平和な日常~夏~3
一方祭りの最終イベントとして手持ち花火のイベントに参加していたタマモや多くの少女達だったが、見物人を含めると千人を軽く越える人が集まっていた。
いかに家庭用の花火とはいえ、これだけ大勢で集まると結構見応えがある。
砂浜のあちこちで一斉に点火された花火は綺麗な花をあちこちで咲かせるが、同時にかなり煙りも出てしまい参加者や見物人の笑いを誘っていたが。
花火自体は一人に十個ほど配られたが、時間にして十五分ほどで終わってしまう。
しかしこれだけ大勢で一斉に花火をやるのは予想以上に楽しく好評だった。
花火が初体験のタマモもまた、さよや木乃香達に加え多くの中高生に囲まれて一斉に咲く花火を心底楽しんでいる。
今日この日が夏の思い出として、忘れられない日になった者も少なくないだろう。
最後に参加者みんなで花火の後始末をして今回の納涼祭は終了になった。
その後祭りが終わった湖畔公園では昨夜と同じく大学部を中心にしたメンバーが撤収作業に入るが、この日は横島も作業に加わっている。
タマモや木乃香達は流石に祭りが終わった後で先に帰したが、横島は名前だけとはいえ主催者として撤収作業に参加することにしたらしい。
結局全ての作業が終わったのは夜が明ける直前であり、大学部の猛者達は二日連続で徹夜だったようだ。
そして最後まで後片付けに加わっていた横島だが、そのまま借りてる車でこの日の仕入れに向うことになる。
最終的に横島が仕入れを終えて帰宅した頃にはすでに夜が明けており、庭の手入れや猫達のご飯はさよとタマモと茶々丸でやってくれていた。
「今日からは、さよちゃんの弁当も作らなきゃな」
帰宅した横島は休む間もなく、そのままこの日の仕込みとさよの弁当作りに入る。
女の子らしい小さめな弁当箱に、彩りや味のバランスを考えながらおかずを詰めていく。
(朝から女の子の弁当を作るようになるとはな……)
料理自体は麻帆良に来てから散々やっているので慣れて来たが、一つだけの弁当を作る経験は実は始めてである。
少し前に海に行く際にみんなの弁当を作ったが、あの時とは少し違う感覚を感じてしまう。
正直横島は今だに人の親になる自分など想像も出来ない。
そんな自分がさよの弁当を作っているのだから、少し不思議な気分だったようだ。
かつてよく弁当を作ってくれた母親を思い出し、横島は僅かに苦笑いを浮かべてしまう。
「夏も後少しだな」
九月に入ったこの日だが、やはりまだまだ暑く夏が終わったとは言えない。
しかし街の空気は確実に秋へと近付いている。
最後の最後まで楽しかった夏休みに横島は名残惜しさを感じながら、料理やスイーツを作っていく。
ちなみに大好評だった麻帆良納涼祭は、来年以降も八月三十一日に継続して行われることになる。
何も夏休み最終日に行わなくてもとの意見はちらほらと出ることになるが、夏休み最終日だからこそいいと考える者も少なくない。
流石に麻帆良祭のような規模にはならないが、この祭りがやがて麻帆良の夏祭りの代表的な存在になるなどとは横島ですら気付くはずもないことだった。
そして僅か一夜で夏祭りを作り上げた今年の納涼祭は、半ば伝説として麻帆良の歴史の一ページに刻まれることになる。
いかに家庭用の花火とはいえ、これだけ大勢で集まると結構見応えがある。
砂浜のあちこちで一斉に点火された花火は綺麗な花をあちこちで咲かせるが、同時にかなり煙りも出てしまい参加者や見物人の笑いを誘っていたが。
花火自体は一人に十個ほど配られたが、時間にして十五分ほどで終わってしまう。
しかしこれだけ大勢で一斉に花火をやるのは予想以上に楽しく好評だった。
花火が初体験のタマモもまた、さよや木乃香達に加え多くの中高生に囲まれて一斉に咲く花火を心底楽しんでいる。
今日この日が夏の思い出として、忘れられない日になった者も少なくないだろう。
最後に参加者みんなで花火の後始末をして今回の納涼祭は終了になった。
その後祭りが終わった湖畔公園では昨夜と同じく大学部を中心にしたメンバーが撤収作業に入るが、この日は横島も作業に加わっている。
タマモや木乃香達は流石に祭りが終わった後で先に帰したが、横島は名前だけとはいえ主催者として撤収作業に参加することにしたらしい。
結局全ての作業が終わったのは夜が明ける直前であり、大学部の猛者達は二日連続で徹夜だったようだ。
そして最後まで後片付けに加わっていた横島だが、そのまま借りてる車でこの日の仕入れに向うことになる。
最終的に横島が仕入れを終えて帰宅した頃にはすでに夜が明けており、庭の手入れや猫達のご飯はさよとタマモと茶々丸でやってくれていた。
「今日からは、さよちゃんの弁当も作らなきゃな」
帰宅した横島は休む間もなく、そのままこの日の仕込みとさよの弁当作りに入る。
女の子らしい小さめな弁当箱に、彩りや味のバランスを考えながらおかずを詰めていく。
(朝から女の子の弁当を作るようになるとはな……)
料理自体は麻帆良に来てから散々やっているので慣れて来たが、一つだけの弁当を作る経験は実は始めてである。
少し前に海に行く際にみんなの弁当を作ったが、あの時とは少し違う感覚を感じてしまう。
正直横島は今だに人の親になる自分など想像も出来ない。
そんな自分がさよの弁当を作っているのだから、少し不思議な気分だったようだ。
かつてよく弁当を作ってくれた母親を思い出し、横島は僅かに苦笑いを浮かべてしまう。
「夏も後少しだな」
九月に入ったこの日だが、やはりまだまだ暑く夏が終わったとは言えない。
しかし街の空気は確実に秋へと近付いている。
最後の最後まで楽しかった夏休みに横島は名残惜しさを感じながら、料理やスイーツを作っていく。
ちなみに大好評だった麻帆良納涼祭は、来年以降も八月三十一日に継続して行われることになる。
何も夏休み最終日に行わなくてもとの意見はちらほらと出ることになるが、夏休み最終日だからこそいいと考える者も少なくない。
流石に麻帆良祭のような規模にはならないが、この祭りがやがて麻帆良の夏祭りの代表的な存在になるなどとは横島ですら気付くはずもないことだった。
そして僅か一夜で夏祭りを作り上げた今年の納涼祭は、半ば伝説として麻帆良の歴史の一ページに刻まれることになる。