平和な日常~秋~
「マスター、お腹空いた!」
その後も横島の居ない店を木乃香は無難に切り盛りするが、部活帰りらしいまき絵と裕奈がお腹を空かせて店に駆け込んで来る。
「今日は横島さんいーひんのや。 何にする?」
「じゃあ、甘い物で安めにお願い」
横島が居ないことに少し驚くまき絵と裕奈だが、元々あまり深く考えるタイプではない二人はいつもと同じく適当に頼む。
日頃からメニューにない料理を作る横島なだけに、彼女達のように適当にリクエストする客は少なくない。
「なにがええかな」
二人のオーダーに木乃香は厨房の食材を見ながら作る物を考え始める。
正直木乃香はメニューにない料理は店に出すほど自信がない料理も多く悩むが、まき絵と裕奈は細かいことは気にしないからと頼んでいたのだ。
冷蔵庫の食材を見ながら少し悩んだ木乃香だが、おからがあるのを見つけると前に横島と作ったレシピを思い出しおからドーナツを作ることにする。
「なに作ってるの?」
「ドーナツ作ってるんよ。 タマちゃん手伝ってくれるん?」
「うん、わたしもやる」
メニューを決めて順調に作っていた木乃香だが、途中でタマモが散歩から帰って来ると興味津々な様子で木乃香の調理を見つめていた。
日頃から横島や木乃香の手伝いをよくしてるタマモなだけに、今日も危なくない作業を手伝ってもらい二人はニコニコと楽しげにドーナツを作っていく。
「お待たせ、おからドーナツや」
「いただきま~す」
少し時間が掛かったせいか待ちきれない様子のまき絵と裕奈に木乃香が揚げたてのおからドーナツを持っていくと、二人は熱々のままさっそく食べていった。
「美味しい!」
「やっぱりマスターのスイーツって、他の店のと一味違うのよねー」
流石にあまり作った経験がないドーナツに木乃香は若干不安だったらしいが、まき絵と裕奈には好評だった。
まあレシピと調理工程のポイントは横島が教えた時にメモしたので失敗さえしなければそれなりの物が出来るのだが、それでも不安がない訳ではない。
ただそれは木乃香が慎重なだけであって、一般の客の視点からすると木乃香の腕前もまた普通じゃないと感じてる者も多くいる。
中等部には超と五月の二人がすでにプロに負けない料理を作ってるので目立ちはしないが、中学生が店を任され仕切る姿はどう考えても普通ではなかった。
「うん、おいしい」
そして木乃香の手伝いをしていたタマモも、同じく揚げたてのドーナツをおやつとして食べている。
満足げにドーナツを頬張るその姿は、日頃横島の料理を食べてる時と変わらない。
先程中等部の少女達が木乃香に料理大会参加を勧めていたが、同じように考える中等部の少女は結構多かったりする。
高校生や大学生の料理自慢の人達とまともに渡り合える人材は、個性的な中等部といえど多くはないのだ。
麻帆良祭でも総合的な順位があったように、体育祭でも総合順位が存在する。
クラス単位だけでなく学年や学校単位でも順位が出るだけに、優秀な人には積極的に競技に出てほしいのが本音らしい。
「木乃香、ご飯物食べたいって注文なんだけど大丈夫?」
まき絵達やタマモが食べる姿にホッと一息ついていた木乃香だが、今度はのどかがメニューにない注文を頼まれ少し不安そうに木乃香に聞きに来ていた。
「簡単な物でええなら大丈夫や」
結局木乃香は横島が戻るまで、臨機応変にメニューにない注文にも対応していくことになる。
その料理に木乃香の評価が地道に上がっていくが、本人は相変わらず気にしてなかった。
その後も横島の居ない店を木乃香は無難に切り盛りするが、部活帰りらしいまき絵と裕奈がお腹を空かせて店に駆け込んで来る。
「今日は横島さんいーひんのや。 何にする?」
「じゃあ、甘い物で安めにお願い」
横島が居ないことに少し驚くまき絵と裕奈だが、元々あまり深く考えるタイプではない二人はいつもと同じく適当に頼む。
日頃からメニューにない料理を作る横島なだけに、彼女達のように適当にリクエストする客は少なくない。
「なにがええかな」
二人のオーダーに木乃香は厨房の食材を見ながら作る物を考え始める。
正直木乃香はメニューにない料理は店に出すほど自信がない料理も多く悩むが、まき絵と裕奈は細かいことは気にしないからと頼んでいたのだ。
冷蔵庫の食材を見ながら少し悩んだ木乃香だが、おからがあるのを見つけると前に横島と作ったレシピを思い出しおからドーナツを作ることにする。
「なに作ってるの?」
「ドーナツ作ってるんよ。 タマちゃん手伝ってくれるん?」
「うん、わたしもやる」
メニューを決めて順調に作っていた木乃香だが、途中でタマモが散歩から帰って来ると興味津々な様子で木乃香の調理を見つめていた。
日頃から横島や木乃香の手伝いをよくしてるタマモなだけに、今日も危なくない作業を手伝ってもらい二人はニコニコと楽しげにドーナツを作っていく。
「お待たせ、おからドーナツや」
「いただきま~す」
少し時間が掛かったせいか待ちきれない様子のまき絵と裕奈に木乃香が揚げたてのおからドーナツを持っていくと、二人は熱々のままさっそく食べていった。
「美味しい!」
「やっぱりマスターのスイーツって、他の店のと一味違うのよねー」
流石にあまり作った経験がないドーナツに木乃香は若干不安だったらしいが、まき絵と裕奈には好評だった。
まあレシピと調理工程のポイントは横島が教えた時にメモしたので失敗さえしなければそれなりの物が出来るのだが、それでも不安がない訳ではない。
ただそれは木乃香が慎重なだけであって、一般の客の視点からすると木乃香の腕前もまた普通じゃないと感じてる者も多くいる。
中等部には超と五月の二人がすでにプロに負けない料理を作ってるので目立ちはしないが、中学生が店を任され仕切る姿はどう考えても普通ではなかった。
「うん、おいしい」
そして木乃香の手伝いをしていたタマモも、同じく揚げたてのドーナツをおやつとして食べている。
満足げにドーナツを頬張るその姿は、日頃横島の料理を食べてる時と変わらない。
先程中等部の少女達が木乃香に料理大会参加を勧めていたが、同じように考える中等部の少女は結構多かったりする。
高校生や大学生の料理自慢の人達とまともに渡り合える人材は、個性的な中等部といえど多くはないのだ。
麻帆良祭でも総合的な順位があったように、体育祭でも総合順位が存在する。
クラス単位だけでなく学年や学校単位でも順位が出るだけに、優秀な人には積極的に競技に出てほしいのが本音らしい。
「木乃香、ご飯物食べたいって注文なんだけど大丈夫?」
まき絵達やタマモが食べる姿にホッと一息ついていた木乃香だが、今度はのどかがメニューにない注文を頼まれ少し不安そうに木乃香に聞きに来ていた。
「簡単な物でええなら大丈夫や」
結局木乃香は横島が戻るまで、臨機応変にメニューにない注文にも対応していくことになる。
その料理に木乃香の評価が地道に上がっていくが、本人は相変わらず気にしてなかった。