平和な日常~秋~
さて九月に入ると麻帆良学園の各校食堂では、麻帆良祭で2ーAのクラスが販売した味付きポテトの販売が始まる。
同じく麻帆良市内に数ヵ所ある麻帆良学園食堂棟では、同じく麻帆良カレーの販売を始めていた。
こちらもポテト同様に人気がありぜひ食堂のメニューにとリクエストが来ていたが、ポテトと違い調理工程の難易度から各校の食堂では対応しきれず学園の食堂棟でのみ販売となっている。
こうして麻帆良祭からの一連の流れを見ていると驚くほど人気が続いているが、実際麻帆良では稀にだが前例としてあることの一つであった。
かつては麻帆良祭で人気が出て全国販売した玩具などもあり、大学部の一部サークルでは今だにその特許料や販売利益が入って来ているサークルもある。
そんな訳で今年は中等部の出し物が学園総合一位になった話題性もあり、横島達が麻帆良祭で販売したカレー・ポテト・ソフトクリームの三品は麻帆良の新しいご当地グルメとして認知されつつあった。
次に雪広グループでのこれらメニューや関連商品の販売だが、こちらも順調に売り上げを伸ばしている。
流石に全国販売では発売即爆発的ヒットとはいかなかったが、今もじわじわと売り上げが伸びており全体的に見れば好調だった。
加えてレトルトの麻帆良カレーは雪広グループのみならず、那波グループや他の親交企業においても九月から本格的に全国発売を始めている。
次に超包子に関してだが、麻帆良カレーと同時期に超包子特製の肉まんを雪広グループで販売を始めており、こちらも順調に事業が拡大していた。
路面電車型屋台も順調に増えており、麻帆良市内の飲食店においては最大手である雪広グループに続く規模になっている。
超鈴音の予測通り麻帆良祭での宣伝効果は絶大であった。
「いや~、うちの店そういうのはちょっと……」
そして横島の店だが、最近ぽつぽつと取材させて欲しいというマスコミからの連絡が来ている。
しかし横島は麻帆良に来て以来の付き合いがある、学園の報道部の取材以外は一切断っていた。
基本的には飲食店や観光のガイドブックの出版社からの取材が多いが、一度だけローカルテレビ局の取材アポも来ている。
取材を受ける利点が少ないので全く受ける気はないが。
「お願いしますよ~」
そんなこの日店に突然来たのは、アポなしでの突撃を売りにするグルメ番組の取材だった。
横島はあまりテレビを見ないので知らないが、アポなしで飲食店に行きその場で交渉する番組らしい。
そこそこ名の知れたタレントが先程からしつこいくらいに食い下がるのを、横島は多少げんなりとしながら対応していた。
「何度も言いますけど、うちはこれ以上新規の客が来ても困るんですよ。 いい加減にしないと警察呼びますよ」
図々しいくらいにフレンドリーなタレントに横島は何度目か分からないため息をつくと、取材は無理だと告げて万が一店が特定されるような放送をするなら訴えると言ってタレントと取材クルーを追い出す。
恐らく見てる分には面白い番組かもしれないが、当事者としてはたまったものではない。
ちょうど店に居合わせた近所の常連は最初こそタレントの姿に喜んでいたが、あまりにしつこいので最後は冷たい視線を向けていた。
この後横島が本当に警察を呼んだので彼らは渋々諦めて帰ったが、横島にとっては久々に厄日のような出来事だった。
同じく麻帆良市内に数ヵ所ある麻帆良学園食堂棟では、同じく麻帆良カレーの販売を始めていた。
こちらもポテト同様に人気がありぜひ食堂のメニューにとリクエストが来ていたが、ポテトと違い調理工程の難易度から各校の食堂では対応しきれず学園の食堂棟でのみ販売となっている。
こうして麻帆良祭からの一連の流れを見ていると驚くほど人気が続いているが、実際麻帆良では稀にだが前例としてあることの一つであった。
かつては麻帆良祭で人気が出て全国販売した玩具などもあり、大学部の一部サークルでは今だにその特許料や販売利益が入って来ているサークルもある。
そんな訳で今年は中等部の出し物が学園総合一位になった話題性もあり、横島達が麻帆良祭で販売したカレー・ポテト・ソフトクリームの三品は麻帆良の新しいご当地グルメとして認知されつつあった。
次に雪広グループでのこれらメニューや関連商品の販売だが、こちらも順調に売り上げを伸ばしている。
流石に全国販売では発売即爆発的ヒットとはいかなかったが、今もじわじわと売り上げが伸びており全体的に見れば好調だった。
加えてレトルトの麻帆良カレーは雪広グループのみならず、那波グループや他の親交企業においても九月から本格的に全国発売を始めている。
次に超包子に関してだが、麻帆良カレーと同時期に超包子特製の肉まんを雪広グループで販売を始めており、こちらも順調に事業が拡大していた。
路面電車型屋台も順調に増えており、麻帆良市内の飲食店においては最大手である雪広グループに続く規模になっている。
超鈴音の予測通り麻帆良祭での宣伝効果は絶大であった。
「いや~、うちの店そういうのはちょっと……」
そして横島の店だが、最近ぽつぽつと取材させて欲しいというマスコミからの連絡が来ている。
しかし横島は麻帆良に来て以来の付き合いがある、学園の報道部の取材以外は一切断っていた。
基本的には飲食店や観光のガイドブックの出版社からの取材が多いが、一度だけローカルテレビ局の取材アポも来ている。
取材を受ける利点が少ないので全く受ける気はないが。
「お願いしますよ~」
そんなこの日店に突然来たのは、アポなしでの突撃を売りにするグルメ番組の取材だった。
横島はあまりテレビを見ないので知らないが、アポなしで飲食店に行きその場で交渉する番組らしい。
そこそこ名の知れたタレントが先程からしつこいくらいに食い下がるのを、横島は多少げんなりとしながら対応していた。
「何度も言いますけど、うちはこれ以上新規の客が来ても困るんですよ。 いい加減にしないと警察呼びますよ」
図々しいくらいにフレンドリーなタレントに横島は何度目か分からないため息をつくと、取材は無理だと告げて万が一店が特定されるような放送をするなら訴えると言ってタレントと取材クルーを追い出す。
恐らく見てる分には面白い番組かもしれないが、当事者としてはたまったものではない。
ちょうど店に居合わせた近所の常連は最初こそタレントの姿に喜んでいたが、あまりにしつこいので最後は冷たい視線を向けていた。
この後横島が本当に警察を呼んだので彼らは渋々諦めて帰ったが、横島にとっては久々に厄日のような出来事だった。