平和な日常~秋~
九月も末になると麻帆良の街は完全に秋になっている。
あれだけ暑かった夏の日々が少し懐かしくなるこの日、横島の店ではビッケとクッキがタマモと一緒に遊んでいた。
開店する前から遊びに来ているこの二匹も、早いものですでに乳離れしている。
基本的には飼い主の桜子が毎日きちんとご飯をあげてるので、横島は食べ過ぎに気をつけつつ最近はおやつ程度の食事を少量だけあげていた。
「おやつの時間だぞ」
さてこの日のタマモのおやつは秋のフルーツを使ったタルトだったが、ビッケとクッキには猫用にわざわざ焼いたケーキである。
実は横島の店にはビッケとクッキの他にも庭に来るのら猫達など多いが、日々の食事は市販のキャットフードと横島の手作りの半々ほどであった。
基本的に猫は食べれない物などが多いので一般的にはキャットフードが多いが、横島は猫用に栄養を考えて作った手作りのご飯をあげることも結構あるらしい。
まあ忙しい時なんかはキャットフードになるが、それも猫達の意見や栄養を考慮して買った物だったりする。
「にゃ~」
「ねこさんのケーキなの?」
そんなこの日の二匹のおやつは、タマモのタルトに比べても猫用のケーキは遜色ないほど可愛い出来のケーキだった。
その出来にビッケとクッキとタマモは揃って興味津々な様子で見つめる。
「ああ、クリームとか砂糖とか使ってないから猫も食べれるケーキだぞ」
タマモが来て以来ビッケとクッキは一緒に遊ぶことが多いが、流石におやつまでは一緒には出来なかった。
味の良し悪しは別にして猫達には食べられない物が多いし、味付けも人間の物は濃すぎるのだ。
今までは猫でも大丈夫なミルクや魚なんかをあげていたが、この日は猫用のケーキを作ってみたらしい。
「にゃ!」
目の前に出されたケーキをさっそく食べ始めるビッケとクッキだが、見た目だけでなく味も気に入ったのか嬉しそうに声を上げる。
タマモと並んで美味しそうに食べる姿に横島も満足げな表情だった。
「食べ過ぎはあかんぞ。 食べたら一緒に散歩にでも行ってくるといい」
乳離れしたとはいえまだ身体が小さいビッケとクッキのおやつはやはり少量である。
すぐに食べ終えてしまってお代わりを要求するビッケに、横島は食べ過ぎはダメだと言い聞かせて運動もするようにタマモと二匹を散歩に送り出す。
「にゃ~」
「いってきます!」
そのままおやつを食べ終えた二匹とタマモは、庭に居たのら猫も二匹加わり散歩に出かける。
猫に囲まれて散歩をするタマモは当然目立っているが、最早近所では有名であり見慣れた光景であった。
ご近所の人達や動物に元気に挨拶をしながら、路地裏や時には塀の上を歩き散歩をしていく。
時々心配する人達がタマモに危ないよと声をかけるが、タマモは楽しげに大丈夫だよと返事をするだけである。
いかに自由な人間が多い麻帆良でもタマモの行動は目立っているが、それでも受け入れられてるのが現状のようだ。
秋が深まるこの日もタマモは猫達と一緒に街を探検気分で散歩していた。
あれだけ暑かった夏の日々が少し懐かしくなるこの日、横島の店ではビッケとクッキがタマモと一緒に遊んでいた。
開店する前から遊びに来ているこの二匹も、早いものですでに乳離れしている。
基本的には飼い主の桜子が毎日きちんとご飯をあげてるので、横島は食べ過ぎに気をつけつつ最近はおやつ程度の食事を少量だけあげていた。
「おやつの時間だぞ」
さてこの日のタマモのおやつは秋のフルーツを使ったタルトだったが、ビッケとクッキには猫用にわざわざ焼いたケーキである。
実は横島の店にはビッケとクッキの他にも庭に来るのら猫達など多いが、日々の食事は市販のキャットフードと横島の手作りの半々ほどであった。
基本的に猫は食べれない物などが多いので一般的にはキャットフードが多いが、横島は猫用に栄養を考えて作った手作りのご飯をあげることも結構あるらしい。
まあ忙しい時なんかはキャットフードになるが、それも猫達の意見や栄養を考慮して買った物だったりする。
「にゃ~」
「ねこさんのケーキなの?」
そんなこの日の二匹のおやつは、タマモのタルトに比べても猫用のケーキは遜色ないほど可愛い出来のケーキだった。
その出来にビッケとクッキとタマモは揃って興味津々な様子で見つめる。
「ああ、クリームとか砂糖とか使ってないから猫も食べれるケーキだぞ」
タマモが来て以来ビッケとクッキは一緒に遊ぶことが多いが、流石におやつまでは一緒には出来なかった。
味の良し悪しは別にして猫達には食べられない物が多いし、味付けも人間の物は濃すぎるのだ。
今までは猫でも大丈夫なミルクや魚なんかをあげていたが、この日は猫用のケーキを作ってみたらしい。
「にゃ!」
目の前に出されたケーキをさっそく食べ始めるビッケとクッキだが、見た目だけでなく味も気に入ったのか嬉しそうに声を上げる。
タマモと並んで美味しそうに食べる姿に横島も満足げな表情だった。
「食べ過ぎはあかんぞ。 食べたら一緒に散歩にでも行ってくるといい」
乳離れしたとはいえまだ身体が小さいビッケとクッキのおやつはやはり少量である。
すぐに食べ終えてしまってお代わりを要求するビッケに、横島は食べ過ぎはダメだと言い聞かせて運動もするようにタマモと二匹を散歩に送り出す。
「にゃ~」
「いってきます!」
そのままおやつを食べ終えた二匹とタマモは、庭に居たのら猫も二匹加わり散歩に出かける。
猫に囲まれて散歩をするタマモは当然目立っているが、最早近所では有名であり見慣れた光景であった。
ご近所の人達や動物に元気に挨拶をしながら、路地裏や時には塀の上を歩き散歩をしていく。
時々心配する人達がタマモに危ないよと声をかけるが、タマモは楽しげに大丈夫だよと返事をするだけである。
いかに自由な人間が多い麻帆良でもタマモの行動は目立っているが、それでも受け入れられてるのが現状のようだ。
秋が深まるこの日もタマモは猫達と一緒に街を探検気分で散歩していた。