感じたのも確かだが、横島が普通でないのは流石に理解していた。
「そういえば龍宮さんも隠して銃を持ってましたよ。 去年一度だけちらっと見たことがあります」
横島の説明に納得したのか落ち着いたさよだが、ふと去年のことを思い出し話し始める。
どうも幽霊時代に一度だけ龍宮の銃を見たらしい。
龍宮本人はクラスメートに見られないように気をつけていたらしいが、存在そのものを感知出来ないさよまでには隠しきれなかったようだ。
「そのことは誰にも言ったらダメだぞ。 あの子にも理由があるんだろうしな」
「そうですね」
当然出た龍宮の話に横島は驚くもさよに口止めをする以外は何も言わなかった。
さよ自身も自分が幽霊であることを隠してるように、龍宮にも何か訳があると理解したようである。
(横島さんは……)
その時さよは、横島にも何か人に言えない過去や訳があるのかと聞きたかったが聞けなかった。
もし聞けば今の幸せが全て消えてしまうような気がしたからなのだが……。
それは誤解というか考え過ぎであり、横島に過去や訳を聞いたくらいでは何も変わらない。
どうもさよは最近のドラマの見すぎでちょっと考え過ぎてるようである。
さよは相変わらずテレビを見ていたが、横島が何かを始めたのに気付くと興味があるらしく近くに来て見物し始める。
「危ないから触っちゃだめだぞ」
そんなさよに横島は新聞の中は触るなと言うと、照明により出来てる自身の影に手の平をかざす。
「うわ~」
その瞬間、さよは手品でも見たように驚き拍手をした。
それと言うのもまるで手品のように横島の影から大量の銃器が浮かんで来るのだから。
「たまには整備してやらんとダメなんだよな」
手品かだと勘違いしてそうなさよに横島は少し複雑そうな表情を見せると、一丁ずつ銃を分解して清掃整備していく。
これらの銃器はもちろん本物であり、横島の所持する武器の一部である。
普段は影の中の亜空間に入れっぱなしだが、時々思い出したように手入れをしていたのだ。
正直横島の実力があれば銃器はあまり使い道がない部類の武器だが、影の中に入れてるので持ち歩くため手間がかかる訳でもないし威嚇用には便利だった。
かつての美神令子もそうだったが、攻撃オプションは多ければ多い方がいいし奥の手は幾つあっても困らないのである。
「これ、本物ですか?」
鼻歌混じりに分解整備していく横島に、さよも途中から玩具にしては出来すぎだと気付いたらしい。
「ああ、本物だよ。 だから危ないんだ」
「えっと、銃刀法でしたっけ? 持ってたらダメなんじゃ……」
恐る恐る尋ねたさよに横島はあっさりと本物だと教えるが、さよは銃刀法を知ってるらしく不安そうである。
「普通の人間はダメだよ。 でも法律は幽霊も妖怪も守ってくれないだろ? だから俺達は自分の身は自分で守らなきゃダメなんだ」
不安そうなさよに横島は一旦作業を止めて目を見てしっかりと話すが、さよはその答えにどう返していいか分からなかった。
そもそもさよは横島が捕まらないか心配してるのであって、銃器を使う使わないの心配をしてる訳ではない。
「まあ、なんか危ないことがある訳じゃないから心配するな。 護身用に昔っから持ってるんだよ」
さよの不安を取り除くように横島は昔から持つ護身用だと告げると、さよも幾分安心したようでホッとした表情を見せる。
自分の知らない横島の一面に微かな不安を感じたのも確かだが、横島が普通でないのは流石に理解していた。
「そういえば龍宮さんも隠して銃を持ってましたよ。 去年一度だけちらっと見たことがあります」
横島の説明に納得したのか落ち着いたさよだが、ふと去年のことを思い出し話し始める。
どうも幽霊時代に一度だけ龍宮の銃を見たらしい。
龍宮本人はクラスメートに見られないように気をつけていたらしいが、存在そのものを感知出来ないさよまでには隠しきれなかったようだ。
「そのことは誰にも言ったらダメだぞ。 あの子にも理由があるんだろうしな」
「そうですね」
当然出た龍宮の話に横島は驚くもさよに口止めをする以外は何も言わなかった。
さよ自身も自分が幽霊であることを隠してるように、龍宮にも何か訳があると理解したようである。
(横島さんは……)
その時さよは、横島にも何か人に言えない過去や訳があるのかと聞きたかったが聞けなかった。
もし聞けば今の幸せが全て消えてしまうような気がしたからなのだが……。
それは誤解というか考え過ぎであり、横島に過去や訳を聞いたくらいでは何も変わらない。
どうもさよは最近のドラマの見すぎでちょっと考え過ぎてるようである。