平和な日常~秋~
「行ってきます」
横島が納涼祭の後片付けから帰宅して数時間後、さよは横島やタマモや常連の人達に見送られて学校に登校する。
初登校とあって木乃香と明日菜が迎えに来てくれたが、さよにして見れば少し不思議な気分だった。
まさか自分がこうして友達と登校する日が来るとは思いもしなかったのだから。
「うわ~、凄い人ですね」
多くの学生で溢れ混雑する通学路や電車も、さよには新鮮なモノだった。
かつては教室の窓から登校して来る少女達を毎日見ていただけに感慨深いものがあるらしい。
「あれ、さよちゃんこっちの学校に通うの?」
「はい、今日からお世話になります」
相坂さよから氷室さよと名前を変えて転校生として新たに学校に通うさよだったが、やはり中等部の少女達には顔見知りが多かった。
夏休み期間中いつも横島の店に居てタマモと一緒に居ることが多かったさよは、横島やタマモと同様に中等部の少女達の間ではすっかり有名人である。
木乃香達など身近な人はさよの転校を知っていたが、店の客のほとんどは知らなかったらしく学校に行くまでにかなりの少女達に声をかけられていた。
「なんか転校生って感じがしないわよね」
「そうやな~」
一応転校生になることで明日菜と木乃香は多少さよが学校に馴染めるか気にかけていたらしいが、夏休みで有名になった為に転校生らしさはゼロである。
横島やタマモと同様に誰とでも友達になるさよは、すでに中等部に顔見知りや友達が結構居たらしい。
「僕が君の担任になるが君の事情は知ってるから、困ったらいつでも相談して欲しい。 あと学年は違うけど葛葉先生も同じ中等部だから、もし僕が居なければ頼ってみるといいよ」
そのまま中等部に到着したさよは二年の教師の職員室に案内されるが、さよの担任になる高畑は当然事情を知ってるらしくあまり多くを語らないが万が一の時のことを軽く説明する。
実は高畑は相坂さよの幽霊が教室に居ることは話としては前々から聞いてはいたが、全く見えなかった部類に入る人間だった。
戦闘力の高さはともかく元々不器用なタイプの高畑は、霊視など全く出来ないらしい。
もっとも魔法関係者でも幽霊時のさよが見える人間など、数えるほどしか居ないが。
この世界は横島の世界に比べて霊障の確率が極端に少ない分、霊的な能力や技術は驚くほど発展してないようである。
「えっと、氷室さよです。 今日からよろしくお願いします!」
「さよちゃん、いらっしゃい!」
「それじゃ今日はさよちゃんの歓迎パーティーね!」
そのまま高畑と共に慣れ親しんだ教室に入り転校生として挨拶するさよだが、やはり新鮮味がなく転校生感はゼロだった。
千雨やサジなど会話したことがない人も数人居るが、ほとんどはすでに友達なのだから。
「貴女達、昨日あれだけ騒いでまだ足りないのですか!」
「でもさよちゃんの歓迎パーティーは別でしょ? ちゃんとやらないと可哀相だよ」
前日にあれだけ騒ぎを大きくした少女達だが、全く懲りてなく今日はさよの歓迎パーティーをしようと盛り上がる。
あやかは昨日の今日でまた騒ぐのかと頭を抱えていたが、その程度で少女達が止まるはずがない。
幸か不幸かこの日は始業式だけですぐに帰れるので、午後に横島の店に集合することがさっそく決まってしまう。
この日も2-Aは平常運転だった。
横島が納涼祭の後片付けから帰宅して数時間後、さよは横島やタマモや常連の人達に見送られて学校に登校する。
初登校とあって木乃香と明日菜が迎えに来てくれたが、さよにして見れば少し不思議な気分だった。
まさか自分がこうして友達と登校する日が来るとは思いもしなかったのだから。
「うわ~、凄い人ですね」
多くの学生で溢れ混雑する通学路や電車も、さよには新鮮なモノだった。
かつては教室の窓から登校して来る少女達を毎日見ていただけに感慨深いものがあるらしい。
「あれ、さよちゃんこっちの学校に通うの?」
「はい、今日からお世話になります」
相坂さよから氷室さよと名前を変えて転校生として新たに学校に通うさよだったが、やはり中等部の少女達には顔見知りが多かった。
夏休み期間中いつも横島の店に居てタマモと一緒に居ることが多かったさよは、横島やタマモと同様に中等部の少女達の間ではすっかり有名人である。
木乃香達など身近な人はさよの転校を知っていたが、店の客のほとんどは知らなかったらしく学校に行くまでにかなりの少女達に声をかけられていた。
「なんか転校生って感じがしないわよね」
「そうやな~」
一応転校生になることで明日菜と木乃香は多少さよが学校に馴染めるか気にかけていたらしいが、夏休みで有名になった為に転校生らしさはゼロである。
横島やタマモと同様に誰とでも友達になるさよは、すでに中等部に顔見知りや友達が結構居たらしい。
「僕が君の担任になるが君の事情は知ってるから、困ったらいつでも相談して欲しい。 あと学年は違うけど葛葉先生も同じ中等部だから、もし僕が居なければ頼ってみるといいよ」
そのまま中等部に到着したさよは二年の教師の職員室に案内されるが、さよの担任になる高畑は当然事情を知ってるらしくあまり多くを語らないが万が一の時のことを軽く説明する。
実は高畑は相坂さよの幽霊が教室に居ることは話としては前々から聞いてはいたが、全く見えなかった部類に入る人間だった。
戦闘力の高さはともかく元々不器用なタイプの高畑は、霊視など全く出来ないらしい。
もっとも魔法関係者でも幽霊時のさよが見える人間など、数えるほどしか居ないが。
この世界は横島の世界に比べて霊障の確率が極端に少ない分、霊的な能力や技術は驚くほど発展してないようである。
「えっと、氷室さよです。 今日からよろしくお願いします!」
「さよちゃん、いらっしゃい!」
「それじゃ今日はさよちゃんの歓迎パーティーね!」
そのまま高畑と共に慣れ親しんだ教室に入り転校生として挨拶するさよだが、やはり新鮮味がなく転校生感はゼロだった。
千雨やサジなど会話したことがない人も数人居るが、ほとんどはすでに友達なのだから。
「貴女達、昨日あれだけ騒いでまだ足りないのですか!」
「でもさよちゃんの歓迎パーティーは別でしょ? ちゃんとやらないと可哀相だよ」
前日にあれだけ騒ぎを大きくした少女達だが、全く懲りてなく今日はさよの歓迎パーティーをしようと盛り上がる。
あやかは昨日の今日でまた騒ぐのかと頭を抱えていたが、その程度で少女達が止まるはずがない。
幸か不幸かこの日は始業式だけですぐに帰れるので、午後に横島の店に集合することがさっそく決まってしまう。
この日も2-Aは平常運転だった。