平和な日常~秋~
「うむ、なかなかだな」
同じ頃横島の店ではエヴァが鱧料理を味わいつつ、横島と囲碁を打っていた。
まあ学校がある午前中に店に来るのはいつものことだが、最近は前日に電話で翌日に食べたい物をリクエストまでしている。
この日はエヴァのリクエストで鱧料理を数品用意していたのだ。
「どうも。 それにしても何でハモなんだ?」
「残念ながら麻帆良にはハモを出す料理屋はないからな」
「そりゃあ関東じゃ普通は食わんし、それに骨切りは結構大変だしな」
鱧料理に機嫌をよくしたのか今日は饒舌に答えるが、食べたい料理が食べれないのはかなりストレスらしい。
どうも以前超鈴音にも頼んだらしいが、流石に鱧料理は経験が無く断られたようだ。
「そうだ、松茸が入ったら最優先で頼む」
「別にいいけどさ。 うち一応喫茶店なんだけどなぁ」
自分では散々好き勝手に料理をする横島だが、他人から当たり前のように喫茶店に不釣り合いなリクエストをされると流石に若干の違和感は感じずにはいられないらしい。
まあそれでも拒否もしないし嫌な顔もしないが。
(やはり底は見えないか……)
一方久しぶりの鱧料理に機嫌がいいエヴァだが、囲碁を打ちながらも密かに横島のことを考えていた。
エヴァ自身は横島のことを直接聞きはしないが、茶々丸を通して横島の数々の行動は聞いている。
その結果横島の裏側に多少興味を抱いたらしい。
まあ正体というか裏側を暴くつもりまではないようだが。
「松茸も高いしピンからキリまであるしな~ どの程度にする?」
「もちろん最高級品だ。 心配するな金は払う」
エヴァの思惑とは関係なく横島は松茸をどうするか考えていたが、当然最高級品だと言い切るエヴァに横島は微妙に引き攣った表情を見せる。
最高級品の松茸でコース料理など作れば、他の食材もそれ相応のランクの食材が必要だろう。
流石に幾らになるのか考えると横島は顔が青くなるようだった。
「まつたけ?」
「香りがよくて珍しいきのこだよ」
「わたしもたべたい!」
そんな横島とエヴァの松茸の話に興味を持ったのは、横島の隣で鱧料理を味わっていたタマモである。
タマモは横島とエヴァが打つ囲碁を静かに見ながら鱧を味わっていたのだ。
「そうだな。 一番美味しいとこをお腹いっぱい食べさせてやろう」
「わーい!」
興味津々な様子で目を輝かせるタマモに横島が即決で大盤振る舞いを約束すると、目の前のエヴァは呆れた表情になる。
相変わらずの親バカっぷりはすでに珍しくはないが、もう少し体裁を考えるべきだろうと思わずにはいられなかったらしい。
「いっしょにまつたけぱーてぃーだね」
呆れた表情のエヴァだったが、タマモはどうやらエヴァと一緒に食べるつもりらしくパーティーだと喜んでいる。
やはりタマモにとって楽しみとは、分かち合うものなのだ。
同じ物を食べるのだから当然一緒だと考えたらしい。
「それもいいな。 美味い酒も用意してさ」
「……そうだな。 それでいい」
純粋な瞳で喜ぶタマモと横島が一緒に美味い酒を用意すると告げると、エヴァはあまり表情を変えずに言葉少なく承諾する。
正直エヴァはパーティーのような騒がしいのはあまり好きではないのだが、ここで反対してもいいことはないと判断したらしい。
相変わらず他人に対して壁があるエヴァだが、タマモは割と気にしないらしくエヴァにも懐いていた。
同じ頃横島の店ではエヴァが鱧料理を味わいつつ、横島と囲碁を打っていた。
まあ学校がある午前中に店に来るのはいつものことだが、最近は前日に電話で翌日に食べたい物をリクエストまでしている。
この日はエヴァのリクエストで鱧料理を数品用意していたのだ。
「どうも。 それにしても何でハモなんだ?」
「残念ながら麻帆良にはハモを出す料理屋はないからな」
「そりゃあ関東じゃ普通は食わんし、それに骨切りは結構大変だしな」
鱧料理に機嫌をよくしたのか今日は饒舌に答えるが、食べたい料理が食べれないのはかなりストレスらしい。
どうも以前超鈴音にも頼んだらしいが、流石に鱧料理は経験が無く断られたようだ。
「そうだ、松茸が入ったら最優先で頼む」
「別にいいけどさ。 うち一応喫茶店なんだけどなぁ」
自分では散々好き勝手に料理をする横島だが、他人から当たり前のように喫茶店に不釣り合いなリクエストをされると流石に若干の違和感は感じずにはいられないらしい。
まあそれでも拒否もしないし嫌な顔もしないが。
(やはり底は見えないか……)
一方久しぶりの鱧料理に機嫌がいいエヴァだが、囲碁を打ちながらも密かに横島のことを考えていた。
エヴァ自身は横島のことを直接聞きはしないが、茶々丸を通して横島の数々の行動は聞いている。
その結果横島の裏側に多少興味を抱いたらしい。
まあ正体というか裏側を暴くつもりまではないようだが。
「松茸も高いしピンからキリまであるしな~ どの程度にする?」
「もちろん最高級品だ。 心配するな金は払う」
エヴァの思惑とは関係なく横島は松茸をどうするか考えていたが、当然最高級品だと言い切るエヴァに横島は微妙に引き攣った表情を見せる。
最高級品の松茸でコース料理など作れば、他の食材もそれ相応のランクの食材が必要だろう。
流石に幾らになるのか考えると横島は顔が青くなるようだった。
「まつたけ?」
「香りがよくて珍しいきのこだよ」
「わたしもたべたい!」
そんな横島とエヴァの松茸の話に興味を持ったのは、横島の隣で鱧料理を味わっていたタマモである。
タマモは横島とエヴァが打つ囲碁を静かに見ながら鱧を味わっていたのだ。
「そうだな。 一番美味しいとこをお腹いっぱい食べさせてやろう」
「わーい!」
興味津々な様子で目を輝かせるタマモに横島が即決で大盤振る舞いを約束すると、目の前のエヴァは呆れた表情になる。
相変わらずの親バカっぷりはすでに珍しくはないが、もう少し体裁を考えるべきだろうと思わずにはいられなかったらしい。
「いっしょにまつたけぱーてぃーだね」
呆れた表情のエヴァだったが、タマモはどうやらエヴァと一緒に食べるつもりらしくパーティーだと喜んでいる。
やはりタマモにとって楽しみとは、分かち合うものなのだ。
同じ物を食べるのだから当然一緒だと考えたらしい。
「それもいいな。 美味い酒も用意してさ」
「……そうだな。 それでいい」
純粋な瞳で喜ぶタマモと横島が一緒に美味い酒を用意すると告げると、エヴァはあまり表情を変えずに言葉少なく承諾する。
正直エヴァはパーティーのような騒がしいのはあまり好きではないのだが、ここで反対してもいいことはないと判断したらしい。
相変わらず他人に対して壁があるエヴァだが、タマモは割と気にしないらしくエヴァにも懐いていた。