平和な日常~秋~
一方の横島の新しい車に関しては、まだ全く決まってなかった。
平日の日中に暇な時間があればタマモと近くの中古車販売店に行ったりしているが、見れば見るほど迷う結果となっている。
お金に困ってはないし何かこだわりがある訳ではないが、逆に決め手となるようなこともない。
まあ急ぐことではないからと気楽に考えて中古車販売店を見て歩く日々だった。
そしてハニワ兵の洋服販売については、前々から興味があった店の客からさっそく注文が入り製作を開始している。
依頼第一号の客は、幼い妹へのプレゼントにしたいという中学生からの物だった。
タマモの服の印象が可愛らしい服が多いので、今のところはどちらかと言えば子供服としての需要がありそうな気配である。
プレゼントということで詳しい採寸は直接は出来なく、送る相手の写真を一枚貰い製作を開始することになった。
ただ今回採寸が直接出来なかったことが必ずしも服の製作の問題になった訳ではない。
ハニワ兵は少女の写真から相手の詳細な身体データの数値を自ら導き出していた。
横島も服の製作にはノータッチだったので知らないが、ハニワ兵は写真一枚からでも人間のスリーサイズなどを導き出すことが可能らしい。
最近は掃除や洗濯が終わるとすっかり洋裁部屋と化している自身の部屋で服の製作に励むのが日課となっているが、相変わらずのテレビ好きも相まって部屋には異空間アジトより運ばれた古いテレビが置かれている。
ワイドショーからドラマや時代劇の再放送まで幅広く見てるハニワ兵は、テレビの音をバックミュージックに服の製作を楽しんでいた。
「次は何を植えようか」
同じくこの頃の横島は、タマモと一緒に夏野菜の収穫が終わった後の庭に何を植えるかも考え始めている。
横島もさすがに農業の知識はほとんどないので、家庭菜園などについて書かれた雑誌などを見ながら検討していた。
庭の現状は花壇や果実の樹木もあり畑の部分がさほど広い訳ではないが、それでも元々が広い庭なだけに横島達が楽しむには十分な広さがある。
ただ庭には野良猫達が相変わらず出入りするので、農薬の類は極力使わないようにしていた。
正直この農薬を使わないことが畑の難易度を上げているが、横島としては譲れない一線でもある。
「トマトは?」
「トマトはもう時期じゃないからな~ これからは葉物の野菜がいいみたいだぞ」
二人で並んで雑誌を見ながら何を植えるか話を続けるが、タマモはまだ季節の移り変わりを微妙に理解してない。
これから段々と寒くなって冬が来るんだと教えてはいるが、イマイチ実感が湧かないというところだ。
元々の封印の影響でかなり知識に偏りがあるタマモなだけに、今は季節が変わることすらも不思議なことらしい。
「もうちょっとしたら山に連れて行ってやろう。 きのことか栗とかたくさんあるぞ」
日々の変化を楽しみワクワクと季節が変わるのを待つタマモを、秋は何処に連れて行ってやろうかと考えると横島はそれだけで楽しくなってくる。
同時に夏が終わる寂しさも微かに感るが、こんな平和な日々がずっと続いて欲しいと密かに願わずには要られなかった。
平日の日中に暇な時間があればタマモと近くの中古車販売店に行ったりしているが、見れば見るほど迷う結果となっている。
お金に困ってはないし何かこだわりがある訳ではないが、逆に決め手となるようなこともない。
まあ急ぐことではないからと気楽に考えて中古車販売店を見て歩く日々だった。
そしてハニワ兵の洋服販売については、前々から興味があった店の客からさっそく注文が入り製作を開始している。
依頼第一号の客は、幼い妹へのプレゼントにしたいという中学生からの物だった。
タマモの服の印象が可愛らしい服が多いので、今のところはどちらかと言えば子供服としての需要がありそうな気配である。
プレゼントということで詳しい採寸は直接は出来なく、送る相手の写真を一枚貰い製作を開始することになった。
ただ今回採寸が直接出来なかったことが必ずしも服の製作の問題になった訳ではない。
ハニワ兵は少女の写真から相手の詳細な身体データの数値を自ら導き出していた。
横島も服の製作にはノータッチだったので知らないが、ハニワ兵は写真一枚からでも人間のスリーサイズなどを導き出すことが可能らしい。
最近は掃除や洗濯が終わるとすっかり洋裁部屋と化している自身の部屋で服の製作に励むのが日課となっているが、相変わらずのテレビ好きも相まって部屋には異空間アジトより運ばれた古いテレビが置かれている。
ワイドショーからドラマや時代劇の再放送まで幅広く見てるハニワ兵は、テレビの音をバックミュージックに服の製作を楽しんでいた。
「次は何を植えようか」
同じくこの頃の横島は、タマモと一緒に夏野菜の収穫が終わった後の庭に何を植えるかも考え始めている。
横島もさすがに農業の知識はほとんどないので、家庭菜園などについて書かれた雑誌などを見ながら検討していた。
庭の現状は花壇や果実の樹木もあり畑の部分がさほど広い訳ではないが、それでも元々が広い庭なだけに横島達が楽しむには十分な広さがある。
ただ庭には野良猫達が相変わらず出入りするので、農薬の類は極力使わないようにしていた。
正直この農薬を使わないことが畑の難易度を上げているが、横島としては譲れない一線でもある。
「トマトは?」
「トマトはもう時期じゃないからな~ これからは葉物の野菜がいいみたいだぞ」
二人で並んで雑誌を見ながら何を植えるか話を続けるが、タマモはまだ季節の移り変わりを微妙に理解してない。
これから段々と寒くなって冬が来るんだと教えてはいるが、イマイチ実感が湧かないというところだ。
元々の封印の影響でかなり知識に偏りがあるタマモなだけに、今は季節が変わることすらも不思議なことらしい。
「もうちょっとしたら山に連れて行ってやろう。 きのことか栗とかたくさんあるぞ」
日々の変化を楽しみワクワクと季節が変わるのを待つタマモを、秋は何処に連れて行ってやろうかと考えると横島はそれだけで楽しくなってくる。
同時に夏が終わる寂しさも微かに感るが、こんな平和な日々がずっと続いて欲しいと密かに願わずには要られなかった。