平和な日常~秋~
「凄い量ね」
木乃香の特訓が一段落すると横島達は夕食にするが、この日はハルナと刀子も来ていた。
大量作ったショートケーキは持ち帰り用の箱に入れてフロアにまで置かれており、刀子は何があったのかと驚いてしまう。
「木乃香ちゃんが体育祭の料理大会に出るんで練習してたんっすよ。 先生もいくつか持って行きますか?」
「えっと……、じゃあ一つだけ貰おうかしら」
練習用に作ったケーキとはいえ、見た目は売り物と大差ない。
横島は刀子にもケーキを勧めるが、一人暮らしの女性が早々何個もケーキを食べるはずはなかった。
「甘い物は好きだけど食べすぎもね」
横島は刀子に遠慮しなくていいと言うが、木乃香達は刀子の気持ちを理解して苦笑いを浮かべている。
刀子自身も横島の店のスイーツは時々食べるし遅い時間に来ると余り物を貰ったりもするが、木乃香達と違い成長期でもない刀子はカロリーにはかなり気を使っているらしい。
そんなこの日の夕食だが、旬の里芋がようやく手に入ったので山形風芋煮を作ったようだ。
芋煮とは山形や東北地方の料理の一つで里芋を使った鍋の一種なのだが、芋煮会などで食べる料理と言えば知っている人も多いだろう。
日頃から様々な国のの料理を作る横島だが、最近は夕食には割と和食を作ることも多かった。
以前は日本では珍しい料理もよく作ったりはしたが、結局はヘルシーで食べ慣れている和食が木乃香達や刀子には結構人気だったのだ。
「これを芋煮会で食べてるんですね」
「麻帆良じゃ芋煮会なんてないものね~」
「多分な。 実は俺も食べた経験ないから料理本のレシピを見て作ったんだ」
芋煮会のニュースや映像はこの季節たまに見るが、実際に食べた経験があるのは横島を含めて誰もいなかった。
横島は主婦向けの料理本からレシピを見つけて作ったらしい。
ちなみに他には秋刀魚のおさしみや、きのこのホイル焼きなんかもおかずとしてある。
木乃香達はもちろんご飯だが、横島と刀子の二人はそれらをつまみに冷酒を飲んでいた。
「そうだ、今後の日曜は時間あるか? せっかくだし栗拾いか葡萄狩りに行かないか? 大会の予選に出すスイーツの参考になるかもしれんし」
いつもと同じく和やかな夕食は続くが、食事も終わる頃になると横島は突然日曜日に木乃香達を遠出に誘う。
前々からタマモやさよを連れて出かけようとは考えていたが、料理大会もあるので木乃香も果物の産地に連れて行こうと思ったようだ。
「いいわね。 私も行っていいかしら?」
「ああ、別に構わんよ。 何人か増えても大差ないしな」
突然の誘いに真っ先に声を上げたのはハルナだった。
夏休み以降は木乃香達が店で夕食を食べるので、必然的に夕映とのどかと同室のハルナも店で夕食を食べる機会が増えているが、この手のイベントはやはり好きらしい。
「よかったら先生も一緒にいかへん?」
「えっ、私!? えっと……仕事が立て込まなければね」
結局木乃香達も行くことになり何処に行くかで盛り上がるが、木乃香は一緒に食事をしていた刀子も誘っていた。
まさか自分まで誘われると思わなかった刀子は若干驚くが、いろいろ考えると即決は出来なかったようだ。
木乃香の特訓が一段落すると横島達は夕食にするが、この日はハルナと刀子も来ていた。
大量作ったショートケーキは持ち帰り用の箱に入れてフロアにまで置かれており、刀子は何があったのかと驚いてしまう。
「木乃香ちゃんが体育祭の料理大会に出るんで練習してたんっすよ。 先生もいくつか持って行きますか?」
「えっと……、じゃあ一つだけ貰おうかしら」
練習用に作ったケーキとはいえ、見た目は売り物と大差ない。
横島は刀子にもケーキを勧めるが、一人暮らしの女性が早々何個もケーキを食べるはずはなかった。
「甘い物は好きだけど食べすぎもね」
横島は刀子に遠慮しなくていいと言うが、木乃香達は刀子の気持ちを理解して苦笑いを浮かべている。
刀子自身も横島の店のスイーツは時々食べるし遅い時間に来ると余り物を貰ったりもするが、木乃香達と違い成長期でもない刀子はカロリーにはかなり気を使っているらしい。
そんなこの日の夕食だが、旬の里芋がようやく手に入ったので山形風芋煮を作ったようだ。
芋煮とは山形や東北地方の料理の一つで里芋を使った鍋の一種なのだが、芋煮会などで食べる料理と言えば知っている人も多いだろう。
日頃から様々な国のの料理を作る横島だが、最近は夕食には割と和食を作ることも多かった。
以前は日本では珍しい料理もよく作ったりはしたが、結局はヘルシーで食べ慣れている和食が木乃香達や刀子には結構人気だったのだ。
「これを芋煮会で食べてるんですね」
「麻帆良じゃ芋煮会なんてないものね~」
「多分な。 実は俺も食べた経験ないから料理本のレシピを見て作ったんだ」
芋煮会のニュースや映像はこの季節たまに見るが、実際に食べた経験があるのは横島を含めて誰もいなかった。
横島は主婦向けの料理本からレシピを見つけて作ったらしい。
ちなみに他には秋刀魚のおさしみや、きのこのホイル焼きなんかもおかずとしてある。
木乃香達はもちろんご飯だが、横島と刀子の二人はそれらをつまみに冷酒を飲んでいた。
「そうだ、今後の日曜は時間あるか? せっかくだし栗拾いか葡萄狩りに行かないか? 大会の予選に出すスイーツの参考になるかもしれんし」
いつもと同じく和やかな夕食は続くが、食事も終わる頃になると横島は突然日曜日に木乃香達を遠出に誘う。
前々からタマモやさよを連れて出かけようとは考えていたが、料理大会もあるので木乃香も果物の産地に連れて行こうと思ったようだ。
「いいわね。 私も行っていいかしら?」
「ああ、別に構わんよ。 何人か増えても大差ないしな」
突然の誘いに真っ先に声を上げたのはハルナだった。
夏休み以降は木乃香達が店で夕食を食べるので、必然的に夕映とのどかと同室のハルナも店で夕食を食べる機会が増えているが、この手のイベントはやはり好きらしい。
「よかったら先生も一緒にいかへん?」
「えっ、私!? えっと……仕事が立て込まなければね」
結局木乃香達も行くことになり何処に行くかで盛り上がるが、木乃香は一緒に食事をしていた刀子も誘っていた。
まさか自分まで誘われると思わなかった刀子は若干驚くが、いろいろ考えると即決は出来なかったようだ。