平和な日常~秋~
「タマモどんな車がいい?」
「おっきいくるま!」
同じ頃横島はノートパソコンのモニターを見つつ車をどうするか本格的に悩んでいた。
車の種類や発展自体は前の世界と大差なく、日本車でいえば前世界には存在しなかった会社である那波重工が自動車を開発販売しているがそれほど独創的な車ではない。
他の日本の自動車会社と同じような歴史や流れを持っており、技術的にはあまり差はないようだ。
ただ那波重工はバブルの影響が少ないからか、他の日本の自動車会社のように海外の自動車会社との資本提携はされていなかった。
その代わりという訳ではないが那波グループは基本的に雪広グループや麻帆良学園の支援企業との交流が多く、技術開発や海外での販売協力などは雪広グループなどのいわゆる麻帆良派と呼ばれる企業と多く行っている。
横島は前世界ではなかった那波重工の車を見ながらタマモに意見を聞くが、タマモ的には大きな車が理想らしい。
基本的に車の良し悪しを全く理解してないタマモは、小さいよりは大きい方がいいくらいにしか考えてないようだ。
「おっきい車か~ ファミリー向けのやつか?」
「ううん、この前みんなでのったくるまがいい」
「タマモ、バスは無理だわ。 うちの車庫に入る車にしないと置く場所がないだろ?」
タマモのリクエストにファミリー向けの車を探す横島だったが、タマモが考えているのは普通車でなく先月海に行く時に使ったバスであった。
流石に横島もバスだけは買うつもりはないようで、若干困ったようにタマモに説明する。
そんな横島の説明にタマモは一応納得するが、本心ではやはりバスがいいようで少し残念そうであった。
「いざ買うとなったら迷うんだよな~」
その後も横島はタマモと話をしながらどんな車がいいかと考えていくが、相変わらず自分のことでは貧乏性というか優柔不断さが出てしまいなかなか決まらない。
自分一人ならばそれこそ軽自動車の中古車でも十分だが、欲を言えばやはり新車のいい車が欲しくなるのもまた人情だった。
特別予算が決まってる訳ではないがそれがまた迷う原因の一つであり、結局木乃香達が来るまで横島は悩み続けることになる。
「二人ともどうしたん?」
そして買い物を終えて店に来た木乃香達が見た物は、珍しく真剣にパソコンのモニターを見つめる横島と横島の真似をして腕組みして悩むタマモだった。
横島は真面目に車で悩んでいるが、タマモはどうすれば横島の助けになるかで悩んでいる。
無論タマモも真剣なのだが、普通に周りから見れば横島の真似をしてるようにしか見えない。
まあタマモの表情自体は真剣なので、木乃香達ならばタマモが真剣なのを見抜けるだろうが。
「いや、そろそろ三人以上乗れる車に買い替えようかと思って悩んでるんだ」
「やはり車を買うのですね。 いい加減借りた車は返すべきです」
木乃香達が買って来た本を渡すと横島はさっそく中古車販売雑誌を開き中身を見ていくが、夕映はやはり借りた車を早く返すべきだと忠告する。
どうもその辺りがいい加減に見えるらしい。
「いや返すのはいつでもいいんだ。 持ち主はもう乗らないから最初はくれるって言ってたんだけど、流石に悪いから借りることにしたんだわ」
借りた車を半年も乗り回す自分が夕映達にどう見られていたか気付き、横島は若干苦笑いを浮かべて言い訳のように事情を話していく。
横島の感覚では借りただけなのだが、持ち主はもう居ないし最終的には横島に譲られた物なのだから。
「おっきいくるま!」
同じ頃横島はノートパソコンのモニターを見つつ車をどうするか本格的に悩んでいた。
車の種類や発展自体は前の世界と大差なく、日本車でいえば前世界には存在しなかった会社である那波重工が自動車を開発販売しているがそれほど独創的な車ではない。
他の日本の自動車会社と同じような歴史や流れを持っており、技術的にはあまり差はないようだ。
ただ那波重工はバブルの影響が少ないからか、他の日本の自動車会社のように海外の自動車会社との資本提携はされていなかった。
その代わりという訳ではないが那波グループは基本的に雪広グループや麻帆良学園の支援企業との交流が多く、技術開発や海外での販売協力などは雪広グループなどのいわゆる麻帆良派と呼ばれる企業と多く行っている。
横島は前世界ではなかった那波重工の車を見ながらタマモに意見を聞くが、タマモ的には大きな車が理想らしい。
基本的に車の良し悪しを全く理解してないタマモは、小さいよりは大きい方がいいくらいにしか考えてないようだ。
「おっきい車か~ ファミリー向けのやつか?」
「ううん、この前みんなでのったくるまがいい」
「タマモ、バスは無理だわ。 うちの車庫に入る車にしないと置く場所がないだろ?」
タマモのリクエストにファミリー向けの車を探す横島だったが、タマモが考えているのは普通車でなく先月海に行く時に使ったバスであった。
流石に横島もバスだけは買うつもりはないようで、若干困ったようにタマモに説明する。
そんな横島の説明にタマモは一応納得するが、本心ではやはりバスがいいようで少し残念そうであった。
「いざ買うとなったら迷うんだよな~」
その後も横島はタマモと話をしながらどんな車がいいかと考えていくが、相変わらず自分のことでは貧乏性というか優柔不断さが出てしまいなかなか決まらない。
自分一人ならばそれこそ軽自動車の中古車でも十分だが、欲を言えばやはり新車のいい車が欲しくなるのもまた人情だった。
特別予算が決まってる訳ではないがそれがまた迷う原因の一つであり、結局木乃香達が来るまで横島は悩み続けることになる。
「二人ともどうしたん?」
そして買い物を終えて店に来た木乃香達が見た物は、珍しく真剣にパソコンのモニターを見つめる横島と横島の真似をして腕組みして悩むタマモだった。
横島は真面目に車で悩んでいるが、タマモはどうすれば横島の助けになるかで悩んでいる。
無論タマモも真剣なのだが、普通に周りから見れば横島の真似をしてるようにしか見えない。
まあタマモの表情自体は真剣なので、木乃香達ならばタマモが真剣なのを見抜けるだろうが。
「いや、そろそろ三人以上乗れる車に買い替えようかと思って悩んでるんだ」
「やはり車を買うのですね。 いい加減借りた車は返すべきです」
木乃香達が買って来た本を渡すと横島はさっそく中古車販売雑誌を開き中身を見ていくが、夕映はやはり借りた車を早く返すべきだと忠告する。
どうもその辺りがいい加減に見えるらしい。
「いや返すのはいつでもいいんだ。 持ち主はもう乗らないから最初はくれるって言ってたんだけど、流石に悪いから借りることにしたんだわ」
借りた車を半年も乗り回す自分が夕映達にどう見られていたか気付き、横島は若干苦笑いを浮かべて言い訳のように事情を話していく。
横島の感覚では借りただけなのだが、持ち主はもう居ないし最終的には横島に譲られた物なのだから。