平和な日常~秋~
さて料理大会のルールについてだが、基本的に大会は予選と準決勝と決勝の三回戦を行う。
予選は出場選手が得意な料理を特別審査員と一般審査員が評価して順位を決めるが、準決勝と決勝はお題となる食材を使用して指定の料理を作らねばならない。
その他調理時間や細かなルールはあるが、基本的な大会のルールはそんなとこだろう。
近年の大会の傾向としては準決勝は割と基本的な食材を用いてオーソドックスな料理を要求されるが、決勝は逆にオリジナリティを求められるらしい。
これに関して実際には決勝に出るメンバーは、近年はほぼ全て素人ではなくプロとして活動する学生のようだ。
単純な料理人も居れば評論家や研究家なんかもおり一概には言えないが、そもそも決勝進出者ですら中学生は昨年の超と五月しか居ない。
一応体育祭の一競技なのだが、実際には料理系の大学生が卒業後の就職なんかの箔をつけるのに挑む者が大半なようである。
「これ中学生が出るのきつくねえか? あんこう鍋なんて和食の料理人でもやらん人はやらんぞ」
そのまま横島はルールが書かれた書類に目を通しながら昨年の大会の記録DVDを見るが、和食部門の昨年の決勝の食材はあんこうでありお題はあんこう鍋だった。
どう見ても板前にしか見えない大学生が決勝で戦うが、生のあんこうを自分で捌いて鍋にするのは地方によっては和食の料理人でもなかなかやる物ではない。
「去年は超さんと四葉さんが出場してましたからね。 同じような感覚なのでしょう」
明らかに学生の体育祭の大会じゃないといいたげな横島だが、超の前例があるためみんな割と気楽に考えてるようだった。
「やっぱオススメはスイーツかな。 洋食も厳しいかもしれん」
一通り資料を見終わると横島は少し考えた末に、スイーツ部門への出場を勧めていた。
木乃香や夕映達もDVDを見て予想以上のレベルの高さに唖然としており、はっきり言えば無謀だとすら感じている。
何より出場者の熱意がまるで違っていた。
基本的に楽しく料理をしていた木乃香とは違い、彼らは将来や人生を賭けるような熱い熱意がある。
「スイーツならいけるん?」
「ああ、二週間頑張ればな」
技術や経験の差はいかんともしようがないが、それがイコール結果に繋がらないのが料理でもあった。
ぶっちゃけ賭けになるがメニューをある程度絞って完成度を高めれば、上位入賞も可能だと横島は見込んでいる。
当初は洋食系もいけるかと考えていたが思った以上に本格的であり、洋食と一言で言っても本格的なフレンチからオーソドックスな日本の洋食まで幅広い。
現状で確率が高いのはやはりスイーツだった。
「それじゃ二週間で特訓だな」
結局木乃香は横島が勧めるままにスイーツ部門への出場を選び、この日から本番まで特訓することになる。
「とっくんだ!」
横島と木乃香がやる気を見せる中で特訓の意味も理由も全く理解してないタマモは、当然のように自分も一緒に頑張るつもりでありやる気満々であった。
なんとなく空気を読んだらしいが、どうも何かを勘違いしている。
「一緒に頑張ろうな~」
「うん、がんばる」
そんなタマモに対して木乃香は、相変わらずの優しい口調で一緒に頑張ろうと言いタマモの頭を撫でていた。
正直タマモが頑張ることはないのだが、気持ちだけ貰っておくということだろう。
予選は出場選手が得意な料理を特別審査員と一般審査員が評価して順位を決めるが、準決勝と決勝はお題となる食材を使用して指定の料理を作らねばならない。
その他調理時間や細かなルールはあるが、基本的な大会のルールはそんなとこだろう。
近年の大会の傾向としては準決勝は割と基本的な食材を用いてオーソドックスな料理を要求されるが、決勝は逆にオリジナリティを求められるらしい。
これに関して実際には決勝に出るメンバーは、近年はほぼ全て素人ではなくプロとして活動する学生のようだ。
単純な料理人も居れば評論家や研究家なんかもおり一概には言えないが、そもそも決勝進出者ですら中学生は昨年の超と五月しか居ない。
一応体育祭の一競技なのだが、実際には料理系の大学生が卒業後の就職なんかの箔をつけるのに挑む者が大半なようである。
「これ中学生が出るのきつくねえか? あんこう鍋なんて和食の料理人でもやらん人はやらんぞ」
そのまま横島はルールが書かれた書類に目を通しながら昨年の大会の記録DVDを見るが、和食部門の昨年の決勝の食材はあんこうでありお題はあんこう鍋だった。
どう見ても板前にしか見えない大学生が決勝で戦うが、生のあんこうを自分で捌いて鍋にするのは地方によっては和食の料理人でもなかなかやる物ではない。
「去年は超さんと四葉さんが出場してましたからね。 同じような感覚なのでしょう」
明らかに学生の体育祭の大会じゃないといいたげな横島だが、超の前例があるためみんな割と気楽に考えてるようだった。
「やっぱオススメはスイーツかな。 洋食も厳しいかもしれん」
一通り資料を見終わると横島は少し考えた末に、スイーツ部門への出場を勧めていた。
木乃香や夕映達もDVDを見て予想以上のレベルの高さに唖然としており、はっきり言えば無謀だとすら感じている。
何より出場者の熱意がまるで違っていた。
基本的に楽しく料理をしていた木乃香とは違い、彼らは将来や人生を賭けるような熱い熱意がある。
「スイーツならいけるん?」
「ああ、二週間頑張ればな」
技術や経験の差はいかんともしようがないが、それがイコール結果に繋がらないのが料理でもあった。
ぶっちゃけ賭けになるがメニューをある程度絞って完成度を高めれば、上位入賞も可能だと横島は見込んでいる。
当初は洋食系もいけるかと考えていたが思った以上に本格的であり、洋食と一言で言っても本格的なフレンチからオーソドックスな日本の洋食まで幅広い。
現状で確率が高いのはやはりスイーツだった。
「それじゃ二週間で特訓だな」
結局木乃香は横島が勧めるままにスイーツ部門への出場を選び、この日から本番まで特訓することになる。
「とっくんだ!」
横島と木乃香がやる気を見せる中で特訓の意味も理由も全く理解してないタマモは、当然のように自分も一緒に頑張るつもりでありやる気満々であった。
なんとなく空気を読んだらしいが、どうも何かを勘違いしている。
「一緒に頑張ろうな~」
「うん、がんばる」
そんなタマモに対して木乃香は、相変わらずの優しい口調で一緒に頑張ろうと言いタマモの頭を撫でていた。
正直タマモが頑張ることはないのだが、気持ちだけ貰っておくということだろう。